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【日記】うっかり理想のお中元を

アパートの前にアート引越しセンターのトラックが止まっており、下の階の部屋の住人が、まさに引っ越していかんとしているところだった。通路のわきに運ばれ待ちの家具が置かれている。
ふだん家の中にある大きな家具やなんかが公の場にデンとあるのは不思議だ。梱包されているのであまりわからないが、さほど愛着を感じられない雑な観葉植物や使い込んだ子供用の自転車を見ると、知らない家庭が確かにそこにある。

『暮らし』が少しづつ小分けにされてトラックに乗って移動する。その瞬間はとても面白い。

仕事に行き、ヤーッと終える。
詳細は省くがもろもろの出来事があり、心が寂寥感に包まれながらもスーパーで買い物をし、帰宅する。

帰って百貨店から届いたお中元のカタログを見る。お中元でもお歳暮でも通販でも、私はカタログを見るのが好きだ。昔はクリスマスの前などにトイザらスのチラシを見てわくわくしていたが、今はお肉やハムの写真を見てわくわくしている。

私には、毎年これを見ながら『最も人気のないお中元はどれか』を考えるという趣味がある。
どう考えても日本中で誰も選ばないんじゃないか?と思うのに、毎年載っているものもある。
私の知り得ないところで「これだ!!!」と心を掴まれている人が居るんだろう。

ビール蟹缶そうめんセットというよくばりさんなギフトを見つけた。これは…企画部の人がもっと良いギフトを、と考えすぎてうっかりマジの自分の理想のお中元を作ってしまった、というイメージがある。

夫が帰ってきてご飯を食べた。
最近頂いたフードプロセッサーでゴマをブイーンとやったら一瞬ですりゴマになった。
それは素晴らしい出来で満足した。

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