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本気で体重を増やしたい高校生ラガーマンたちへ
*更新内容*
今回は「増量したい選手に気をつけてほしいこと3選」を紹介したいと思います。
今回から更新部分は有料記事となりますのでご了承ください。
こんにちは、ラグビーSCコーチの中村です!
本記事を読んでいただきありがとうございます。
指導チームの学生から「ネット検索したら龍さんの記事最初に出てきましたよ!」と報告があり、検索してみると本当にトップに出てきました!
![画像28](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/39495992/picture_pc_459d1a4c5424b180e6d5fdee3d5ab870.jpg?width=1200)
まさか自分の記事がトップに来るとは...
嬉しさもありますが、もっと役に立つ記事を書いていこうと気合が入りました!
本題に入る前に、この記事を書いてから改めて勉強するために読んだ書籍を紹介したいと思います!
栄養に関する基礎的なことに加え、ラグビー選手の具体的な食事メニューなども書かれている書籍になります(ラグビー以外の競技も書かれているのでラグビー以外の方にもオススメ!)。
内容も難しくないのでサッと読めるボリュームです!
より深く勉強されたい方は読んでみてください!
それでは本編に入っていきましょう!!!
指導しているチームの新チームがスタートしました!
昨シーズンの振り返りから出てきた課題の1つが「体重の増量」
特に高校チームの選手から、
「体重がなかなか増えないけど、どうしたら良いですか?」
という質問が多くあるのでSCコーチ目線で
体重の増量
について書いていこうと思います。
私自身が知り得る範囲と試してきたことを踏まえて書いているので個人的な考えが反映されていますので悪しからず。(参考文献があればリンク貼ります)
それと、この記事は書き足しと修正をしていくので随時チェックお願いします。
<目次>
はじめに〜記事を書こうと思ったきっかけ〜*更新
1.体重増量の基本
2.ラグビー選手に必要なエネルギー(カロリー)摂取量
3.個人のエネルギー必要摂取量の計算
4.意外と知らない増量の落とし穴「食事誘発性熱産生」
5.1日どれくらいのエネルギー量をプラスするといいのか
6.1週間のトータルエネルギー摂取量を計算・チェック
7.増量期の三大栄養素のバランス
8.何からエネルギーを摂ればいいの?〜炭水化物 編〜
9.何からエネルギーを摂ればいいの?〜たんぱく質 編〜
10.どこまで目指せばいいのか?増量の目標値
11.増量したい選手に気をつけてほしいこと3選*更新
おわりに〜最後に伝えたいこと〜
はじめに〜記事を書こうと思ったきっかけ〜
この記事を書こうと思ったきっかけは、最初にも書いたように指導チームの選手が「体重がなかなか増えないけど、どうしたら良いですか?」と質問に来てくれたことでした。
そして「どれくらい食べてるの?」と聞いた時に具体的にどれくらい食べているか把握していなかったり、把握していても計算したら実は全然足りていない、食べている内容に偏りがあるというケースがほとんどでした。知識も「なんか聞いたことがある」、「ネットでチラッと見かけた」というような曖昧な感じで「そりゃ増量できないよ!」というような感じでした。
そんな選手たちを見ていて、
どうすれば「体重増量」問題を解決できるのか?
どうすれば悩んでいる高校生たちを助けてあげられるのか?
と考えていたときにnoteの存在を知り、具体的な記事を書いて広まっていけば誰でも読んで簡単に実践できるじゃないか!と思い書いていくことにしました。
少しでも多くの高校生ラガーマン、選手たちを指導する監督やコーチ、身近なサポートスタッフである保護者に読んで役立ててほしい!
という想いで無料にしていますので「これは役に立ちそうだ!」、「勉強になる!」と思った方はSNSで拡散していただけると嬉しいです。
主にTwitterで情報発信をしています。他の方か発信している内容も拡散していますのでTwitterも合わせてチェックしてみてください!
それではスタート!
1.体重増量の基本
これは基本中の基本!
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18042800/picture_pc_dd19d904c80805748912e11396acd5a6.png?width=1200)
エネルギー(カロリー)消費量 < エネルギー(カロリー)摂取量
消費したエネルギー量(運動した量)より、摂取したエネルギー量(食べた量)が多ければ自然と体重は増えていきます!
