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品質をコントロールしているのは製造部門だよ

これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事をしてきました。
製造業を中心に業務をしてきて気が付いたことを記します。

一般的な製造工場の組織は、製造部、技術部、品質保証部、生産管理部、資材調達部などが組織化されています。
会社規模にもよりますが、品質保証部門は独立した組織として製造部門の支援組織であり、また顧客先要求品質で製品ができるように品質保証体制を構築するのが業務となります。

製造工場は品質目標が掲げられ日々改善活動を行っています。
この改善活動ですが、意外と勘違いしている人がいます。
品質目標を掲げ実行するのは製造部門です。
意外に品質保証部門が、品質をコントロールしていると思われているところがある。

本来『品質をコントロールしているのは製造部門』になります。
ISO9001審査官ですら品質保証部門に品質に対する目標値を掲げていないと不思議に思う方がいます。品質保証部門は目標値の監視しか出来ません。

これ当の製造部門長ですら勘違いしている役職者が稀にいます。
製品を製造しているのは製造部門で『人、モノ、金』を自分達でコントロールすることが出来るからです。
例えば、人の配置とか指示は現場の管理者が決めている。
品質保証部門は、発生した品質問題を製造部門と摺合せた上で、QC工程図に盛り込んだり、QC工程図通りに製造されているのかを監視するのが主な役割りなります。そうやって、製造されたものを品質保証する。
製造部門に対する指揮命令権は無いのです。
従って、品質目標値は、製造部門が設定し活動することになる。
但し、品質保証部門は製造部の支援をすることを忘れてはいけないと思います。

中小企業の製造課長ともなると、組織が小さいこともあり色々と業務を兼務するのが当たり前の環境です。現場の労務管理やフォローなどを行いながら日々QCD活動を行っている。大変に忙しいことは分かりますが、本質を間違ってはいけないと思います。

製造課長から品質保証部門へのメール
仕様書を送ります。
部品仕様書を確認した結果、全般230℃での仕様と(5ページ)なっております。ロットによってメッキのなじみ不良が発生している可能性があります。メッキが低融点金属の融点との条件があわない場合に発生が多発しているかもと思います。
検証・調査願います。

この製造課長は自分では何も検討していないのですね。
検討しないまでも、『検討するので協力願います』ですよね。
そもそも、技術要件は品質保証部ではなく製造技術部に問い合わせる内容です。内容も、何か自分で検証するでもなく他部門に検討依頼している。丸投げと言うものです。

そもそも、品質をコントロールしているのは製造部であり製造課長自らが、主体的に行動する意識が欠落している。製造品質問題は、関係部門を集めて解決を図る行動を取るものと思います。困っているのは、製造部なんですからね。

まとめ
品質をコントロールしているのは製造部門です。これを理解しないのは数学の『定数』『変数』を理解していないのと同じです。自分や自部門の行動で操れる(変化させることが出来る)ものを目標値にするものです。
品質保証部門はモノを製造していないので品質をコントロールしていません。しつこいですが、品質をコントロールしているのは製造部門です。
良くも悪くも製造部門が中心になって改善を進めていく必要がありますね。

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