与えた愛は、かえってくるものなんだと診察室で知る


看護師として診察についていると、多くの高齢者に出逢います。

一人で通院できない場合、配偶者か、ヘルパーさんか、子供の付き添いが必須。そんななか出会った息子さんたちの話。


よく、高齢のお母様を息子さんが連れて病院に来院されます。そのとき、診察室ギリギリまでついてくることが多いのです。

注射の段になると、「怖くて可哀想で見ていられないから」と、診察室の外で待ちます。

この診察の付き添い、自然に行なっているようですが、お年寄りの支度を待って、決まった時間に外に出るって意外と大変なんです。動きがゆっくりだから待っていなくちゃいけない。耳が遠かったり、認知症だと同じ話を何回もする。私も自分の親が高齢になり、コミュニケーションの難しさは常に感じるので、大変だろうなと思います。

でも、息子さんたちはごく自然にそれをこなし、お母様も自然に頼っている。どちらも大変そうではないのです。

きっと、お母様は息子さんが子供の頃たくさんたくさん愛情を注いだから、優しくされるんだろう。


人間、教わっていない事はできないのです。

子供は敏感だから、大事に思われていることは伝わるもの。子供の時に与えられた愛情が、息子さんの中で育って、お母様に返せるくらいになるんだな〜と思います。


仲良し親子を診察で見ると、世の中にたくさん落ちている愛情に、触れる瞬間があるように思います。



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