って言ってもこれがなかなか難しいのです。
もちろんただエネルギーを摂れば良いというわけではなく「何から摂るか」も重要になってきますが、それはまたの機会に。
2.ラグビー選手に必要なエネルギー(カロリー)摂取量
トップレベルのラグビー選手が1日に必要とされるエネルギー摂取量は、
約 4,500 〜 6,000 kcal
が目安とされています。
一般的なラグビー選手でも、
約 4,000 〜 5,000 kcal
が必要とされています。
ここに加えて増量したい選手は+500 〜 1,000 kcalが必要になる。
数字で見てもわかるように、とにかく食べないといけません!
私自身も選手に「たくさん食べろ!しっかり食べろ!」と言っているので、言うからには試してみようと思い 5,000 kcal にチャレンジしてみました!
以下がその内容です。
朝食
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18040764/picture_pc_8a9ca6f2718c9224d65bc02b0b23c2ea.jpg?width=1200)
昼食
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18040887/picture_pc_cb5aac0a72a390ce13e88016f1927b1e.jpg?width=1200)
夕食
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18040845/picture_pc_349e0fbce568d9f31f9695937cc6c778.jpg?width=1200)
この3食で合計5,094 kcalです!
正直、食べるの相当キツかった!!!
なかなか食べれない選手の気持ちが分かった気がします。。。
このときは 5,000 kcal にチャレンジしましたが、全員が同じエネルギー量を摂らないといけないわけではありません!
もとの体格が違えば、それぞれ必要なエネルギー量も変わってきます。
個人に合った必要なエネルギー量の計算が必要です!
3.個人のエネルギー必要摂取量の計算*更新!
「2.ラグビー選手に必要なエネルギー(カロリー)摂取量」の中で、
もとの体格が違えば、それぞれ必要なエネルギー量も変わってくる
と書きました!
実際どれくらい違うのか計算してみました。
*FWで身長178cm、体重105kg、年齢21歳の選手だと、
約 4,300 〜 5,000 kcal
*BKで身長172cm、体重72kg、年齢20歳の選手だと、
約 3,500 〜 4,000 kcal
が1日に必要になってきます。
FWとBKでもこれくらいの差が出ますね!
BKでも体格の大きい選手はFWに近い数値が出ると思います。
この数字はこの計算式から出しました↓
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18157131/picture_pc_ebd669d45d7c0c8b523e0d0809dfc335.png?width=1200)
何やら難しい内容が...と思う方もいると思いますが簡単に説明すると、
基礎代謝を計算して、身体活動レベルをかけたらエネルギー必要摂取量が出てきて、そのためはまず基礎代謝を計算してみましょう!ということです。
*基礎代謝:安静にしていてもおこなわれる代謝(エネルギーの消費)
*身体活動レベル:1日の総エネルギー量が基礎代謝の何倍になるかを示した値
身体活動レベルに関してはこちら↓
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18164739/picture_pc_cf52c94b6cf95ab9e19da6e84bbf0662.png?width=1200)
日本人を対象とした研究の中にラグビーがなかったので(これからは対象にしてほしいな...)表を参考にして、
身体活動レベル:2.0 〜 2.3
としました。
普通に練習をして「2.0」で、めちゃくちゃハードな練習で「2.3」というイメージです。(主観・曖昧ですが...)
それではもう一度計算してみましょう!紙とペンとスマホ(or電卓)を用意!
先ほど例にあげたFW、178cm、105kg、21歳のデータを使います。
基礎代謝1:国立健康・栄養研究所の式
= ( 0.0481 x 105(kg) + 0.0234 x 178(cm) - 0.0138 x 21(歳) - 0.4235) x 1000/4.186
= ( 5.0505 + 4.1652 - 0.2898 - 0.4235 ) x 238.891543
= 8.5024 x 238.891543
= 2,031.15146 kcal
基礎代謝2:Harris-Benedictの式
= 66.4730 + 13.7516 x 105(kg) +5.0033 x 178(cm) - 6.7550 x 21
= 66.4730 + 1,443.918 + 890.5874 - 141.855
= 2,256.1234 kcal
この2つの平均をとり、
基礎代謝 2,144 kcal (2,143.63743 kcal)
となる。
これに身体活動レベル:2.0 〜 2.3 をかけると、
2,144(kcal) x 2.0 = 4,288 kcal2,144(kcal) x 2.3 = 4,931 kcal
となるので、
約 4,300 〜 5,000 kcal
が1日に必要なエネルギー摂取量となる。
これだけの量を3食で摂るとなると1食あたりのボリュームがかなりの量になりますよね(試した写真を見てみてください)。少食で食べれない人からすると地獄です。。。
ラグビー日本代表でも3食では摂っていません!6〜8食に分けて摂っているようです。
ちょっと小難しい内容になりましたが、計算しておくと「自分には最低でもこれくらい必要なんだ〜」「増量するためにはもう少し食べないとな〜」と意識できるようになりますね。
4.意外と知らない増量の落とし穴「食事誘発性熱産生」
食事誘発性熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)
って聞いたことありますか?
