本を書く市原と本を作る西野の往復書簡(2度目)ですが、ふたりとも本を読んでばかりいます。
いちはらさん ながいながい夏が終わって,ようやく秋がやってきました。 よい気候にホッとしたのも束の間,Radikoから流れてきた「今年の秋は,日中は夏」という気象予報士の声に,思わず携帯を二度見したりする日々です。 一方で,世の中はほんのりと年末の雰囲気をまといはじめましたね。 そういえば毎年このあたりが暮れの入り口だったっけと「思い出した」ような感覚で,端末上を流れゆくさまざまな情報を眺めています。 *** 先日読んだ本のなかに「人の人生は,記憶は,その人が生き
いちはらさん 9月も半ばを過ぎたのにエアコンがフル稼働です。 毎月の電気使用量を折れ線グラフにしてくれるアプリを導入していますが,去年の今頃は「カコン」と下がったはずの線が,ピクリともしません。 データとして目にすると,実に焦るものです。体重をはじめとする各種身体的な「数値」もまた然り。あっ そういえば,ぼちぼち健康診断…ジワリといやな汗を感じます。 *** 大学院に所属していたある年の冬,窓の外の吹雪を眺めながらPubMedにアクセスしていると,その年に東京の大学か
いちはらさん 札幌うらやま。 こちらは もう ダメです。 あらゆるものが熱を帯びています。朝8時の時点で真夏。吸い込む空気も熱い。 なるべく涼しい服装で出勤を…と服を選ぶと,どんどんとオフィス・レディーらしさからはかけ離れていきますが,心情としては「知らんがな」と捨て鉢にもなろうという暑さです。 かくなるうえは,アッパッパでの出勤も視野に入れ…るかどうかは置くとして。 通勤途中の大きな駅ビルまわりに掲示されている「夏のスイーツフェア」「浴衣特集」「ビアガーデン」と
いちはらさん ぼちぼちと出張が復活しつつあるようでおつかれさまでございます。 こちらは梅雨まっさかり…というほど高湿度な日が続くでもなく。晴れたりやんだり,暑かったり肌寒かったり,強い風が吹いたりモワモワしたり。 季節の変わり目はなにかと不安定だなあと思いつつ,なんだかついこのあいだも「春のお天気は不安定」と耳にしていたような…? まあ,お天気は「きほん・ふあんてい」と思っておけば,少しは気が楽になりますでしょうか。 *** いちはらさんが「三密回避が懐かしい」とお
市原さん ちょっとご無沙汰しておりました。 いちはらさんは,だいぶお忙しい春だったご様子。 その後お元気にお過ごしでしょうか。 気づけばゴールデンウィークも過ぎました。 花粉も黄砂も気にせず窓を開けていられる季節になったなあ…と,爽やかな風を感じていた午後,小さな子が「まいあひー! まいあほー!」と歌う声が外から。 脳がバグる瞬間です。 *** 1冊の本を編集するとき,原稿と取っ組み合うように読んでいいのは最初だけ。何度も何度も同じ熱量で読み込んでしまうと,編集者の
いちはらさん 春が猛ダッシュで駆け抜けていくのを眺めている昨今です。 その後,胃の調子はいかがでしょうか。 胃を壊してはいませんが,年を重ねるにつれわたしも脂ものがキツくなってきました。焼肉に行く機会に遭遇した日には,カルビとか無理。ロース塩さいこう!といいながら,しいたけをお代わりしたりしています。 きのこおいしい。 *** ハモといえば。その昔,少し長めのおやすみをもらって実家に帰る予定を立てていた梅雨どきのこと。はりきった父が「よぅーし,帰ってきた日はハモす
いちはらさん 寝正月,ならぬ,テレビ正月をゆったりと過ごされた由,何よりでございました。 駅伝,見ちゃいますよね。他の局に変えようかな,というタイミングで入ってくるコマーシャルも力作ぞろいで,特にサッポロビール黒ラベルの「大人エレベーター」シリーズが大好きで,毎年たのしみにしています。 *** 前回いただいたおてがみの,「実在には3つある」のおはなし。 拝読しながら「実在」についてゆらゆらと思考は流れゆき,流れたその先に現れたのは1ぴきのクジラなのでした。 ここ数
いちはらさん 年越しはいかがでしたか。 わたしは実家に戻りまして,1年ぶりに弟ファミリー(5名)も合流し,それはそれは賑々しい年末年始となりました。 子どもたちが休みなく発する音量に大人たちの鼓膜と精神が疲れてきて,ちょっとクールダウンしますか…という頃合いで,有志で家の近くを流れる阿武隈川へと向かうのが,ここ数年では里帰り中の恒例イベントになっています。 去年とはうってかわって雪のない乾いた路面を川に向かって歩いていくと,山鳩やカラスの声にまぎれて,うっすらと聞こえ
