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【物語詩】魂の羽

 すっかり泉は干上がってしまった
 しっかり者の太陽のせいで
 いっぱい干した洗濯物は乾いたけれど
 うっかり倒れて収穫できそうにもない

 急に動けなくなった私は
 動かなくてもいいと こっそり喜んだ
 狭くて暗い部屋の中で じっと

 体を丸くして眠っていた
 怠け者に変身して 夢の中で思う存分
 飛んで跳ねて遊んでいた

 いくつかの夢を渡り歩いて
 私はそろそろ目覚めようかと思った
 それで初めて 目覚められないと知った

 ずっと丸くしていた身体は
 もっと丸いボールそのものになっていて
 きっと狭くて暗い箱の中で
 そっと転がることしかできない

 困ったな まだやることがあるのに
 洗濯も仕事も まだ山ほどあるし
 一人遊びは飽きたから みんなと遊びたい

 きっとずっと祈っていたら
 箱の天井が開いて世界が広がった
 うっかりしっかり私は飛び跳ねた

 誰かが驚いて私を見ていた
 高く高く舞い上がったボールは
 まるで羽が跳ねたみたいだったから

 空にキスして神様に笑顔
 ありがたい と ありがとう を込めて
 これからは私 働き者になりますね

 地上へと戻りながら
 枯れていた泉が湧いているのを見つけた

 あの水の美味しさを思い出して
 再び飲める瞬間を夢想して
 私は天使のように舞い降りた




思っていたより奇妙な詩になった気がします(笑)。
いろんな解釈を受け付けております♪

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