聴き馴染みがないかもしれませんが増量の落とし穴になるかもしれない重要なキーワードです!
何かというと(めっちゃ簡単に言いますね!)、
食べたエネルギーを消化・吸収するのに
食べたエネルギーが使われてしまい、全てが吸収されない
ということです。
食べたにの全部吸収されないの?!
という声が聞こえてきそうですね。
どれくらい摂ったエネルギーから使われていくのか見てみましょう!
三大栄養素を見てみると、
タンパク質:摂取エネルギーの30%
炭水化物:摂取エネルギーの6%
脂質:摂取エネルギーの4%
これくらいの割合が使われてしまいます。
*一般的な食事は栄養素が混合されているので、食事全体の約10%がDITとして消費されてしまいます。
具体的に見てみると、
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18247708/picture_pc_969cef71a1ecb61704e21702ce54b6ab.png?width=1200)
食べたエネルギーからこれだけ使われてしまっています。
計算してエネルギー必要量が約 4,500 kcalだった場合に、
よし!5,000 kcal食べるぞ!
と意気込んで 5,000 kcal食べても、最終的には 4,500 kcalしか吸収されていないということになるわけです。
この「食事誘発性熱産生」を知らないと、食べているのに増えないという落とし穴になってしまいます。
前回に引き続き少し難しい内容になりましたが、
エネルギー必要量 と 食事誘発性熱産生
の2つを理解しておけば闇雲に食べなくても必要分だけ食べておけばいいということになります。
ラグビー合宿あるあるの大量にご飯を食べさせられる
「合宿・食トレ」
みたいなのをしなくても効率よく、無駄なストレスなく
体重を増やすことができると思います。
5.1日どれくらいのエネルギー量をプラスするといいのか
体重を増やす=めちゃくちゃ食べないといけない
こんなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?
実はそうでもないんです!!!
これはそもそも食べれな人からすると朗報です(食べれない人からすると少し増やすだけでもキツいか...)。
中村的見解といろいろ調べたところによると、
1日に 300 〜 500 kcal の増食
で良いというところにたどり着きました!
*もちろん個人差や体質による差などはありますがここでは触れません
まず前提条件を確認しましょう。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18429557/picture_pc_0c4a41ac9218fee270e8691da25f968d.png?width=1200)
自分自身が1日にどれくらいのエネルギー摂取をしているかを計算・確認してみましょう!
これはある選手の5日間の3食から摂ったエネルギー量です。(3食以外の補食のデータが録れなかったこと、食事提供が5日分しかないのでデータが揃っていませんがあしからず)
そもそも目指しているのが
「1日 4,000kcal / 5日 20,000kcal 摂取」
なので全然足りていません。不足分を出してみると、
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18429988/picture_pc_a34e5d51f447a71748364edb2c1dd9a1.png?width=1200)
1日平均 407.6 kcal / 5日 - 2,038 kcal の不足
になります。
まずはこの分をプラスで摂取しなければなりません。
ここをしっかりクリアした上で、次に必要になるのが
300 〜 500 kcal の増食
です!
多く見積もって500 kcalだとすると、
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18430691/picture_pc_a236009ec7bdd2de8c9b85840ae823b6.png?width=1200)
こんな感じですね。
「体重増量」という結果を出すためにこれまで話してきた以下3点は絶対に大事なので増量のために欠かさずやりましょう!
①自分に必要なエネルギー摂取量の計算
②必要なエネルギー摂取量分を食べれているかの確認
③必要なエネルギー摂取量分を食べれていれば300〜500kcalの増食
ここからがさらに重要です!(ほんまに大事)
理想的な方(必要エネルギー摂取量+300〜500kcal)で増量を進めれている場合に起こるのが、
体重の増加
じゃあ、どれくらい増加していくのが理想なのかというと、
(これも中村的見解といろいろ調べたところからたどり着いた結果です)
1週間に体重が0.45 〜 0.50 kg増えるのが理想
だと思います!(ここほんまに重要!某トップリーグチームのSCコーチも同じ意見でした)
これが、
体脂肪を増やさず、筋肉量を増やせる量
になるでしょう!(ここもほんまに重要!!!)
