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床越しに見るいちょう?宮島の豊国神社(ほうこくじんじゃ)

異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。

秋が深くなるころにようやく色づき始めるいちょうは、色づきの良さや見た目の美しさから秋の風物詩として人々に親しまれている。

今回の異次元空間では、ちょっと趣向を変えていちょういちょうでも床越しのいちょうとして、宮島・豊国神社の床いちょうを紹介する。

宮島の港から商店街を抜けると世界遺産の厳島神社が見えてくるが、豊国神社は付近の丘の上にある。ややマイナーなスポットなので、宮島を訪れていても豊国神社に行った方は多くないかもしれない。

五重塔の横にある大きな建物が豊国神社である。

通称:千畳閣[せんじょうかく]
桁行13間約24m 梁間8間約15m 単層本瓦葺入母屋 木造の大経堂
豊臣秀吉公が、千部経の転読供養をするため天正15年(1587)発願し、安国寺恵瓊[あんこくじえけい]に建立を命じましたが、秀吉の死により未完成のまま現在にいたっています。 明治時代に秀吉公と加藤清正公が祀られ、豊国神社となっています。
入母屋造りの大伽藍で857畳の畳を敷くことができ、軒瓦には金箔が押してあることから完成していれば、さぞや豪華な桃山文化を取り入れた大経堂になっていたと思われます。
また堂内には、大鳥居が明治8年に建替えられた時に使った尺定規があります。
本尊の釈迦如来[しゃかにょらい]・阿難尊者[あなんそんじゃ]・迦葉尊者[かしょうそんじゃ]は、明治維新の神仏分離令のときに大願寺に移されています。
宮島観光協会ウェブサイトより

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神社といえど、神社らしくない広い本殿の中央には本尊となる豊臣秀吉と加藤清正が祀られている。

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もともとは畳が敷かれ、天井が張られる予定だったというが、数百年が経っても未完成状態を維持している。

建物の梁には年季の入った絵馬が飾られていた。

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全世界ヨ一ニ帰レ(ぜんせかいよいちにかえれ)

これは昭和43年に書かれたものだそうだ。この絵馬の他にも東郷平八郎氏の書など、見どころのある絵馬が多々飾られている。

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本題のいちょうは外側の回廊沿いにある。

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いちょうと、木の床に映る床いちょう。人の影もいいアクセントになっている。

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ヒビの入った床にも味が出ていた。

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単に真っ黄色に色づくいちょうそのものを見るのも美しい。

坂が多い宮島では、観光に疲れたらいちょうを見ながら広い空間でゆったり一休みするのもいいだろう。

日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。

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