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Mobius Outcome Delivery フレームワークとは

こんにちは、NTTレゾナントテクノロジー アジャイルデザイン部の上田です。今回は以前ワークショップの記事でも取り上げた「Mobius Outcome Delivery」について紹介します。私たちのチームでは昨年末に「Outcome Delivery Practitioner 研修」に参加し、プロダクト開発やアイディエーションに活用しています。今回はOutcome Deliveryの概要やMobius Loopフレームワークについて紹介したいと思います。

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Outcome Delivery(アウトカムデリバリー)は、「アウトプットを小さく、アウトカムを最大に」するプロダクト開発に役立つ、オープンソースのフレームワークです。開発チームがよりよい"成果"を顧客と組織にもたらすのを助けるナビゲーターとなり、「Mobius Loop(メビウスの輪)」のワークフローにそって、成果の発見、提供と検証、測定をしていきます。開発に限らず組織改革など、成果や価値をもたらしたい様々な場面で使えます。

ファウンダーは、アジャイルのエキスパートで、米Yahoo! などでスクラム支援を行ってきたガブリエル・ベネフィールド氏。多すぎるアジャイルプラクティスの課題に対し、シンプルかつデザイン思考といった他フレームワークもあわせて、Mobiusループ上で一度に使えるように設計されています。

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Mobius Loop(via https://mobiusloop.com/ )

Mobius Loopは、3つのフェーズで構成されています。左から「1. ディスカバリー(発見)」「 2. オプション(選択)」「 3. デリバリー(提供)」です。サービス開発でいえば、左側が企画フェーズ、中央が仕様策定フェーズ、右側が開発フェーズという感じでしょうか。企画や開発の担当者も同じ一つのチームでLoopの活動を行います。プラクティスはトリガーカードとして各フェーズ毎に用意され、チームが状況に応じて自由に選択できます。

ここでMobius Loopのワークフローについて紹介します。

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ディスカバリーループ:顧客と組織のモチベーションを理解し、目標となるアウトカム(成果)を設定します。
オプション:アウトカム(成果)を届ける方法を複数導き出し、どのオプションから実施するかを選択します。
デリバリーループ:アイデアをテストするために何を作るかを決めます。実験を行い、何がうまくいき、何がうまくいかないのかを学びます。​

左側の「ディスカバーループ」では、解決すべき課題や、顧客の行動モチベーションを理解し、計測ができる成果をみつけます。中央の「オプション」で成果を届ける方法を選び、右の「デリバリー」で、実際に顧客に提供しアイデアを検証します。最後に、成果が想定どおり得られているかを測定し、オプションピボット(矢印が左にいくのと上にいくのがあるポイントです)で、課題を見直す、または選択肢を変えるなど、次に何をすべきかを決め、学習を続けていきます。

アウトカムと アウトプットの違いは、プロダクト開発を通じて解釈してみると、製品・機能のリリースが「アウトプット」、その製品を利用した結果もたらされる効果が「アウトカム」になるかと思います。アジャイルでは素早い開発に優れていますが、チームの開発パフォーマンスを指標としているのもあり、間違えたものまで素早くリリースできてしまいます。Mobius Outcome Deliveryは、"What/How=何を/どのように作るか?"だけでなく、"Why/Who=なぜ/誰のために作るのか?"についてチームで見通せること、発見と提供のバランスをみながら検討できるのがメリットです。

Mobius Loopのツールキットは、Mobiusのサイトでダウンロードできます。ガイダンスの資料ありますのでぜひ利用ください。プラクティスについては、Red HatのOpen Practice LibraryやGoogleのDesign Sprintも参考になさってください。

リモートワークで絶賛アジャイル・スクラム開発している私たちですが、Mobius Outcome Deliveryを実践して得た知見も、今後もnoteでできる限り紹介していきたいと思います。今回の記事に興味やコメントがありましたら、公式Twitterからぜひ気軽にコンタクトください。

<参考文献>
Mobius Loophttps://mobiusloop.com/
Mobius Loop - Outcome Delivery: Delivering what matters
https://mobiusloop.com/courses/outcome-delivery-delivering-what-matters/

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