もちろん個人差があったり、理論上の話なのでなかなかうまくはいかないと思いますがここを目指せると良いですね!
これまで伝えてきた必要なエネルギー摂取量や自身が食べているエネルギー量の計算ももちろん大事ですが、体重の変化(できれば身体組成も)もチェックしていきましょう。(理想は毎日同じ時間帯に体重計に乗ること)
変化がわからないと改善もできないのでしっかりチェックしましょう!
6.1週間のトータルエネルギー摂取量を計算・チェック
ここまで「1日に必要なエネルギー摂取量」と「1日にどれくらいエネルギーをプラスしたら良いのか」について書いてきました。
改めて
増量は1日にしてならず
だなーと思います。
増量するためには「継続」することが重要です!
そのためにまずは1週間のトータルエネルギー摂取量を計算・チェックしましょう。
1日 4,500kcal/1週間 31,500kcalを目標としている選手の例を使って考えてみます!(数字はざっくりなので参考までに)
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19568337/picture_pc_471782dd3b2d62ea23f064abe926d414.png?width=1200)
目標は1日 4,500kcal/1週間 31,500kcal
現状は1日 4,300kcal/1週間 30,100kcal
目標と現状の差は1日-200kcal/1週間-1,400kcalとなります。
マイナスになってしまうと増量がうまくいきません。少しでもプラスになるように必要があります。
特に試合or練習試合の日とオフの日はエネルギー摂取量が少なくなる傾向にあります。(中村の経験上)
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19579452/picture_pc_40cdbf3877cd7a517a29330628324c71.png?width=1200)
試合or練習試合の日は、試合に向けて調整をおこなうので試合前のエネルギー摂取はいつもより少なめになります。試合後は激しい運動後なので食欲が出なかったり、午前中に摂取しなかった分を摂ろうとしても1回の食事で摂取できる量には限界があります。
オフの日は、練習やトレーニングがないのでいつもよりお腹がすかなかったり食事に意識がいきにくくなりやすいと思います。
試合の日の食事量はなかなか増やすのは難しいですが、オフの日は意識すればきっと増やせるはず!
理想は練習日と同じ食事量にすることです。
そしてここが重要なポイントです!
1日のエネルギー摂取量が目標に達した・達してないと一喜一憂しないこと
これは本当に大事だと思っています。1日だけでみるのではなく、1週間でどれくらいエネルギー摂取できたかをしっかり把握することで、翌週への目標設定をすることができます!
体重に関しても同じことが言えます。
1日の変化では何もわかりません。1週間単位や1ヶ月単位で変化をみていきましょう!
地道にコツコツとエネルギー量を積み重ねていきましょう!
7.増量期の三大栄養素のバランス
誰もが知っている三大栄養素(学校で習ってるはず...)、
たんぱく質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)
別名「エネルギー産生栄養素」とも呼ばれています。
この比率を「PFCバランス」と表すこともあります。
この三大栄養素について増量期目線で書いていこうと思います。
1)各栄養素の説明
ここに関してはネットにも情報は出回っているので簡単におさらい程度にしておきます。
・たんぱく質(Protein):1gあたり4kcalのエネルギー量があり、筋肉や骨、血液などを構成する主成分になる。筋肉を作るのになくてはならない栄養素です。増量期には炭水化物の次に摂ってほしい栄養素です。
・脂質(Fat):1gあたり9kcalと三大栄養素の中で一番高いエネルギーを摂ることができます。エネルギー源だけではなく脂溶性ビタミンの吸収を良くしてくれたりといった働きがある。しかし、脂肪の摂りすぎは体脂肪の増加にもつながる可能性があるので摂りすぎないように注意が必要。←ここ重要!
