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川と川の交差?西川・新川立体交差

異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。

水が高いところから低いところに流れるのはご存じのとおりである。同じ場所に流れてきた川は一つになり、より大きな流れになっていくものだが、新潟には川と川が交ることなく立体交差する場所があるという。

今回は新潟は内野の西川・新川立体交差を紹介する。

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最寄りとなる内野駅から歩くこと十数分。新川に架かる歩道橋から下流側を見ると、トラスを使った赤い橋が見えてくる。驚くのは、新川の水面にぴったりくっつくほど橋が低いことだ。橋を支えるための橋脚の姿が一切確認できない。

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近づいてみると橋の構造がよくわかる。川を越えているのは水路のような川であった。これが西川である。

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川をまたぐ川。

見れば見るほど奇妙な光景である。

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付近には教育用と思われる看板が設置されていた。もともとこの立体交差は、洪水のあとなかなか水が引かない状況を改善するために新川を整備した際に江戸時代に作られたのだという。

高い位置にある西川の下に新川を通す必要性から、当初は木の樋による立体交差が用いられていたが、さらなる治水対策として二代目として暗閘(あんこう)が、改修により現在の三代目となるトラス橋へと変わったようだ。

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ゆったり流れる新川とは対照的に、橋の上を流れる西川の流れは速く、「ここで遊んではいけません」の看板も立っている。

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一見奇妙ともいえる川と川の立体交差、それは江戸時代の高度な土木技術が編み出した治水対策によるものだった。

日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。

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