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少年野球から社会人まで主将を任され続ける男の「誰にも負けない才能」とは|習志野市役所・田村大輔選手

習志野市役所野球部の試合を見たことある人ならご存じのはず。

ひときわ声のデカい選手がいることを。

背番号10、田村大輔選手。
今年から主将を任されています。

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田村選手はとにかくよく声が通る!県内1と言っても過言ではないくらい、まあよく響きます。

そのスタイルは、私が初めて習志野市役所の試合を見た時からずっと変わらないのだけど、5年くらい前のチームは正直、田村選手の声しか聞こえませんでした。

習志野市役所野球部は、高校野球好きなら知っているような千葉県内のスター選手がたくさん。習志野、東海大市原望洋の選手が中心で、甲子園経験者も多数おり、華やかです。

選手個々のポテンシャルやプレーの質は素晴らしいのですが、勝っていても負けていても、グラウンドからもベンチからも声がない。よく言えばクール。私の目には「このチームつまらん」そう見えてました。

そんな中でもひとり声を出し続けていたのがすごいところで、チームに興味はわかなかったけれど、田村選手だけは見ていて楽しかったです。

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2016年、官公庁千葉県大会より
初めて習志野市役所の田村選手を見たのはこの試合でしたが、経歴を知り、高校(東海大望洋)時代に見ていたことを思い出しました。

2018年に椎名監督が就任し、そこから少しずつ田村選手の声が生きてくるチームに変化してきたように感じます。

田村選手よりも年下の選手たちがつられるように声を出し、チーム全体に活気が出始めたのは、驚く変化でした。

そして2019年、天皇賜杯千葉県大会で初優勝!

優勝_習志野市役所_集合

みなさんめっちゃいい顔してて泣ける……。

初めての天皇賜杯、全国の舞台では2度も追いつく粘りを見せながら、惜しくも初戦敗退。けれど、撮影しながら「見るたびにいいチームになるなあ」と感じたのを覚えています。

試合後、監督と話していたら、田村選手がわざわざ挨拶にきてくれました。目は真っ赤でした。ただ一言「悔しいです」と。

この姿を見た、他の選手は何を感じたのだろう。チームにひとりでも、こうやってちゃんと感情を出して戦える選手がいたら、きっとチームは良い方向に導かれるはず。

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初めての天皇賜杯。千葉の激戦を勝ち抜いても、全国の壁は厚かった。

もう以前のチームとは違います。

翌2020年も天皇賜杯千葉県大会では決勝まで駒を進めました。
京葉銀行に敗れ、2年連続での全国は叶いませんでしたが、地力がついたことは間違いないですし、それはひたむきに声を張り続けた田村選手の功績は大きいと思います。

今年ついに主将になりました。

田村選手は少年野球から中学(シニア)、高校、大学とずっと主将をやってきたそうです。

「声を出して(目立って)るだけです」と謙遜していますが、いやいや、声を出せるのも才能です。誰もができるものではありません。

社会人でも主将を務めることになり、主将は慣れているよね?と聞くと、少し違うようです。

「確かにずっと主将やらせてもらってきましたが、年上の選手がいる中でやるのは初めてなので、難しさもあります」

主将になれば「こういうチームにしたい」という気持ちはより強くなりますし、それを伝えていかなければいけません。その中で年上の選手にどう理解してもらうか、協力してもらうか、って大変だと思います。

でも監督は「田村だから(年上の選手たちも話を)聞いてくれてるというのはあります」とおっしゃっています。

先輩たちもわかっているはず。全国で負けて、ひとり涙を流すような選手です。チームを強くしたいという気持ちは伝わっていると私も信じたい。

さらに田村選手はこんなことも言ってました。

「中学のころから知っている後輩たちもたくさんいて、言葉だけじゃなくてプレーでも見せていかないと、下からもいろいろ言われちゃうから(笑)」

試合中、しきりに後輩たちを叱咤激励する(野次ってる)声を聞いては笑わせてもらってますが、上下の垣根がないチームを作れるのも、田村選手だからかなと思っています。

また、「ゲームではあいつが引っ張ってくれるので」と信頼を寄せているのが竹中選手。

今年、習志野市役所の試合を見て一番変化を感じたのが竹中選手でした。

声の大きさは田村選手に負けるけど(それは誰も勝てないから仕方ない)、試合の要所でピッチャーへの励ましや野手への指示、ボールを呼ぶ声などよく聞こえてくるなあ、と感じてました。
田村選手を支える、頼もしいゲームキャプテンです!

主将だから、と全て抱え込まなくていいですし、適材適所、得意なことをみんなでやっていけばチームの力は必然的に上がっていきます。

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国体予選では竹中選手(右端)のこういう場面をたくさん見ました

変化があったのは試合に出ている選手だけでなく、ベンチの雰囲気もどんどんよくなっています。
なにより、笑顔が増えた!!

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以前はカメラ向けてて楽しいのは田村選手くらいでしたが、今ではみなさん本当にいい表情でプレーされているので、試合を見たいと思えるチームになりました。

選手たち自身の自覚はどうなのだろう。でも写真も見たら一目瞭然。そして声や笑顔が増えたら、結果もついてきているのです。これは不思議なことでもなんでもなく、声や笑顔がもたらす力なのです。

激戦の千葉ですが、再び全国の舞台へ。そして次こそ勝利を!

周りに惑わされず、声を貫きチームを変え、主将になったこれからの田村選手、そして年々変化を遂げる習志野市役所野球部がこれからますます楽しみです!

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