[きっともう、僕は神様に見棄てられてしまったのだ。] 喉が引き攣る。 気道が狭くなって、声が掠れる。 思う通りに歌えない。こんなの。 こんなの。綺麗じゃない。 遠…
Nuit,
2024年6月18日 19:49
[きっともう、僕は神様に見棄てられてしまったのだ。]喉が引き攣る。気道が狭くなって、声が掠れる。思う通りに歌えない。こんなの。こんなの。綺麗じゃない。遠くでミサの始まりを告げる鐘の音が響く。聖歌隊の白いケープを片手に、坂を上がる。この先には、確か切り立った崖があったはずだ。今は唯、1人になりたかった。14歳になってから変声期が始まり、前のように心地好く歌うことが出来な