・炭水化物(Carbohydrate):1gあたり4kcalのエネルギー量でたんぱく質と同じエネルギー量を摂ることができる。炭水化物は消化吸収されてエネルギー源となる「糖質」になる。増量期には積極的に摂取してもらいたい栄養素です。
*もっと詳しく知りたい方はネット検索もしくは書籍(学生なら家庭科の教科書)から情報を集めることをオススメします。
2)増量期に優先すべき順番
増量期に優先すべき三大栄養素の順番は、
炭水化物(C) > たんぱく質(P) > 脂質(F)
の順番です。
エネルギーに変わりやすい炭水化物、筋肉などの構成要素であるたんぱく質、炭水化物と同じくエネルギーになる脂質の順番で優先的に摂取する必要があります。
世間では「たんぱく質を積極的に摂取した方がいい!」という声をよく耳にしますが、中村的見解からすると増量期は「たんぱく質より炭水化物を重視した方がいい」と思います。
まずはエネルギーに変わりやすい炭水化物をしっかりと摂取してからたんぱく質を摂ることでより増量しやすくなると考えます。
炭水化物を積極的に摂ることにより、筋肉の合成(作られること)が高まるとも言われています。
*たんぱく質はDIT(食事誘発生熱産生)が高く、たんぱく質を中心にしてしまうと食べた分から消化に回るエネルギーが多くなり、摂取エネルギーが少なくなってしまう。
3)三大栄養素の比率
最初に書いたように三大栄養素の比率を「PFCバランス」と表されることがあります。
個人的なこだわり(ここはこだわりたい!笑)として「PFC」ではなく、
優先順位である「CPF」の順
に変えたいと思います。
増量期の食事を考えるときに大切だと思うのでこの順番で覚えてもらえると嬉しいです!(個人的に)
*そもそもの「PFC」の順番に意味はないようです。
そして「CPFバランス」の比率は、
C:P:F → 6:3:1 or 6:2:2
が理想だと考えています!
4)まとめ
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19578137/picture_pc_29c61970f38f5912fecf46ed1657ecb2.png?width=1200)
今回は文字が多くなりましたが、三大栄養素の理解と優先順位、摂取比率は食事内容を考える上でとても大切なので頭に入れておきましょう!
8.何からエネルギーを摂ればいいの?〜炭水化物(糖質) 編〜
これまで増量の基本的な考え方についてまとめてきました。
そろそろ、
考え方はわかったから、エネルギーを何から摂ればいいんだよ?!
と思われている方も出てきていることでしょう!(そうであったほしい...)
今回は「炭水化物(糖質)」について書いていこうと思います。
主に炭水化物(糖質)は、
米類・パン類・果物類・菓子類
から摂ることができます。
炭水化物(糖質)は体を動かす主なエネルギー源になってくるので、ラガーマンにとってはなくてはならない栄養素です。
炭水化物(糖質)と言われると白ご飯やうどん、パスタなどの麺類がイメージされると思います。
ここでは炭水化物(糖質)としてメジャーの物だけではなく、マイナーな物も紹介していきます。
ここで挙げている具体例は、指導チームの高校生や大学生にもオススメしている補食に取り入れて欲しい内容です。
すぐに始められる物を5つ書いていきます。(今後追記していく予定)
まずは、
補食の王様「おにぎり」
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20348521/picture_pc_e15e52513cbca4832cfb48065d5834d6.png?width=1200)
個人的に補食の王様だと思っています。家で握って・握ってもらってカバンに入れておけばいつでも食べれますね!
オススメのサイズは200グラム!(写真も200グラムです)
大きすぎず、小さすぎずちょうどいいサイズです(個人差あり)。
200グラムのおにぎりで摂れるエネルギーは336 kcal!
おにぎりは炭水化物(糖質)だけではなく、たんぱく質も約5グラム含まれています。
おにぎりなら誰でも簡単に始められるのでやってみましょう!
中の具材を工夫すれば「炭水化物(糖質)+たんぱく質」の最強おにぎりができます!
2つ目、
果物の補食「バナナ」
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20279443/picture_pc_1ed47d50b880f17cd100f82e0b47cdb4.png?width=1200)
誰しもが試合前の補食で食べたことがある果物ですね。
(中村調べによると2005年から2019年の間よく食べる果物に選ばれているとか...)
バナナ1本で摂れるエネルギーは86 kcal!
おにぎりと比べるとエネルギー量は少ないですが、バナナは吸収も速く、カリウムを豊富に含んでいるので運動中に脚が攣るのを防いでくれる効果もあります!
4〜5本で200円以内で買えるので、値段の割りに補食としてのコスパは高いと思います。
バナナの注意点は、カバンに入れてるのを忘れて放置したり、上に重い物を乗せないように気をつけましょう!カバンが悲惨なことになります。笑
3つ目、
和と洋の融合「あんぱん」
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20286486/picture_pc_7b40b6543b52336599e3d34d0fa31681.png?width=1200)
誰でも一度は食べたことがある「あんぱん」!
パンといわれると「脂質が高い」「腹持ちが悪い」というようなイメージを持たれがちです。
確かにこのイメージは間違いではないかもしれませんが、物によっては良い補食になってくれます。その代表が「あんぱん」です!
