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自信なんていらん

自信があれば、なんでもできると教育されてきただろうか?
もし、そう教育されてきたならば、それは科学的には間違いであり、メンタルなど、様々なものに悪影響を与えるんだ。
それから自信を持てと言ってくる奴は、無能な教師か詐欺師かのどちらかだから信用する必要はない。

さて、今回は自信を持つ事でどのようなデメリットがあるのかという事を話し、どのような人達が自信という薬に歪まれやすいかを話していきたいと思う。

前提として、この世界というものは過去の事象を元に予測する事以外予測するという行為はできない。だから未来は人々の約20gほどのゼラチンの塊だけでは予測不可能であるという事は忘れてはいけない。データなり、エビデンスなり、数式なり、アルゴリズムなり、客観的なものに頼らなければ。

今回は、ファスト&スロー上の本の中で紹介されている心理学者の一人、ポール・ミールの行った実験を紹介していこうと思う。
専門のカウンセラーが新入生と面談した上で一年時終了時の成績を予測するというものだ。買うんっセラーは一人につき45分間の面談を行い、高校時代の成績、いくつかの適正テストの結果、4ページにわたる自己診断書もチェックする。
これに対して統計的アルゴリズムに使用するのは高校時代の成績と適正テスト1種類である。
その結果、カウンセラー14名のうち、11名の予測は統計的アルゴリズムを下回った。
他にも、仮釈放規定の違反、パイロット訓練の成績、再犯などを予測する調査でも大体同じ結果が得られている。(詳しくは著者ポール・ミールの臨床的予測対統計的予測を読まれてみるといい。)

僕達が自信を持ってしまうメカニズムとしては、「見たものが全て」効果が発揮され手元にある情報が全てだと思い込んでしまい、他の大事な情報を見落としてしまう。少ない情報の中だと、辻褄を合わせやすく、情報の質を無視してしまう。
もちろん専門家は素人よりも知識があるので少しではあるが頼っても良い面もあるし、素人が勝手に予測するなんてもってのほかだ。
素人に関しては情報の扱い方、問題解決の仕方、論理、構造などの扱いが専門家よりも下手であることは変わりない。
しかし、これは専門家でも素人でも起こりうることで、
何が、どのくらい重要か、目的は何かなどのあらゆる問題が自分の情報量に依存する。なおかつ、一貫性の欠如も起こる。

これらが自信という薬からくる副作用であり、結構な歪みを生じさせる。

自信というのは、経験が多様になるにつれてついてくる埃なのである。
今回は以上!ではまた次回!

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