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キャリアデザインすることは可能か

キャリアデザインとは「仕事上の自分の歩みを構想し計画すること」だ、と言われています。
これまでの日本社会のように長期間安定した社会構造では、キャリアデザインをすることは、ある程度可能だったと思われます。
特に社会で強い資格、弁護士や公認会計士などは、キャリアデザインできる可能性が高かったようですが、今日、「士業」と言わる仕事も社会の変化による大きな波に洗われています。
今のように変化が激しい社会では「士業」に限らずキャリアデザインすることはなかなか難しくなっているのではないでしょうか。

キャリアデザインを考える最初のタイミングは、新入社員で就職したときだと思われますが、実際には仕事を覚えた時期、入社3年目から5年目ごろではないでしょうか。
だいたい、このような仕事で自分の生活基盤を作れると感じられる時期でしょうか。
仕事の基盤を作るためには、理屈ぬきに、自分のために、猛烈に仕事をすることが大事だ、と私は考えています。

キャリアデザインをするとは、「長い時間幅からみた仕事生活のパターン意味づけ」とされています。
例えば、私は、営業職から総務人事職へ仕事を転換しましたが、営業職約11年間、それ以降は、ソニー子会社における総務人事職(約7年/経理3年を含む)で職業生活のパターンと意味を作ってきました。
営業職時代に感じた課題から、職種転換を図りましたが、総務人事の仕事の面白さや常に経営トップと経営方針の議論をしたり、経営方針に基づく組織運営をおこなうなど、自分が目指す仕事が可能でした。

自分が目指す仕事とは、現場サポートに徹する管理部門を確立し運営すること、さらにソニーのように経営管理が優れている企業を作るということでした。
このことが、私にとって「長い時間幅からみた仕事生活のパターン意味づけ」となっています。
そのことは、今も、またこれからも続くことを意味しています。

キャリアの問題だけでなく、人には、非連続的な節目を越えるときが重要だといわれています。
例えば、学生から社会人になったときに受ける「リアリティ・ショック」、自分で想像していた仕事や会社に対するイメージのギャップからくる節目、リーダーや管理職となり部下を育成しながら成果を求められる中期キャリアの節目、行く末がみえてくる中高年キャリアの節目、仕事以外では、恋愛や愛する者との離別などといった節目があります。
これ以外にも、人には沢山の節目があるでしょう。

私は、新入社員時代、同期の社員や2、3年上の先輩から話を聞くことで「リアリティ・ショック」を克服しました。
自分一人であれば、多分退職したと思います。
実際、同期の社員で一人で地方へ赴任した者は、早い時期に退職しました。
節目を越えるには、同世代とのインフォーマルな会話等、精神を安定させながら将来像をおぼろげながら垣間見ることが大切でしょうか。

中期キャリアの節目は、自分で考え抜き、勇気を出して行動することで克服してきました。
ある意味、偶然の所作であり、自分の運の強さを感じたものです。
他人と違うことをおこなう場合や社会一般の常識に捉われない思考と行動をおこなう場合、他の人たちとイメージや言葉の共有をすることは、なかなか難しいものがありました。
自分の心の中でイメージトレーニングをおこない、いささか常軌を逸していると思えるくらいの楽天的(バカ)な自分を信じ、夢を追う気持ちを持ち続け、その上で徹底した行動しかありません。

身内や世の中の理解などほとんどなにもないと思っておいたほうがよいでしょう。
あるのは自分の夢が現実なったとき、他人は信じるという「事実」があるだけです。
思考プロセスは、すべて自分の心の中で創られます。
日本人は、このような常軌を逸した物事の進め方に慣れていないのか、簡単に納得しません。
また、思考パターンが表層的であり、物事の本質をつかむ点において、ひどく弱いと感じています。
結果として、自分を信じると思える人が少ないのが日本社会の特徴なのかもわりません。

変わりたい、でも変われない。
いつまでも続く葛藤でしょうか。
でも、葛藤から何か生まれることはないでしょう。
自分を信じて行動することができる人だけが、自分を変えることができ、仕事を変え、企業を変えていきます。
なにも転職することだけではありません。
今の仕事のなかに、自分を変えていくきっかけは無数にあるのです。
キャリアデザインからみれば、転職は、そのきっかけのひとつでしかありません。

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