あんぱん1つで摂れるエネルギーは354 kcal!
炭水化物(糖質)だけではなくたんぱく質も10グラム含まれています。甘い物の中では「高たんぱく」だと思います。
補食に甘い物が食べたい人はあんぱんを取り入れてみても良いと思います。
(個人的にはあんぱんと牛乳の組み合わせが好きです。笑)
4つ目、
おばあちゃん家でたまに出てくる「干し芋」
![画像17](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19788898/picture_pc_05496bca8da1bc906e3de8fc6bb1949d.png?width=1200)
あまりスポットライトを浴びない干し芋。実はボディービルダーの方々からは評判のようです。
干し芋は100グラムあたり約300kcal のエネルギーを摂ることができます!
食物繊維も豊富に含まれていて便通もよくなります。そして脂質が100グラムあたり0.2グラムの「低脂質」!増量目指しているけどあまり余分な脂質は摂りたくないという選手にはオススメです!
(この商品はイオンに入っているKALDI COFFEE FARMで購入しました。)
最後は、
日本が産んだ世界に誇れる「和菓子」
![画像18](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19896859/picture_pc_cb44e5d4dfd0a5f8d9de241536973386.png?width=1200)
最近、大学チームのトレーニング後のエネルギー補給として流行りつつあるのが和菓子!
特に「あんこ」を使った羊羹や大福は最高な補食になってくれます。
写真の豆大福と草大福は1個あたり約264kcal、小倉ようかんは1個あたり445kcal、本煉ようかんは440kcalです。
和菓子で「あんこ」を使った物は、脂質がかなり少なく(1グラム以下)小豆からできているのでたんぱく質やミネラルも含まれています。
甘い物が好きな人には嬉しい補食ですよね!
(この商品はスギ薬局で購入しました。たまたま行ったら8%割引の日でラッキーでした。笑)
主に補食に取り入れられる5つを紹介してきましたが、まだまだ紹介したい「炭水化物(糖質)」はたくさんあります!
今後追記も考えていますので楽しみにしておいてください!
9.何からエネルギーを摂ればいいの?〜たんぱく質 編〜
前回の炭水化物(糖質)に続き、今回は「たんぱく質」を摂れる物を紹介していこうと思います!
主に「たんぱく質」は、
肉類・魚類・卵類・豆類・乳製品
から摂ることができます。
たんぱく質は、血液や筋肉、内臓などの体を作る主な成分になります。
人間にとってなくてはならない栄養素なのです。
1日にどれくらい摂る必要があるのかの目安に南アフリカ代表・スプリングボクスが出している資料を貼っておきます。
![画像19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21625282/picture_pc_54b55b8500633295c3af8b5ddb491bc9.jpg?width=1200)
ここにも書かれているように
体重1kgあたり2.0〜3.0g
が1日に必要となります。
もちろん個人差はあると思いますが、私としては2.5g/体重1kgが妥当な数字ではないかなと思っています。
今回は補食の紹介だけではなく「コストパフォーマンス」についても書いていこうと思います。せっかくならコスパが良い方が良いですよね!
コスパは「1円あたりのたんぱく質量」を出してみました。
何かのお役に立てればと思います。
それではいきましょう!!!
手軽にたんぱく質「プロテイン」
![画像20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20536524/picture_pc_a5336a2fb1b33632de77b90f9b814821.png?width=1200)
手軽に高いたんぱく質量を摂れるといえば「プロテイン」!
高校生ラガーマンは飲んだことがない人はいないんじゃないでしょうか。
サプリメントのメリットは、プロテインパウダーとシェイカーと水があればどこでも好きな時に飲めるという点とコスパが高いという点ではないでしょうか。
サプリメントは本当に便利ですが、メインは3食なのでそこはお忘れなく!
プロテインも最近では色々な商品が出てきていますね。国内製品に限らず、安価で手に入る海外製品もあります。
海外製品は安いというメリットがありますが、安全性でいうと「?」マークがつく場合があります。かといって絶対に海外製がダメではないですし、アンチドーピングのマークが付いていれば問題なく飲むことができます。
私自身は国内製品を飲むようにしています。
コンビニたんぱく質の定番「サラダチキン」
![画像21](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21683230/picture_pc_249db18907705a35e84b1163d382cea1.png?width=1200)
低糖質ダイエットが流行り始めてから人気が出はじめたコンビニの「サラダチキン」は高校生ラガーマンたちも買って食べたことがあるのではないでしょうか?