いちはらさん 12月になりました。北海道は雪が降ったそうですね。 世の中は一気に年末モードですが,こちらはつい先日までだいぶ暖かかったせいか,わたしは気持ちがまるで追いつかず。なんだか足元がふわふわとする師走の入りです。 *** そう,そうなんですよね。"Don't think, feel." は,たぶん大事な姿勢で,それはよくわかるんだけども。そのときわたしが feelしたものを,なるべくそのまま伝えられる言葉をもちたい。できれば誰かと共有したい,という,欲求。
いちはらさん やはり,北海道の方々は金木犀の香りには馴染みがないのですね。 インスタあたりに流れてくる情報によりますと,金木犀の香りがする香水はけっこうな人気があり,さまざまに発売されているようですので,知ってるような知らないような香りがふわっと鼻先をかすめたときに「…どこからかトイレの芳香剤の匂いしない?」とか仰らないようお気をつけください。ことと次第によっては,ぶっとばされますのでね。 *** サザエさんといえば,私が幼い頃の実家事情は,わりと磯野家に近い部分があ
いちはらし めっきり秋です。開け放した窓から金木犀の香りが漂ってきます。 こんなに香りの濃い花をつける樹木,題材にした奈良・平安時代の短歌で教科書に載るような有名なのがありそうなものだけど… と思って調べたら,なるほど日本には江戸時代に中国からやってきたのだとか。 分布の北限は南東北とのこと,いちはらさんがお住まいのエリアで庭に金木犀を植えているご家庭はないのかあ…秋の空気感,けっこう違うのかしら,と,気の向くままに北東北〜北海道方面に特有の植栽をググリ始めました。たの
いちはらさん いやはや,それはそれは暑い夏でした。 というか,スタートが早かった。夏の。 5月頃に「この暑さ,9月いっぱいとかまで続いたらマジでヤベえですわよ……」と思っていましたが,ここ数日はほんのり秋の雰囲気も漂いはじめており,ちょっと安心しています。 「雨がたくさんふると,大きくなる。お日さまが照ったぶんだけ甘くなる。だから,雨ばっかりだと,みてくれはいいけど味がスッカスカになっちゃうのよねえ…」 ずいぶん前の,雨続きの冷夏だった年に,母がそう言いながら剥いてく
いちはらさん 記憶について,前回のおてがみで,こう書いてくださいました。 なるほど… うなずきながら何度か拝読しているうち「綻びを繕う・仕立て直す」みたいなイメージがわたしの脳に浮かんできました。 一連のプロセスには,自分が生きているストーリーとの整合性をとる,一種の防衛本能…みたいなものが含まれるのでしょうか。うぅむ。 ということで,『カンデル神経科学』,書庫からひさびさに取り出してきました。お,重い。でかい。よう先輩もおっしゃっていましたが,まさに鈍器本。
いちはらさん 夜のラジオ,あれはよいものですね。 とはいえ,昔からあまり夜更かしができない(寝ないと翌日どろどろになる),へなちょこリスナーなわたしには,伊武雅刀氏の『Jet Stream』が就寝の合図でした(気になって確認しましたら,現在の「機長」は福山雅治氏なんですね。ちょっとびっくりですが,なんとなく納得…)。 (それにしても,ラジオを聞くタイミングって難しいものだな)と感じることがありました。 誰かと,特に家族と一緒にいるときには難しい。 演者が何某かのネタ
いちはらさん そちらはゴールデンウィークに桜が散りましたか。 とすると,今年も例年にくらべて開花が早かったってことかしら…と,過去のおてがみをたどりまして あった,あってた。おかげさまで,北海道の桜の開花時期を覚えられたことを,少しうれしく感じています。 エゾヤマザクラ,たぶんそんなに目にしたことがないなあ,どんなふうに咲くのだろ。と思っていましたらば。5月も下旬というこのタイミングで,ツイッターに桜の写真が流れきたではないですか。 なぜいま? と目をとめたところ,
いちはらさん 前置きなしのコミュニケーション,ですか。それはたしかにハードルが高いですね。 きっかけはなんだったか忘れてしまいましたが,ふと「htmlについて知りたい」と思い立ち,少しだけいじり方を調べた(そして挫折した)ことがあります。 プログラミングのいっちばん最初の行に打ち込む ”宣言”ってありますよね。「ここではこの変数つかうよー」っていう,入力しないと以降のプログラムが正しく動かないやつ。 その存在を知ったときに,「この"宣言"って”前置き”みたいだなあ」と