転勤がネガティブにとらえられることについての考察
会社が一方的に家庭ある従業員を転勤させることについて、世の中の風当たりが強まっています。
10年前と比べても、共働きは増加し、特に都市部においては
・第一子出産年齢の上昇→祖父母も高齢により育児ヘルプ人材のリソース不足・女性の育休復帰率80%→賃金が高く、ベビーシッター代が出せる専門職やエリート家庭ではなくても、ふつうに共働きとなる。・総合職の年功序列賃金、定期昇給の緩和、退職金制度の見直し、老齢年金の受給年齢の上昇→将来の経済的不安により総合職を手放すリスクが格段に高まっている・人手不足→育休復帰者も大事な労働力と、受け入れる会社側の許容力も増大傾向
等により、
共働きは生存戦略であり、一方の転勤による人的欠如は育児を伴う家庭では死活問題
となる中、専業主婦家庭(=経済的余裕の現れ)というのは一種のステイタス感さえあり、
夫の転勤に妻が仕事を辞めて帯同する、はデフォルトではなくなっています。いきなりの地方転勤打診というのは、かつて無いほど、その家庭にとってリスキー。
ただし、例外はあります。
シンガポールとかロサンゼルスとかニューヨークとかシドニーとかバンコクとか北京とか
なんかいい感じの海外への駐在は、子どもをグローバル人材に育てられる!
などの理由で受け入れられやすく、配偶者も自分の仕事を辞めたり、長期休職しやすい傾向にあります。
高給&手厚い福利厚生&首都圏への栄転
も、急な打診でもワンオペになろうとも、不満はあまり聞いたことないですね。また、配偶者も都市部なら転職しやすい。
つまるところ、
急で終わりの見えない地方都市への転勤は嫌!
が圧倒的。首都圏にしたら、名古屋も大阪も仙台もみーんな地方なので、基本転勤は悪となります。(が、しかし、札幌と福岡は人気です。この差は顕著!)
ぶっちゃけ、かつては会社側も転勤をネガティブフィルターにして、新卒採用していました。
20数年前、就職氷河期真っ只中。私は名古屋で就活をしていました。大手企業は、女子イラネーなのか、あんたイラネーなのか
うちの会社に就職したら、福岡転勤とか普通にあるよ、と。必ず面接では、まあまあ脅されたものです。
もちろん当時は私も転勤嫌だ!派だったので、そんな会社こっちから願い下げだー、とか勝手に思ってましたが。
これからは、しっかり転勤の有無、頻度、エリア、賃金の差等を採用時点で説明すべし、な時代です。
また、転勤打診は早めに、断った場合の処遇、代替案等も丁寧に説明すべきですね。上記のように、社会的下地は常に変化しています。
結局、私の場合は無職の時に子どもができて産んで、夫の地方転勤に帯同して、思いがけず人生が豊かになりました。怪我の功名
表面的なイメージで転勤は怖かったのですが、その土地土地で友だちができて、自分は狭い世界で生きてきていたこと実感して、ひとところではできない、かけがえない経験ができました。
どんな出来事にもメリット・デメリットはあるものです。
ただし、会社には独身者や子供の居ない方だけに転勤が集中しないような配慮をお願いしたいです。
また、転勤が報復人事と捉えられかねない時代においては、時期等も慎重に検討すべきですね。
しっかり社会の変化を捉えないと、浦島太郎化してしまい、その代償は大きいです...
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?