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エンジニアが育休を振り返る手記① ~人間ネムリラの誕生から引退まで~

昨年秋、第一子として長女が生まれました。
同時に男性育休を取得し気がつけば6ヶ月…

そんな自分も4月からついに職務復帰。今のうちに半年を振り返るべく、筆を執ろうと思います。

エンジニア向けの手記なので、開発あるあるみたいなネタ多めにしています。

未来の自分が読み返せるような、手記みたいなものになれば嬉しいかな。


立ち会い出産のために

コロナ禍では難しかった立ち会い出産ですが、最近は再び出来るようになった産院が多くなってきたと思います。
もちろん産院によりますが、自分と妻が選んだ産院でも立ち会い出産が出来て、私も立ち会い出産を希望しました。

育休開始日について

多くの場合、育児休業は出産予定日から取得することが出来ます。
弊社の場合もそうでした。

我が子の場合は予定日ぴったりで出産となった為、
出産予定日=育児休業開始
となりました。

もちろん出産日が前倒しになった場合でも、育休はそのタイミングから取得する事が出来ます。
(そこらへんはマネージャーや、チームメンバへの事前すり合わせを密にしていた方が良いかと思います。)

いざ、立ち会い出産

感染症対策の為、夫といえど院内で長時間待機は出来ませんでした。
なので「そろそろ陣痛の感覚が短くなってきた」という連絡が来てから、車で移動しました。
朝の4時頃に連絡が来たのですが、秒で起きたのを覚えています。多分半分は脳みそが覚醒してたんでしょう。

緊張しながら運転して病院に向かいました。
朝方だったので道路も空いてましたし、体感ですぐ到着したような気がしました。
(緊張しすぎて記憶が飛んでただけかもしれませんが)

駐車場で待機したのち、産まれる直前になって分娩室に通されました。
分娩室前で説明を受けてる時は、テックカンファレンスに登壇する時とは比べられないくらいの汗をかいた気がします。

我が子が産まれた瞬間の記憶は今でも明確に思い出すことが出来ます。

  1. へその緒を切られる

  2. 肺の中の羊水を吐き出す

  3. 空気を吸い込む

  4. めいいっぱい泣く

上記の4工程を華麗にこなして、長女は産まれました。
一連の流れがあまりにもスムーズだったので事前に練習してきたんじゃないかと疑ってしまうレベルです。
絶対に人生で一度しかやらない行動なのに、赤ちゃんて本当に凄いと思います。遺伝子にオートメーションが組み込まれているのでしょうか。

そして、へその緒を切られる瞬間というのは妻からは見えない位置になるので、そういった光景を妻に伝えることも出来たので立ち会えて良かったです。

あと、子供がギャン泣きする時は、いつも心の中で産まれた瞬間の泣いた姿を思い浮かべると少しだけ平静になれます。(ほんの少しだけ…)

再現性の低さに泣く

エンジニアは再現性が高いと喜ぶ性質を持っています。
(個人の見解です)

  • ユニットテストは何度実行しても同じ結果を出力してほしい…

  • 発覚したバグは同じ手順で同じようにバグってほしい…

育児が始まった直後は非常に意気込んでいて、
「やったるぞ!」
と、どうしたら効率の良い育児が出来るのかを考えて挑んでいたのですが、
すぐに自分の考え方が甘かったことを思い知らされます。

すべてのアラートは大人がトリアージしなければいけない

新生児の要求、つまりはアラートなのですが、すべて「泣く」ことで伝えてきます。
アラートをトリアージ(なんで泣いてるのか考える)のは当然、大人の役割です。
赤ちゃんはどんな要求でも泣くことでしか伝えられないので、チャットツールに例えると
「全社チャンネルの全員宛に、すべてのアラート通知が送信される」
ようなものと考えると想像しやすいかもしれません。

全部のアラートに全力投球し続けることが現実的ではない、という事に気付かされます。

エンジニアの性というべきか、自分は効率化を考え始めました。
ここに落とし穴があったのです。

さっきはこうしたら泣き止んだ→同じ方法で泣き止まない

「お、こうしたら泣き止んだぞ」
「次も同じ方法を試してみよう」
「全然泣き止まない・・・orz」

そう、もう一度同じ方法を試しても問題を解決できないのです…!

