書籍:反ユダヤ主義 ユダヤ論集 1/ハンナ・アーレント

「みずからを「自覚的パーリア」として位置づけることによって思考し、理解しようとした20世紀を代表する政治哲学者の、ユダヤ関係についての試論を集成」

最近ある書籍、紙の本をかなり真剣に探していた。
出版から11年あまりの書籍が全く入手出来ない状態になっていたが、最近になってAmazonのマーケットプレイスに出品されていたものを入手した。

・反ユダヤ主義 ユダヤ論集 1(THE JEWISH WRITINGS)ハンナ・アーレント著 みすず書房

である。

英語版では"THE JEWISH WRITINGS"というタイトルで1冊の書籍だが、

日本語版では

・反ユダヤ主義 ユダヤ論集 1
・アイヒマン論争 ユダヤ論集 2

として分冊で書籍化されている。

残念ながら、反ユダヤ主義 ユダヤ論集 1の方は絶版になっており、出版社でも在庫切れとなっている。電子化もされていない為、現在は図書館で所蔵された書籍を借りて読むか、古書として入手するかであるが、市井の古書店ではほぼ見ることが無い。

私は、反ユダヤ主義だけでなく、"ユダヤ"についての興味関心をかなり以前から持っている。
尚、世界がユダヤ人に支配されているというような陰謀や夢想は全く信じていない。

私の興味は飽くまでも宗教や歴史に根ざしたものであり、国家としてのイスラエル存在そのものに惹かれ、昨年始まったイスラエル・ハマス戦争に始まったことでもなく、イスラエル/パレスチナの憎しみと負の連鎖の歴史を意識して見続けている。

このハンナ・アーレントの書籍は歴史に残る名著だと思うが、電子化すらされていない為、一般には広く知られることもなく、ユダヤに関する良書、良い知見が記憶の中だけに埋もれていくのは非常に残念だ。

1930年代から40年代の歴史認識に従った「ユダヤ論」が何か継承可能な形で残されることを切に願う。

みすず書房さん、是非このユダヤ論集1・2を電子化して下さい。


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