石川信雄『シネマ』評:天使とロンド・ロンド・ロンド
モダニズム歌集評第5回
底本:石川信雄『シネマ』(茜書房、一九三六)
書影は『現代短歌全集』第七巻(筑摩書房)より。
石川信雄は早くから筏井嘉一と行動をともにし、新芸術派の嚆矢たる『エスプリ』創刊にも参加しています。『エスプリ』の廃刊後は前川佐美雄と行動を共にし、戦前は佐美雄の主宰する雑誌『短歌作品』、『カメレオン』、『日本歌人』の全てで活躍しました。作品発表は一九三〇年代半ばまでであり、その後は評論・エッセイの書き手として知られるようになります。日中戦争に際して徴兵され、