直前の成功体験は新生児育児において、ほぼ期待できません。
赤ちゃんは我々が思っている以上に見えないグローバル変数を内包しているのです。ぶっちゃけると機嫌次第ってやつです。

なので「どうして同じ方法で泣き止まないんだ…!」と泣きたくなってしまいます。むしろ前回の成功体験に固執して、問題を解決できない事にストレスを感じてしまうケースが何度もありました。

前回上手くいった方法をすっぱり忘れて、違う方法を色々と試す方が新生児育児では有用に感じました。

寝かしつけグッズを人の手で再現すれば良いのでは?

妻の里帰り中、自宅では育児グッズを揃えていました。
ハイローチェアという寝かしつけグッズもその一つです。(以下、ネムリラ)

お高いものでは電動も存在するのですが、他の出費とのバランスを考えて手動のものを選びました。
動力に違いはあれど、赤ちゃんを乗せて良い感じに揺らすと寝てくれる素敵グッズであることは同じであるはず…( ここは電動で実際に試せてる訳ではないのでもしかしたら電動の方がさらに効果が高いのかもしれません )

ネムリラはCombiさんが展開するハイローチェアのシリーズ名。各社様々なハイローチェアを展開しています。

しかしネムリラを自宅に設置して一安心、という訳にもいきません。
それなりに大きさがあるので妻の里帰り先にもっていけないのです。

一方、里帰り先では新生児の寝かしつけに四苦八苦している最中、、
ここで自分は「ネムリラの動きは赤ちゃんを眠らせることに特化しているはず。
これを自分が再現すれば里帰り先でも使えるはず!」と思い至ります。

これは抜群に効果を発揮しました。

実際に何をしたかというと

  1. ネムリラの動きを動画に取る

  2. 動画を見ながらぬいぐるみで同じ動きを再現する練習を自宅でする

  3. 里帰り先で練習を再現する

という具合です。

今なら冷静に考えて無茶を感じる方法ですね。
(特に自宅でぬいぐるみで寝かしつけの練習をしている所を、誰かに見られたら狂気を感じて逃げ出されそうです。)

必死だったのか、あまりの睡眠不足で正常な判断が出来なかったのか…
とにかく人間ネムリラとなった自分は新生児の寝かしつけにおいて、成果を上げ始めます。


ですが、人間ネムリラは生後3ヶ月ほどで引退します。
里帰り終了後、自宅に戻ったあとは本物のネムリラがあるという理由もありますが、もっと単純な理由で

「腰の寿命を減らしながら人間ネムリラを続けた結果、限界がきた」

からです。

もっと早く気付け…自分…

そもそもネムリラの動きってCombiさんが寝かしつけに対して研究に研究を重ね、機械的に最適になるように作り上げたものなのです。
だから人間が真似するべき動きではないのです。

程なくして腰に致命的になりうるダメージが蓄積している事に気づき、大方針として「寝かしつけに抱っこを使わないで、どうやったら寝るか」を考えるようになりました。

座り仕事であるエンジニアにとって、腰は命とも言える存在。大切にしましょう。(自戒を込めて…)

最後に

育児が始まった時、最初に感じたのは
「突然全く違う職種に転職した」
ような感覚でした。

そして我が子は大変可愛いので、
(世界一可愛いと思います。主観ですが。)
最初は何でも全力投球しがちですが、持続性に欠けることに気づきます。
育児がずっと続くなんて当たり前のことですら、前のめりだと忘れがちになってしまいます。

赤ちゃんと一緒に父親としても日々成長していけるよう、持続可能な育児への向き合い方を考えていきたい。と半年経った今だからこそ強く思うのです。

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