見出し画像

【質問集⑤】学生からの質問に答えちゃいます!『これだけ講座』 vol.3

みなさん、こんにちは!
名古屋大学附属図書館サポートデスクの院生スタッフです。

この記事では、これまで開催してきた「これだけ講座」(学部1〜2年生向け)で、2023-2024年度の間に、実際に寄せられた「質問」とそれに対する「答え」のなかで、とくに大切だと感じたものを紹介したいと思います!
もしかすると、みなさんも同じ悩みを持っているかもしれませんヨ。

最初はこのような質問です。

(1)プレゼンの締めに自分の意見はいうものですか?

ということで、たしかに最後に自分の意見を述べて、かっこよく締めくくっているプレゼンはよく見かけるかもしれません。
特に、英語学習に役立つことで有名な「TED(https://www.ted.com/)」でも、そのような光景をみたことがあるでしょう。

この質問に対する答えは、半分「イエス」で、半分「ノー」です。
釈然としないですね。

まず、なぜ半分「イエス」なのかを説明しましょう。
アカデミックな場では、よく「序論・本論・結論」という物語の進め方を使います。
詳しくはこちらの記事も参照してみてください。

この「序論・本論・結論」という型に沿うと、さいごに「結論」で自身の意見を整理し、まとめることになります。
そのため、自然とプレゼンの締めに自分の意見を「いう」ことになるでしょう。

ただし、これはあくまでも型に沿った結果です。半分「ノー」である理由は、かっこつけて、内容からあまりに飛躍する意見は言わない方がよいためです。

TEDのようなプレゼンは、あくまでも聴衆の関心を引くためにそうした技術を用いています。
私たちはそのような関心を引く必要はないので、まずは伝えたいプレゼン内容を丁寧かつ確実に伝わるように心がけてください。

では、次の質問です。

(2)レポートでは主観的なことは書かないのですか?主観と考察は何が違いますか?

難しい質問です。この質問を真面目に答えるためには、「主観」と「客観」の違いから話さなければならないですね…。

とはいえ、そのような余裕はないし、力量もないので、ここでいう「主観的なこと」とはあくまでも自身の感想のようなものと理解しておきましょう。

レポートで主観的なことは書きません
感想とは学術的な価値がほとんどないからです。しかしながら、みなさんはレポートや論文で「考察」を行います。ここでいう「考察」とは「〜〜〜だと考えられる」という推測のようなものです。

では、「主観」と「考察」は何が違うのか。あくまでも一つの意見にすぎないですが、それは「論証」に基づくものであるか否かである点に違いがあります。

「考察」では必ず根拠をもとに論証したり、その論証をもとに推論を重ねて
たり
して、ある主張に論理的な「確からしさ」を与えていきます。その際、自分以外の人の研究成果などを参照し、客観性や妥当性を高めます。そうすることで、あくまでも感想ではなく、論理的な検討から導き出された結論として扱うことができます。

「主観的なこと」には、そのようなプロセスはありません。あくまでも、みなさんの主観的な経験や体験がもとになります。

したがって、レポートでは「主観的なこと」は書かないですし、「考察」とはそれを導き出すプロセスが全く異なるのです。

今回は、寄せられた質問のなかでも、とくに大事なものをピックアップして紹介しました。

このように、サポートデスクではいつでも皆さんの質問に答えられるように日々準備しているので、何かありましたらご気軽にご相談ください!

詳しくはこちら↓
LEARNING COMMONS 学習相談・サポート (nagoya-u.ac.jp)

次回は「卒論講座」編です!
学部3〜4年生向けの講座で寄せられた「質問」と「答え」を紹介します。
それでは、また次回!

#レポート #アカデミックスキル #プレゼン #大学生
名古屋大学附属図書館 ラーニングコモンズ
名古屋大学附属図書館 サポートデスク 目次


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?