見出し画像

容疑者の多い、一夜_240310

先日、体調を崩した。

ぱちくり、と朝ふとんの中で目を覚ました時から異変はあった。なにやらおなかがモゴモゴする。おなか、の中でも胃がモゴモゴする。
「なんか変なもの食べたっけ…」

その前の日のことを思い返すと、
17時頃に喫茶店で野菜カレー(ココナッツが効いていて美味しかった、あれはリピート決定)を頂き、
それから友人宅にて20頃から2回目の夕食でホタルイカのぬたや鰤のお刺身とお酒、最中と暖かいハーブティーで締め。
…たと思った矢先に予定になかった参加者現れ、2?3?次会。彼が高級なジン、ウォッカ、おあいそにチョコレート菓子を振る舞ってくれた。
無事に2時就寝。

容疑者が多すぎる。
しかし下っ腹ではなく、胃の中がモゴモゴするのだ。トイレに何度か駆け込めば治るものではなさそうで、少し気色悪かった。そんなおなかの様子を見ながら昼食は軽く、その後のカフェでもコーヒーは避けてクリームののったココアで様子をみた。

夕方、少しずつ調子が悪くなっていることをどこかでわかりながらも、どうしても会いたかった友人とのお酒の席へ向かった。(16時スタート)(ああ、健康体で行きたかった)
友人は先について始めていた。わたしは、その店ではいつもは絶対頼まないレモンチューハイを注文する。それを文字通り舐めるように少しずつ飲み、彼の手元にあったカキフライにじっとりとした視線を送りつつ、おしゃべりを楽しんだ。

しばらくして飲まないのかと聞かれたので、事情を話すと「ふ〜ん、つまんねえな」と一蹴。
だけど、自分がお酒や食べ物をオーダーする度に
「こんなん美味しくないけどな、まあ、な」
とわざとらしく見せつけてくれるので、おかげさまでわたしは「あ〜〜いいな〜〜!」と心置きなく嘆いた。

そんなやりとりを挟みながら、AIの話しやら、婚姻制度の話しやらで盛り上がった…もののおなかの違和感は収まらず、むしろそれと比例するようにどんどこ盛り上がっていった。

18時半。やむを得ず、帰路についた。
友人は「あ〜つまんないわ〜。帰ったらちゃんと湯船張って風呂入って温まって、すぐ寝んだぞ」と見送ってくれた。

そこからみるみる身体はおかしなことになっていった。
店を出た所で脂汗がではじめて悪寒が全身を襲い、バスで帰ろうと思っていたがタクシーに切り替える。友人の勧め通りお風呂に入って出たころには視界も頭もぐわんぐわん、発熱していることは発熱で混乱している脳みそであっても容易に理解できた。なんとかして寝間着をきて、髪を乾かし、枕元に水をセットして、20時頃布団に入った。(飲み会が16時スタートだったことが功を奏した)

それから、ほぼ24時間寝た。
寝まくった。
無論、この間何回か起きて水分摂取、お手洗いに行くなどしたが、まあほぼほぼ寝ていた。

幸い、そのほぼ睡眠でつぶした一日は誰かとの約束は設けておらず、自分の気の赴くままに、気になっていたカフェやらなんやらを回るつもりでいた。
…だからこそ、この一日がつぶれちゃったことは悲しかったのだが、とにかく次の日には車で長距離移動しなくてはいけなかったので治すこと、つまり身体が楽になるまで水を取って寝まくること、に全力を注い(?)だ。

ぱちくり、と24時間が経過したその21時頃、ふとんの中で目を覚ました時には異変はほとんど収まっていた。
上半身を起こしたところで「ああ、これだったら明日には高速運転できるわ」と体感で心得たとき、ふと思い出した。
例の意地悪でやさしい友人との会話で「そんなおなか痛くなるなんて、何食ったの?」と訊ねられ、前日の食生活を説明していたときのこと。

「ココナッツの野菜カレーを夕方に食べて、それから夜にホタルイカや鰤を日本酒で頂いたよ。あ、そうそう、その日本酒が一口飲んで『まずいわ〜』ってなって、聞けば一年以上前にあけたやつを常温で置いておいたんだって!」
「それじゃね?」
「そうなのかな〜。でもその後もね、ジンとか頂いて…」

それじゃ〜〜〜ん。

いやまあちゃんぽんとか、生魚とか、いろいろ可能性はありそうだけど、十中八九、それじゃ〜〜〜ん。


しかし二日に及ぶダウンで、ここのところ高止まりしていたわたしの目方が2キロほど落ちたのでよしとした。(無論、無常にも一週間後にはもとに戻った)

この度は読んでくださって、ありがとうございます。 わたしの言葉がどこかにいるあなたへと届いていること、嬉しく思います。