aikoの「だから」は結婚式に流したい究極のラブソング

発売して1ヶ月経ちましたが、ようやく新アルバム「湿った夏の始まり」を買いました。遅すぎ。全曲神と言っても過言ではないのですが、そんな陳腐な表現するのも失礼だから、いずれ全曲レビューするとして。

私はアルバム購入後、まず頭から順番に聞きます。曲順も作品の一つだから。で、最後の曲まで到達して、思いっきりため息と、目に浮かぶ涙。最後の曲「だから」が最高。普段バラードは好きにならない私が、最高に好きってなった神曲。歌詞が本当に良いから紹介したい。いろんな解釈があると思うんですけど、私なりの解釈でお話しさせてもらいますね。

この歌は付き合いの長いカップルの、長い長い物語。一緒にいて幸せ楽しい、だけじゃなくて、酸いも甘いも困難も乗り越えてきた二人。この歌のはじまりは、あなたが泣いているところから始まります。涙で出来上がった水たまりが、青空を映す。ここを私は「あなたとあたしの出会い」または、「付き合いの浅い二人」を描いていると考えました。

あたしはあなたになれない
だからずっと楽しいんだよ
苦しくてもどんなに悲しくても

まだ他人感が強いあたし。あなたが泣いていても、私は楽しい。だってあたしとあなたは他人だから。だけど時を経るにつれて（曲が進むにつれて）、

痛みを分け合えるメーターがあったら
目を見ることを忘れ目盛り見て

と歌っています。痛みは確かに目で見れないから、目盛りで見れたらいいのにね、と。あなたの痛みを知りたいあたし。一人で抱えこまないで、と。「目を見る」と「目盛り見る」で近い言葉使っているあたり心地よいよね。だけどこのフレーズの直後がこちら。

それはそれでうまくいかないさ
だからあなたの肌を触らせてよ
わからないから触らせてよ

目盛りですらわからないんです。あなたがどれくらい辛いか。どれぐらい背負っているのか。あなたはきっと隠すんです、辛いこと。だから目盛りではわからないのです。だから、だからこそ、直接触れるんです。目でもわからない、目盛りでもわからない。肌の質感、熱、震え、体温が解けると、不安も解けるから。二つの塊は、体温をもって一つになれる。

そして最後、大サビ前に歌われる歌詞がこちら。

いつかまた　声を上げて泣く日が来たら
きっとあたしもあなたの目の奥を見て
これ以上ない声で泣くの

あなたが苦しくても、悲しくても、私は楽しいと言っていたあたしは、あなたと一緒に泣き出すのです。目盛りがなくても、目を見て、一緒に泣くんです。きっともう、二人には目盛りは必要ありません。目盛りがなくても分け合える二人になったんです。大サビ前の盛り上がった曲調のまま、最後のサビは1番と同様の歌詞が歌われます。だけどそこから転調はしないで、1番と同じ感じ。それがさらに「あなたとあたしの普通」を演出していて良いんです。（表現が難しい…！）

少し戻りますが、2番のサビは、こう歌われています。

二人も一人も同じなんだと
思える日もあれば　孤独な日もあって
わがままにこれからも生きていこう
だらしないねと笑っていたいの
わからないからそばにいたいの

この歌には、「愛」とか「好き」とか、一言も歌われていません。だけど、世界一深い愛を感じるんです。100％理解することが愛じゃない。理解できないからこそ、そばにいることが愛なのだと改めて教えてくれる、そんな世界一のラブソング。もうこれ結婚式じゃない？私絶対結婚式で流したい。楽しいも嬉しいも悲しいも辛いも幸せも、全部分け合える人と、この曲聞きながら新しいスタートをきりたい。

付き合いの長い相手がいる人も、まだまだ付き合いは短いけど長く続けたいと願っている人も、最近喧嘩ばかりしている人も、全カップルに合う曲だと思いますのでぜひ。大丈夫、シングルにも勧める。私は彼氏いないけど、昔の好きな人との関係を思い出して号泣しました。

本当に愛がこもった曲だからぜひ聞いていただきたい！TSUTAYAでレンタルでもいいから！そしてほかの曲も聞いて！1曲目の「格好いいな」のかっこよさとか、「夜空綺麗」の美しさとか、雨上がりの夜に聞きたい曲ばかりです。いや、梅雨開けちゃったけど。明るいだけじゃない、鮮やかな世界がそこにはありますよ。ぜひ。

どうでもいいんですけど、これ書きながらぼろ泣きしてる私大丈夫か。