見出し画像

どうして人生少し気楽に生きていけるようになったんだろう

最近20代の後輩たちの悩みを聞く機会がよくある。聞けば聞くほど、ああ私も通ってきた道だなと思う。年を重ねて「あんなこともあったな」というぐらいに消化できている。

そういえば、あんなにも何度も何度も希死念慮のようなものに襲われていたのに、あんなにも何度も何度も線路の上に降り立ちたいと思っていたのに、正直今ははほとんどない。まあ自分自身に幻滅しそうになる日もあるけど、以前ほど絶望はしない。なんでだろう。年を重ねたから、慣れてきたから、という一言で済ませて良いのだろうか。

あの頃と、今の私、何が違うんだろう。

経験と知識を積んだ

経験が積み重なった。こういう時はこう対応する、というパターンも増えてきた。まあ油断するとパターン通りじゃないこともあるんだけど。
と同時に、知識も溜めていった。悩むと本屋に駆け込み、悩みを解決できるような本を爆買いするようになったのも、社会人になってからだった。今は悩みが大きくなる過ぎる前に、ダッシュで本屋に向かう。サプリのようにすぐ本に頼るようになったし、先に知っておくかという本も買う。

最近読んだ「反応しない練習」は、モヤモヤぐるぐる考えがちな私には大きな発見だった。大体の思考は妄想なんだと。確かに「こうなったらヤダな」の9割は妄想だったりする。モヤモヤし始めたら「あ!これは妄想だ!」と切り替えることで、無駄に悩まずに済んでいる。(それでもまあ悩む時は悩むけど)

孤独から解放された

どうしようもなく孤独だった、ように思う。20代の頃は、味方がいない気がしていた。数年前のnoteにも同じようなことを書いていた。ずっと隣に“孤独”の形をした自分が立っていて、ずっとそれと手を繋いで生きていたような感覚だった。

多分、他人に「要望を満たしてもらったこと」がなくて、またはそれに気付けていないくて、“誰か”私を無条件に愛して欲しいと、受け身に生きていたからだ。恋愛でも全然想いは叶わなくて、いつだって片思いだった。好きになった人にはだいたい別の好きな人がいた。それも相まって自分を愛してくれる人なんていないって心のどこかで思っていた。「みんな私以外に1番がいるんでしょ、1番と幸せになっててください」って泣いていた。

今だって恋は叶わないけど、その代わり、頼れる仲間がだいぶ増えた。それこそ、「頼り方」っていうのもだんだん経験で分かってきたから、少しずついろんな人に頼るようになって、安心できる場所が増えた。

徒労感が減った

20代、私はブラックな企業で働いていた。働けど働けど給料は低い、やっても評価されない、謎の説教をされる。徒労感が常に身体を覆っていた。え?あの時こう言ってたからこれ作ったんだけど?いらない?は?みたいなの、本当に疲れるよね。徒労感でいっぱいになる仕事は心身に悪いので、早く辞めましょう。
一応全ての物事は無駄でない、将来自分のためになる、こともあるんだけど、だからといってなんでもやりゃあいいってもんじゃないんやで。

自信をつけた

実は、20代最後、転職の際にコーチングを受けた。その際「頭の回転早いね」とめちゃくちゃ褒められたことがある。ホンマか?と思いながらも、根拠もあったので私はそれを真にうけることにした。今では「まあ私頭は悪くないし」って思いながら生きてる。それだけでちょっと心が強くなれる。とかいって頭が良いわけでもないけど。コンプレックスをひとつひとつ、呪いを解くように解消していったのも大きい。

仕事も今1番脂が乗っているので、今が1番楽しい。失敗もいっぱいするけど、次にがんばろ!って思える。まあリカバーのきく職種だからこう思えるんだけど。

私が見つけた、健全に生きる方法

裏を返すと、孤独を感じたら、徒労を感じたら、自信を失くしたら、私はまた悩みの渦へと引き戻されるんだろう。事実、1年前の冬には孤独でいっぱいになり、自信は失われ、地下マントルぐらいまで落ちに落ちた。その後復活できたのは、頼っていい仲間がいたからだし、着実にできることを増やして自信を取り戻したからだ。

今だって悩むことはたくさんある。けど、悩みの種をこうやって可視化しておけば、なんとだってなる。

それを思うと、若い子に軽々しく「年取ったら気が楽になるよ」は言えないかな。
30代になったから身軽になったんじゃなくて、生きる方法をようやく理解したんだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?