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私たちのSNSの話。

私が大学に入学した5年前。私たちのはTwitterにいた。
サークルの先輩も同級生もみんなTwitterにいた。
何気ないことをつぶやけば、サークルのメンバーが授業中にも関わらず、リプを飛ばしてくれた。突然の大喜利大会や、小説みたいな内容のリプをずっと続けたりして、超大作を作ったりした。意味深なツイートを見かけたら、こいつ病んでるなといいねをしたり、スルーしたりした。
この時はまだファボだったかもしれない。
そんな時代を生きてきた。

それがいつの間にか、インスタに移行していった。
新しくできた後輩たちは、全員インスタにいて、Twitterにはほとんどいなかった。みんなこぞってストーリーを挙げていて、嫌でも各々の生存確認ができていた。
素敵なカフェの写真やカップルのツーショット、一人旅の様子やストロングゼロとたばこと夜景なんかがタイムラインにあふれていた。
Twitterの人口は徐々に減っていった。

そして、みんなのインスタの投稿頻度が落ちてきて、生存確認ができなくなってきた。
いまみんなはどこにいるんだろうか。
ちゃんと居なくなる前にどこに行くのか教えてから消えてほしい。

私はTwitterのアカウントを新しく作った。
私はみんなと繋がっていたしょうもないTwitterが大好きだったから、そのアカウントで、最後までわけのわからないことを呟き続けていたかったのだが、誰もいないタイムラインにいることは、案外しんどかった。
誰もいなくなったオンラインゲームのサーバーにログインした時の感覚に似ている。独りぼっちは怖い。やっぱり誰かがいて、反響を返してくれないとだめだった。
それでもたまに、ほとんどだれもいないタイムラインで呟いている先輩を見かけるとちょっとだけ元気になる。元気そうで何よりという気持ちを込めて、いいねをする。

SNSだけで繋がっていた私たちは、連絡先さえ知らない。
アカウントを消してしまったら、意図的に繋がろうとしない限り、2度とつながらないだろう。
もうこれから先、ずっとそんな感じなのだろう。
たった5年でここまで変わるとは。
これから先の5年はどんな風に変わるんだろう。

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