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勝負脳を作る為に⑦

※勝負脳の作り方(2002年/林 成之 著書)より
※前回の続き


□試合中にリラックスしない

心の高まりがあってこそ試合に勝つ為に何が必要なのかを見抜く脳の機能が作られる。
勝負事で緊張するのは当然で人間として当たり前のこと。
要は、交感神経の興奮を保ったままその弊害をどう抑えるかによる。
副交感神経の機能を高めることによって、適度に心臓や脳を緊張させて闘争本能を維持したまま、自律神経を安定させることができる。
方法として呼吸法を取り入れる
息をできるだけ長く吐き出しながら、腹筋を締める。(これは空手の型にも組み込まれているので空手に興味ある方は是非調べられるのが良い)
ランニングなどの場合には息を数回に分けて連続的に吐き出す

さらに、息を吸い込む時も分割的に行うと、はいの中の肺胞も大きく膨らんだり小さくなったりする為、菌にをを緩める働きを持つ炭酸ガスが肺胞の中にたまらなくなり、筋肉の運動能力低下を防いでくれる


□モジュレーター神経群を普段から鍛える

この習慣を身につけておけば、心が不安定な状態になることを避ける能力が備わってくる。
前回までのnoteにも綴ったが以下のようなことを意識して、意欲と集中力を高める努力をすることが重要になる。

・性格を明るく保つ。
・日常の行動では何事にも手を抜かず全力投球する。
・興味を持ってそれを好きになる。

前回に続いて二度目だが脳の疲労を残さないことも必要。

今回はさらにプラスして言えば「笑顔を作ること」も緊張をコントロールする方法として有効。
なぜなら人間は笑顔のまま緊張することは難しいから。
習慣に取り入れるならば、朝歯磨きをするときに鏡をみると思うが、そのときに素晴らしい笑顔を作れるように顔の運動とマッサージをして練習するのが良い。


□結果を意識しない

2006年冬季オンリンピックで金メダルを獲得した荒川静香さんの言葉

「順位は全く考えていませんでした。新しい採点法に対応する為に、演技ごとに自分の欠点を明らかにして、一つ一つをいかに完璧にこなすかに集中していました。一位になれたことにびっくりしました。」

結果を意識するのではなく、それを達成する為に必要な技、作戦に気持ちを集中させる必要がある。
要するに目的と目標は分けて考えるということ。
気をつけておきたいのが、試合にかつ経験を何度も重ねると、脳の中で買った時のイメージ記憶が強くなってしまうこと。それに囚われると足元を掬われかねない。
大事なのはどんな立場にあっても挑戦者という気持ちを持ち、勝つ為に必要な技や戦略を緻密に考え、それを確実に実行することに気持ちを集中させることが大事。
スポーツに置いて「勝負」とは結果の部分でしかなく、本来重要なのは切磋琢磨し勝っても負けてもお互いを尊重し、人間的な成長に繋げられるところ。
人間の本能としても自己保存や、種保存の遺伝子を持つことによって苦難を乗り越え生き延びて様々な進化を遂げた結果で今がある。
同種保存(学校に行けば、学校を好きになり、日本で生まれれば日本を好きになるなど)の機能も人間の本能として存在している為、オリンピックなどがある場合には自国を応援するのが通常と考えられる。
「そんなことはない」という人がいるのなら本能を作り上げる脳のどこかがおかしいか、遺伝子に障害があるかもしれない。


□問題となりえる過剰反応する機能

本能には、自己保存が強すぎるが為に過剰反応してしまう場合がある。
こうなってしまうと自分や人を傷つけることに繋がる。しかし、人間にはこれを抑制する心によるモジュレータ機能がある。(わかりやすく言えば理性のこと)
脳は本来どんなに意見や考えや立場が違っていても、お互いを認め、共に生きることを望んでいる臓器であり、だからこそ試合に望む前にも切磋琢磨する気持ちを与えてくれた、試合に負けたとしても「また努力しよう」という成長するためのエネルギーを貰ってるなどと感謝できる。
勝者も敗者も相手のことを心から誇りに思う態度は、脳が求めている本来の姿であり、だからこそ見ている人々にも大きな感動を与える。
「勝ち負けを決めると尊厳を傷つけるから」と幼稚園の運動会で子供たちに手を繋がせて一緒にゴールさせてるようでは悔しさをバネに成長を望むことはできない。
問題なのは負けた人間を蔑む人の心のあり方なのであって、試合をすることではない。
全力を振り絞って相手を打ち負かす努力を続けることで成長できることが重要なのであって、相手の人格や存在を否定することではない。

著者が提言してる勝負脳をわかりやすく実話を元にして映画になっているラッセル・クロウ主演、ロン・ハワード監督作品の「シンデレラマン」がお勧め。




本日はここまで

◎今日の呟き
今回読んだ本の中にある同種保存について納得いかない人もいるかもしれない。例えば「学校が嫌いだった」という人。
考えればわかることだが、学校に行けば派閥が多分にあり同じクラスの人間、同級生の器が小さければ狭いコミュニティで小さな同種(いけてるグループなど)を作り出す。
そこに入れなければ、いくら大きな枠組みで「同じ学校の生徒」だとしても省かれたものは「同種だと認めてもらえてない」という意識から学校を好きになれることはないだろう。
加えてもちろん自分を省いた人間達を同種だと認めることもできないから学校を好きだとは思えるはずがない。

これまでのnoteの中に「マインドセット「やればできる」の研究」という本をとりあげて綴ったものがあるが、そこにも「重要なのは勝ち負けではない」と書かれてあった。
成果を求めてしまうと、そもそも達成したときに燃え尽き症候群に陥ってしまったり、その先の未来に希望を見出せなくなってしまう。
大切なのは「どう成長できたか」「以前の自分からどれだけ努力できたか」であって結果はあくまでおまけくらいに考えるのがちょうど良いと思う。


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