私も試合帯同の日に昼食を簡単に済ませないといけない時にはよく買って食べます。個人的にはファミリーマートのシリーズが味の種類が豊富で好きです。
1つでたんぱく質が24g摂れて、なおかつ低脂質!
無駄なカロリーを摂らず、たんぱく質を摂取するのにサラダチキンは最適ですね。
コスパはそれほど高くはありませんが、トレーニング後や小腹が空いた時の補食にはとてもいいと思います!
手軽に食べれる「魚肉ソーセージ」
![画像22](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21620585/picture_pc_c53a6557de7fc5283491f665063a6023.png?width=1200)
小さい頃によくおやつとし食べていた「おさかなのソーセージ」
手軽に食べれるので補食としてはとても便利ですね!
おさかなソーセージはたんぱく質だけではなく「カルシウム」も併せて取れるのがポイントです。
おさかなソーセージからは1本で350mgのカルシウムを摂ることができます!
ちなみに高校生年代で1日に必要なカルシウム量は800〜1,000mgと言われています。
1袋(3本)食べれば、たんぱく質は18.9g、カルシウムは1,050mg摂れる。
補食に取り入れると「一石二鳥」ですね!
Theたんぱく質「ゆで卵」
![画像23](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20699498/picture_pc_b04fdd59d356a29dd6d942e9fe5ff4a0.png?width=1200)
たんぱく質といえば「卵」
その中でも「ゆで卵」は、火も通っていて「生卵」よりたんぱく質の吸収が良くなっています。
(あ、卵は火を通した方がたんぱく質の吸収効率が上がるので覚えておいてくださいね!目玉焼きや煮卵なんかも良いですね!←これは知っているようで知らない話なので豆知識として)
コスパを考えてみましょう。
卵は1パック(10個入り)が約200円なので、1個あたり20円。
そして1個あたりのたんぱく質量が約6gなので、コスパを計算するとなんと1円あたりのたんぱく質量は0.3gになります!
コスパを考えるとゆで卵が最強かもしれない!
タンパク質界の隠れキャラ「ちくわ」
![画像24](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/20530208/picture_pc_426bff216cdc22068e53c19fde8b6385.png?width=1200)
意外と知られていないのが「ちくわ」です。
練り物の中で特にちくわは低価格・高たんぱく・低脂質の三拍子!
要冷蔵なのが欠点ではありますが、練習終わりの帰り道でコンビニに寄って買って食べると晩ご飯までのつなぎにもなるのでいいと思います。
個人的には調理されたちくわより、袋から出して食べるちくわが美味しく感じます!笑
たんぱく質は肉だけではない「サバ缶」
![画像25](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21621612/picture_pc_274a1dea093639164298a2a945d79f00.png?width=1200)
たんぱく質といえば肉!ってイメージが強いですが、魚も重要なたんぱく質を摂ることができる食材です。
サバ缶はたんぱく質だけではなく脂質も多く含まれていますが、良質な油なので脂質が高めでもそれほど気にしなくていいと思います(もちろん摂りすぎはダメ)。
みそ煮と水煮を比較すると、たんぱく質量とコスパはやや水煮の方が高い。
増量を目指す人はエネルギー量が多い味噌煮を選ぶといいでしょう!
魚からはDHAとEPAを摂ることができます。
この2つには、記憶力・集中力の維持、目の健康維持、アレルギーの予防・改善の効果があります。
厚生労働省によるとこの2つを合わせて1,000mg/1日に摂ると良いとされています。
写真の缶詰だと、
みそ煮:DHA 2,984mg / EPA 2,062mg (合計5,046mg)
水煮:DHA 3,400mg / EPA 1,555mg (合計4,955mg)
この量が含まれています。
肉だけではなく、魚からも積極的にたんぱく質を摂るようにしましょう!
*コストパフォーマンスに関しては、単純に1円あたりのたんぱく質量を出しただけですので「数字が低いからその物が悪い」ということにはなりません。それぞれに良さがあるのでそこをふまえて考えてみてください。
10.どこまで目指せばいいのか?増量の目標設定*更新
これまで増量の考え方や方法論などを書いてきましたが、増量をする上で最も大切な「目標値」について書いていきます。
まず全国レベルの高校生の身体形態(身長や体重など)を見ていきましょう!
細かなデータを小平 健太郎さんがまとめてくださっています。
小平さんが書かれている記事のデータはとても参考になるものなので、特に指導者は必ず読んでください!
