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資料あつめのリンク集(短歌史のためのtips)

 昔の短歌雑誌をめくるのが好きで、日がな文学館とかに篭ってよく読んでいます。同じ趣味の人は多いと思いますが、いかんせん趣味にするまでに少し時間がかかるのが難点です。特に読みたい資料が見つからないのが困る。
 そういうわけで、ブクマしているリンクをまとめることにしました。誰でも入れるところの蔵書検索システムです。


早稲田大学古典籍総合データベース

 名前の通り前近代メインのデータベースですが、例えば土岐善麿(哀果)の初期歌集など、明治期を中心に短歌関連本を探すことができます。善麿はまだ著作権生きてますのでネットで読めるのはうれしい。
 あとは鉄幹、晶子、白秋、啄木、迢空など。画質がいいのもうれしい。

国立国会図書館デジタルコレクション

 縮めてデジコレ。国立国会図書館の略称はNDLなんで、NDLのデジコレといえばこれです。個人送信サービスを使うと自宅で読める範囲が一気に広がります。登録必須。
 例えば戦前の改造社刊『短歌研究』も読めてしまう。現在の短歌研究社はかつて日本短歌社で、日本短歌社は戦時中の改造社解散事件に際して改造社から『短歌研究』発行事業を引き継ぎました。このとき巻号は切り替わってます。
 改造社といえば戦前の教養本シリーズ『短歌講座』全12巻も読み応えがあって好きです。半紙に短歌を書くときの作法とか載ってます。当時はまだ古典に対する憧れが生きていたようですね。もちろんデジコレ収録、ただし個人送信サービスの区分です。

国会図書館サーチ(永田町

 通称NDL search。NDLの検索システムです。全国の図書館の蔵書も同時に検索できる優れもの。ヒットした資料がデジコレにもあれば、ここからリンク踏んで跳ぶこともできます。
 NDLは基本閉架で、このサイトにログインしたのちに閲覧申請をすると10分から30分くらいでカウンターに届き、受け取れるようになります。やっぱり蔵書の多さがありがたくて、戦後のものならだいたい読めます。朝日新聞社がかつて発行していた『短歌朝日』とか、沖積舎刊の『アルカディア』とか、マイナーなのもカバーされてます。雁書館の刊行物は手薄なのがかなしいところ。
 新聞は半年程度開架に保管されているので、ちょくちょく通って短歌関係の記事を集めています。

CiNii Research

 雑誌の記事検索はとりあえずCiNiiで調べます。NDL searchにも同じ機能はあるんですけどね。こっちのがUI便利な気がする。本と記事が別タブで切り替えられるのがうれしいところです。
 戦後の記事が得意です。學燈社の『国文学:解釈と教材の研究』や至文堂『国文学:解釈と鑑賞』の短歌関連記事もヒットするのがだいぶ助かります。紀要論文なんかは機関リポジトリに跳べるリンクも貼られています。
 ただ、継続刊行中の雑誌でも現代短歌社の『現代短歌』とか、ながらみ書房の『短歌往来』の記事はヒットしません。このへんは現物めくって読む必要があります。

日本近代文学館(駒場)

 こっから文学館シリーズです。文学館はNDL同様基本閉架です。駒場の近文は言わずと知れた文学館ですね。入館料が300円かかります。コピー代が高い。5000円くらい払って友の会に入ると入館チケットが10枚もらえます。コピー代も白黒1枚60円に割引きされる。
 多少お金はかかりますが、NDLより閲覧できるまでが圧倒的に早いので通ってます。昭和初期の雑誌である『短歌月刊』とか、終戦直後に発行された『人民短歌』とかはここで所蔵分全巻めくりました。

神奈川近代文学館(横浜港の見える丘公園)

 『現代短歌雁』がある! 全部でないけど。読みは「がん」です。NDLにも入ってないんですよ雁書館なので。『現代短歌雁』通しで読もうと思うとあとは北上の現代詩歌文学館とかに行く必要があるので、首都圏で読めるのはありがたい。

さいたま文学館(桶川)

 加藤克巳旧蔵資料をはじめ、埼玉県にゆかりのある歌人の資料がだいぶ揃っています。早崎夏衛・岡松雄の編集による『短歌精神』も全巻収蔵されていました。

補遺

資料検索ではないですが、その他便利でブクマしているリンクも置いておきます。
NDL Ngram Viewer
 ある言葉がいつからたくさん見られるようになるのか調べられるシステムです。近代に創出された文語の用法なんかを調べるのにたまに使います。

文字情報基盤検索システム
 旧字って変換いくら探しても出ないですよね。このサイトで検索できます。「詳細検索」にある「要素図形」検索がとても便利で、例えば「字」の字から「丨亅冖子孑字宀𬺰」などの要素を取り出し、「姿」の字から「丶丿乀人冫女姿欠次𠄌𠆢」などの要素を取り出し、そこから「宀」と「冫」の要素を含む漢字を一覧で見ることができます。

 早稲田在住なので首都圏中心になりました。ちなみにヘッダーは作りかけの自由律モダニズム雑誌の変遷図です。いつか公開できるかも。
 皆さんに良き短歌雑誌めくりライフが訪れますように!

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