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雑記 2022.12.12 / DTMから思うDTP

わりと最近になってDTMという言葉を知った。

"約束のネバーランド"が好きで、そのアニメ主題歌を歌う秋山黄色さんも好きになって、秋山さんがNHKの"ワンルームミュージック"という番組で自身の作曲方法を話していた時に知った言葉。
desktop musicの略でDTM。

DTPデザイナーなのでDTMの言葉の意味はすぐ理解できたけど、同時に、音楽までもが今はデスクトップなのか…と思って少し衝撃を受けた。それ自体はかなり昔からあるもののようだけど、ここまで前面に押し出されてるのはなんとなくここ数年の事のように感じる。

DTPは、デスクトップ パブリッシングの略。デスクトップ プリプレスの略でもあるようだ。
文字通り、卓上(デスクトップ)で全ての工程を済ませて完成まで持っていける出版の流れ(パブリッシング・プリプレス)のこと。
今はPCでデザイン制作、写真の配置、文字入れの全てが1人の手によって完結するのが当たり前。逆に、それ以外に何があるの?という時代。

私は世代的にはDTPネイティブではないんだけど、デザインの仕事を始めた時期が遅いので写植の時代を知らない。
知らないことは語れないけど、とにかく20年前ぐらいまでは、文字は写植屋さんの力を借りなければならないし紙面に写真を入れたい時はポジフィルムを手配してくれる業者さんの力を借りなければならない時代だったと先輩はいう。1人でできる事にはかなり限りがあった。それがいまはPC1台で完結する。

それと同じ事が音楽にも起きてたのか。
DTMはデスクトップ ミュージックの略。
バンド音楽をめちゃめちゃ聴いてた世代、かつストリートミュージシャン全盛期に音楽に浸かってた世代なので、曲を作って完成させるっていうのは実際に楽器をひいて音を出して、自分ができない楽器はできる人にひいてもらって、複数人が何段階にも協力して完成させるものと思っていた。
音楽業界を全然知らないので、なんとなく当然のように今もそういうものかと思ってたけど、今はPCがあれば1人で完成させられるらしい。なんならスマホでも。
スタジオもいらないし、他人の協力もいらないし、なんなら自室から出ずに完成まで持っていける。

DTPもDTMも、それまではそれを完成させるには各分野のプロの力を借りる必要があった。
それがPCのスペックやソフトの発達で自分1人で全て担えるようになった。
そうなると、それまで他人にお願いする分その人のフィルターがかかった"思ってたのと違う"ものが上がってくるような事は無くなるし、協力してくれてる他人からよく言えばアドバイス・悪く言えば干渉される事も無くなる。自分のやりたい表現を純度100%で出し切れるようになる。
それは創造をよりストイックに追求できるようになるから、出来上がったものに詰め込まれたその人の"個性"がより強く感じられるようになる。
ただ独りよがりになりがちでもある。
ただ、よりその"個性"に対してファンがつく、という事は増えるだろうと思う。
それがいい事なのか良くない事なのかはわからないけど、確実に時代はそういう時代になってきているんだなぁと思う。

印刷、音楽がそうなっているこの先の未来、いったいどんなものがデスクトップ化していくんだろうと思う。
1人で完結させるのは不可能と思われてきたものが、今の時代はPCで1人でなんなら自室で全てできてしまう。そういうものって、この先何があるのかなぁ。自分が知らないだけで、既にそうなっているものも実はたくさんあるんだろうな。
次のDT  はなんだろう。


以下は余談と昔話。

10年ちょっとくらい前までは、シャドウやぼかしをイラレでつけるのは事故の元といわれて、シャドウやぼかしをわざわざフォトショで作ってその画像をリンクさせてた。
それがいまは効果は当たり前にフルで使えて、リンク画像はpsdでもいいしなんならイラレのデータがRGBでも下版できる時代になった。昔なら本屋で素材集CD買って使ってたレベルの素材が今はフリーでそのへんにポイポイ置いてある。写真の切り抜きもフォトショに住まうAIさんがめちゃめちゃキレイにやってくれる。地元に印刷屋さんのツテがなくてもネットを開けば無数の通販印刷サイトが大歓迎してくれる。すげえなあ。進化速度早すぎないか。ありがてえや。

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