真心と思いやりで向き合う「職場」
社労士は、ときに経営者と従業員の間に入る仕事です。
横に逸れますが、新卒派遣会社の時代は、派遣スタッフと派遣元の間に入り、多分、間の仕事がわたしにとって天職なんでしょうね。笑
それで、つくづく思うのは当たり前なのでしょうが、お金を払う人とお金を払ってもらう人の関係構築の難しさです。
資金潤沢で事業を始めない限り、やっぱり人件費は重いです。本人に支払う賃金だけでなく、社会保険料の負担も大きい。それは、事業がうまくいっているか否かに関係ありません。
いまは、人材不足時代かつ、ネットでいつでもどこでも賃金や条件を比較できます。いつ人が辞めてもおかしくない中で、人材育成もして経営をするのは、想像よりも過酷です。
一方で従業員側も、人手不足で実際の仕事は増えているのにヘルプがないとか、人事評価に経営者側の好みの偏りがあるとか、賃金が低いとか、いろいろと不満を溜めやすい状況がそこかしこにあります。
正直、会社が成長曲線にのっていたり、お金が沢山あれば、採用もそんなに失敗しないし、経営者と従業員の関係もそんなに気にする出来事はなく
やはり、そうではない時に双方の関係も難しくなりやすいのかな、というのが実感です。
ただ、賃金がしっかり払われていれば、それでいいのかというと当然ながら違います。昔(といっても20年も前ではなく)、いわゆる「金融会社」で、成果によって20代前半でも年収2,000万円にもなるけれど、一方で少しでも成果が出なかったら、暴言暴力当たり前の会社に友人がいたことがあり。友人が1年未満で辞めたたのはさることながら、結局、いまは会社ごとありません。
という、極端な会社ではなくても、経営者と従業員双方に信頼関係がないと、推進力が湧き出にくいな、というのは実感しています。そしてもちろん、それは私だけでなく、とうの昔から多くの人が気づいています。
そこで、社労士や人事コンサルタントは、この信頼関係構築に奔走したりするわけです。制度をつくったり研修をしたり。しかし結局のところ外部の人間にできることは、いわば花火の導火線、もしくはファーストペンギンの勇気づけに過ぎないのも、また事実です。
「あれは大事、これは大事」「こういうことを継続してみましょう」「理念やクレドをつくりましょう」「こういうことを制度化して実践しましょう」
もちろん、それも大切なのですが、本当に大切なのは
真心=偽りや飾りのない心、誠意
思いやり=他人の身の上や心情に心を配ること
なのだろうなと思います。
特に、経営側に対する真心や思いやりはなかなか尽くせていないパターンは多いです。もちろん、パワハラやセクハラその他のハラスメントは言語道断だとしても。
従業員にとって経営者は1人ですが、経営者にとって従業員は複数。数だけみても経営者はとっても孤独な役割です。
「経営数字が少しでも悪いと、株主や従業員に去られてしまうのではないか。」「”話がある”と言われたら、それはネガティブな話なのではないか?」「本当は自分のいないところで、皆で不平不満を言っているのではないか?」
そう考えるのは、当然です。
とはいえ、経営者も表面上いろいろ上手に立ち回れる社員ばかりを、なんとなく重宝していると、それはそれで不信感が蔓延します。出来る人を引き上げるのは、割と簡単なので、経営者だからこそ、普段光の当たらない従業員に思いやりと真心で対峙していただければ、といつも思います。
とはいえ、「じゃあお前はどうなんだ??」と言われると、それはちょっと辛いのですが。💦真心と思いやりをいつも頭の片隅に置いているのだけは、本当です。
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