戦闘結果は異世界の異世界へ

闘いの幕開けである。
相手は弓矢を用いるのに対して、こちらは短剣だ。相性が悪い。

しかし、短剣使いの私にはMPが多めにある。そういう、バランスなのだ。世界とは。

試合開始とともに敵のマクスウェル・ユージンは弓を引き絞リ始めた。
彼の能力が高ければ必中なので、ここで私はすかさず呪文を唱えた。

濃い霧が会場に立ち込める。観客も困惑しているようだ。
これで相手の視界を防ぐことができた。

後はもう一つの呪文を唱えることとしよう。
敵の位置が感覚的にわかる呪文。ふわっとではあるが大体の位置が常に把握できる。

おまけの一発。<<千本竜剣>>を使うこととしよう。
短剣を1000本に増やし龍をまとわせ敵に衝突させる。スタミナも使うがこれで確実に倒すことができるだろう。代償として足の小指が外に若干曲がるが……。

発動！<<千本竜剣>>！

ごごごごご　ひゅ～　どか～ん　ち～ん

かちました！！！！！！！！！

観客2000人も湧いているに違いない……

「てめ～。やりすぎだよ～。」

えっ

「客半分死んだよ～。」

すいません……

「君の勝ちだしさぁ、賞金の1億バンもあげるけどさぁ。」

わぁい！！！！！！！！！！！

「損害賠償請求させてもらうね。」

それも貰えるんですか！

「急にバカじゃん。お金払って責任とってねって話だよ！！！！」

ひええええええええええええ！？！？　おいくらですか……

「２サンカンドンリランタゴサンボドムドムリョホホンジドルです。」

２サンカンドンリランタゴサンボドムドムリョホホンジドル！？
ドルってなに！？

「ドルっていうのは別世界の通貨だよ。君にはこれから向こうの世界でお肉を焼く仕事をしてもらうからね。」

そんな……。

「君の焼くお肉は柔らかいねぇ！最高だよ！」

ありがとうございます！一つの肉に1000回の隠し包丁を入れてますからね！

「お～！だからあんなにぐちゃぐちゃなのかぁ！」

すいません……

※１サンカンドンリランタゴサンボドムドムリョホホンジドルは現在の価値で言うと約７ドルです。