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クリティカルシンキングについて④

※「実践型クリティカルシンキング21世紀スキル」/佐々木裕子 著書を参考
※前回の続き


前回に引き続き「何が問題なのかを明確にする」ことについて。


■マトリクスで分割する

二つの軸で分ける手法。

・ウィルスキルマトリクス
例えば「Aさんはスキルはあるんだけどやる気(ウィル)が見られないのが問題だな」「Bさんはやる気はあるんだけど空回りしているな」といった考え方。


・PPMマトリクス(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントマトリクス)
市場の成長性と自社の競争優位性の2軸といった形で考える方法。
投資先の選択の場合などに使える。

■過度なフレームワーク多用で陥りがちな罠

①分けるにはわけたが『…だからなんなの?』という結果になる場合。


例:7Sで考えたダメなケース
定義する問題:女性管理職活用はなぜ進まないのか?

・戦略
→女性管理職を登用することと事業戦略は明確に結びついてない…

・組織能力
→業績評価や両立支援制度はまだ単一で多様性を許容できていない…  

・運営システム
→組織の経験値として女性管理職を中から育てるノウハウが言語化できてない…

・組織構造
→組織体制としてダイバーシティ推進を担う部署はできた。

・社風・企業文化
まだまだ男社会で長時間労働&筋肉質

・人材
優秀な女性はいるが、皆途中でアクセルを踏むのをやめる…

・共有価値観
→多様性を追求することは共通理念として掲げられたが納得するのはこれから…

このような例は適切な切り口で問題に迫れていないということ。
このような場合には他の形のフレームワークも併用してみる。

②抽象的すぎる評論家型
フレームワークも複数併用して分けることはできたけど全てが抽象的で具体性がないケース。


③爪の甘い砂上の楼閣型
何故その整理で分解したのか、その理由や判断基準や根拠を考え抜く、調べ抜く事が出来ていないので、絞り込んだつもりでもなんでそこに絞り込まれたか分からないケース


『沢山調査したインタビューした結果、スキルはあるけどやる気がない人が少ないので、『何故やる気を持てているのか?』、から細分化します!』

…問題点は『やる気を高める為には』どうすれば?というところから入ろうとしている事。
まず何人に聞いたのか、いつどのタイミングで誰に聞いたのか、本音を聞き出せたのか、そもそも何故やる気がないのか。
やる気のある理由から細分化してしまうとやる気のない人の気持ち、状況、原因にたどり着けない。

■問題の本質を理解する3つのポイント

①言葉の定義は明確か?
②どんな課題解決にリソースを集中するか、具体的に判断できるか?
③解決策がアクションレベルで透けて見えるか?

フレームワークなどを使って整理したあと、上記の3点を自らに問うてみるのが良い。


本日はここまで


◎今日の呟き
「俺はできる人間だぜ!」というアピールと言わんばかりに専門用語だけを駆使してその専門用語が分からない人間を煙に巻く人間が今回のような落とし穴にハマりそうに思えます。(勝手なイメージですが。)
あくまで問題特定の為の、自分たちが気付いていない視点から見るためのフレームワークだと思いますので、難しいかもしれませんが普段から小さなことでも、具体性を持った相手への説明や抽象的な表現を分かりやすく説明できるスキルなど高めるのが良いかもしれません。
世の中の常識は常に変わり続けていますし、昔の常識に囚われていては謝った問題解決策に決めてしまう可能性もありますね。
考える人の知識量、経験値もモノをいいそうです。
これは大変だ。

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