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中小企業の経営者目線はどこにあるのか

これまで大企業から中小企業のいろいろな人達と仕事をしてきました。
製造業を中心に仕事してきたことで気がついたことを記します。

製造業と言っても幾つかの種類がありますが、今回は受託製造業(EMS)における中小企業になります。
この受託製造業は、主に取引先が上場企業であったり、商社経由での取引となるBtoBが中心となります。

通常、受託製造となると中小企業の製造業は、製造方法、製造プロセスなど指示された通りに製造する。一般的に言われる下請け業態。
これら受託製造業の中小企業でも成長拡大する会社と成長できない会社を見比べてきました。

どんな会社もスタート時点は中小企業から出発している筈ですが成長度合いの違いは、何が違うのか?
いつまでも売上が増えない会社、年々売上が伸びていく会社がある。その違いは何が違うのか?

それは経営者目線がどこにあるのか?と言えそうです。
一般的に経営者ともなれば、目標方針などで
・利益確保を目指すのか
・売上拡大を目指すのか
・一定の売上利益があればよいのか

どの経営者も売上利益を追求しているとは思いますが、当然競争相手が存在するので思うように経営で出来ないのが普通のようです。

会社経営的には
・受託製造業は委託される側として加工費がコスト的に低くせざるを得ない(競争相手の存在)
組織は製造に必要な組織体制と必要最低限の要員で製造することになる。
一般的な製造業では加工設備は汎用品で製造し、要員も社員+派遣の構成。
よって他社との差別化が難しいところがある。

受託製造業は要求される品質、納期、コストを追求して製造する。
ここでは、設備も汎用品で指定されたプロセスで製造することで要求品質を担保することになる。したがって基本的に製造プロセスの差別化も、ほぼ皆無となる。中小企業の利益確保は自ずと労務費を下げることとなる。

経営者として労務費削減となると賃金及び要員数削減をすることになる。
このことから受託製造に於ける中小企業は、技術者要員確保が難しいことから製造技術、ノウハウの蓄積が出来ない。
単に指示されたプロセスで製造するだけなので、どのようなデータから、その製造方法になったのか技術的なところの情報を持っていない。製造技術、ノウハウが無いので応用も出来ないことになる。

成長できない中小企業は経営者が、受注していればそれで安心していることが問題である。
それから、
・自社の将来像を描いていない
・どの様に他社と差別化するか具体策がない
・結果的に他社との競争力や、付加価値が生まれない
よってコスト競争の道を歩むことになり従業員の給料が上がらない。
給料が上がらないから優秀な従業員が集まらない。
会社が成長できないサイクルになってしまう。

成長できない中小企業のパターンは、指示された通りに製造するだけになっているので人材の成長が見込めない。技術的に改善するにも新規の取組するにもノウハウも無く人材もいない。
製造業にとって一番大事な、技術者と製造ノウハウが無いと差別化なんて出来ない。
技術が無い → コストで勝負 → 技術者雇用出来ない → 技術が無い
このサイクルになっている。

では、成長した中小企業は、何が違うのか?
これは経営者の思考や考え方に違いがある。
・製造業として重要な製造技術を持つこと
・顧客の要望に沿えること
と、になると思います。

ある中小企業の受託製造会社は、製造業として製造技術を持つことに対して
①上場会社の技術者の中途採用
 確かな人選をして入社させている
②社内技術検討チーム組織化とノウハウ蓄積
 データ分析と顧客と協同で改善を図る
人材に投資することが差別化の一貫となる

顧客の要望に沿えるとは
①既存の製造にプラスアルファの業態を組み合わせる
 例として、部品製造+組立=中間部品製造
②最終製品まで手掛ける
 電装部品+板金+モールド成形+梱包=完成品
この辺は、資金力が必要になりますが成長規模に合わせて対応する。

まとめ
受託製造業で今後生存してくならば、人材投資を行って他社との差別化を図り生き残りをしていく必要があります。人材確保の賃金確保を企業として最優先課題と思います。日本の出生数からも、今後人材を雇用していくには賃金を上げていかないと集まらないことになります。
製造業は、世界の製造会社と競争しているわけで、国内と海外製造との差があるのは輸送手番(輸送日数)だけが違うだけでコスト、品質は負けているのではないかと思います。設備面でも海外工場の方が新しい設備で生産しています。輸送費はトラックよりコンテナ船の方が安い(コンテナ物語に書いてある)

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