【『勝ち過ぎた監督』を読んで】#9

「大旗は白河の堰を越えない」「雪国の高校は甲子園で勝てない」
高校野球界における暗黙の常識を、派手に打ち破った一人の監督がいた。
二〇〇四~六年、駒大苫小牧を連覇へ導き、三連覇に王手を掛けた男。香田誉士史。三十五歳の若さだった。

降雨ノーゲームから、再試合で屈辱の敗戦を喫した03年。
北海道勢初の全国制覇を果たした04年。
驚異の夏連覇、05年。
そして、田中将大と斎藤佑樹の投げ合いが異例の決勝再試合となった06年……。
香田がいる甲子園には、常にドラマがあった。

だが、甲子園における駒大苫小牧の活躍は、香田に苦難の日々の始まりを告げた。
優勝後の大フィーバーが、香田の心を少しずつ蝕む。そして夏連覇を果たした直後の暴力、飲酒事件という悪夢……。
三連覇が幻となった翌年、香田はチームを追われた。高校野球史上最も有名な監督は、満身創痍のまま表舞台から姿を消した。

球史に残る監督、栄光と挫折の舞台裏を長期に亘る丹念な取材で解き明かしたノンフィクション。

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概要としては、上記の内容です。
優勝後、メディアがずっと押しかけてきて満足な練習ができない。
周囲から”おめでとう”と言われ続け、勝たないと行けないプレッシャーで疲れが取れない。
勝ったときはメディアの対応も良いが、不祥事など悪いことがあった際は容赦のない対応。
勝ちすぎたことにより、学校や周囲との確執や様々なプレッシャーと香田監督の苦悩が鮮明に書かれています。

色々と書きたいところですが、今回は”雪国は勝てない”と言われ続けてきた中で、”結果を出し続けられた理由”に焦点を当てて投稿したいと思います。

結論感じたこととしては、スポーツでも、ビジネスでも結果を出している人の共通点は同じだということです。

結果を出し続けるためには

①野心が大事

・最後まで練習の手を抜かない。
・勝ちたいという思い
・プロにはなれなかったが、何かで絶対に有名になりたいと思っていた
・不安だからこそ練習に打ち込み、気が済むまでやる
・雪国でも、全国で本気で勝とうと思っているかどうか
・誰も成し遂げたことのないことをやる
・執念が発想を生む

②良いと思ったものはすぐに取り入れる

・他校の良いと思った練習方法などはすぐに取り入れる
・良いと思えば真似、合わなければやめる、フィットしたものに関しては自 分仕様にしていく
・研究熱心なのは大事だが、誰かを崇拝してると真似ばかりしてその人を超えられない。

③主体性をもつ

・やらされるのではなく、やる
・黄金期のPL学園は全体練習より自主練習の方が長く、自らがやるチーム
・最終的に試合をするのは選手自身

④常識にとらわれない

・冬は雪で外で練習ができない
→雪があるのであれば、どければいい
・年間で換算すると実質半年くらいしか外(土)で練習ができない
→氷上なので、軽く打っただけで鋭い打球になり難易度が増す
→雪上練習を極めたことでハンデからアドバンテージに変えた
・戦術なども新しいものを生み出す
・室内であっても実践を意識

⑤悔しい経験

・選抜での試合に負けた際に、相手監督に言われた言葉や書かれた記事を糧にした
・2003年の倉敷工業戦で北海道勢の夏50勝目がかかっており8-0でリードしてたが、台風でノーゲーム。翌日2-5で敗戦。

⑥分析

・負けた要因をどこまでつきつめられるか(たまたまなどない)
・2004年には専属のデータ収集および分析官を雇い初優勝
・勝負事はどこかに遊びが必要。

町おこしに必要なのは、若者と、バカ者と、よそ者の三者だとよく言われる。体力に自信があり、動ける若者。ともすれば非常識にも映るが、誰も思いつかないような発想をするバカ者。そして、まだその土地の価値観に染まっていない、客観的な目を持ったよそ者。

P93 引用

佐賀出身の香田監督や、沖縄出身で当時大昭和製紙北海道の我喜屋監督(2010年に興南高校の監督として全国制覇)との出会い、
つまり客観的な目を持ったよそ者が北海道勢初優勝に起因しています。(一人で三役担っていましたが)
改めて、環境や常識にとらわないことが重要だと感じました。


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