記事の中から抜粋させていただき参考値にしていこうと思います。
参考記事はこちら↓
高校生ラガーマンなら誰しもが目指す「花園」!
その中でも正月を迎え、越えられるチームは一握りです。
そんな一握りの選手たちのデータを見ていきましょう!
![画像26](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/23493671/picture_pc_9ca37d659a7f7dbf4a83e9bab0bdd487.png?width=1200)
![画像27](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/23493755/picture_pc_13bf01ed68cdbe1e6b777428fbb8c1b7.png?width=1200)
全国大会出場選手の平均と比較して自分自身の身長・体重はどうでしたか?
この表はとてもわかりやすくまとめられています。
もちろんラグビーは身長・体重のサイズで決まるスポーツではありませんが、勝敗を分ける要員の1つであることは間違いありません。
体重だけを見てしまうと落とし穴にハマってしまいます!
表に書いてある身長も見ておくと良いでしょう。
ただ闇雲に体重だけを見て、増量していくとパフォーマンスが低下してしまう恐れもありますので注意しましょう!
11.増量したい選手に気をつけてほしいこと3選
オフシーズンに入った選手も多いのではないでしょうか?
中村的には「オフシーズン=増量に適した時期」だと考えています。
もちろん全く練習や試合がないわけではないと思いますが、それでも夏に比べると冬は増量に適してる時期だと思います。
そんなこれから「増量するぞ!」と意気込んでいる選手たちに気をつけてほしいこと3選をお伝えします。
それがこちら↓
1.明確な目標を持って増量すること
2.短期間で増量しようとしないこと
3.お腹が空いている時間を作らないこと
まず1つ目「明確な目標を持って増量すること」から解説していきましょう!
何をする時もそうですが「目標設定」はとても大切です。
ゴールがないと何をどうしたらいいのかわかりませんよね。
目標設定には付録についている体重基準表を使ってみてください!
2つ目「短期間で増量しようとしないこと」についてです。
監督やコーチから「いつまで(短期)に〜キロ増やしてこい!」と言われたことがある選手も多いのではないでしょうか?
ぶっちゃけて言うと短期間ですごい数字を言ってくる場合は聞き流しておいてください。(こんなこと言うと指導者に怒られるか…)
急激な増量にはリスクがあります。
・体脂肪の増加
・怪我のリスク増大
・パフォーマンスの低下
良いことがないと言っても過言ではありません。(むしろ、マイナスです!と言い切りたい…)
じゃあどれくらいが適切なの?時になりますよね。
だいたい1ヶ月間で
1.0〜1.5kg
が妥当かなと思います。
体脂肪をつけずに除脂肪体重(体脂肪以外の体重)を増やしていける範囲だと思います。
3つ目「お腹が空いている時間を作らないこと」についてです。
空腹は「増量の大敵」です!
なぜかというと「空腹を感じる≒エネルギー不足」だからです。
エネルギーが不足すると筋肉(筋タンパク)を分解してしまいます。
どれだけトレーニングを頑張っても栄養が足りていないと身体は大きくなりません。
だからこそ空腹の時間を作らず、常に「エネルギー満タン」な状態を作っておくことが重要です!
紹介した3つに気をつけて増量をしていきましょう!
おわりに〜最後に伝えたいこと〜
この記事を最後までお読みいただきありがとうございます。
私なりの考えと学んできたことを詰め込んで書いてきましたが、気がついたら12436字になっていました。(現段階で)
今回書いた記事が少しでも多くの高校生ラガーマンたちの役に立てると嬉しいです。
「おわりに」と書きましたが、多分まだまだ終わりません!笑
さらに記事の内容をアップグレードできるように学びと実践を積んでいき、さらに濃い内容をお届けできるように努力していきます。
内容がアップデートされた場合はTwitterでお知らせしますので、Twitterをフォローしておいてもらえればと思います。
高校生ラガーマンたちよ!
計画的に増量し、最強のフィジカルを手に入れろ!
<付録>
私の経験と取りためてきたデータから大学レベルにおけるFWとBKの体重基準表を作成しました!
大学でもラグビーを続ける高校生ラガーマンたちはこの表を参考にして体重の増量を考えてみてください!
トップレベルを目指したい・しっかりと目標を定めて体重を増やしたい選手にはこの基準表は役に立つと思います!
今後は大学レベルのポジション別や高校レベルの基準表も作成する予定ですのでお楽しみに!(一度購入すれば今後の付録の更新は全て見ることができます。)
それではこれより下に貼ってありますので気になる方はご購入ください!
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