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未来を切り開く転職になるか

デジタル化は、よい面がたくさんありますが、他方、多くの情報を網羅的に提供しますから、問題もあるように思えます。
人間は、多くの情報を短時間で集約して、そのなかから自分にとって重要な情報を拾い出すことがなかなかできないのではないでしょうか。
仮に、できたとしても表層的な解を見出したにすぎなくもありません。
その意味で、ChatGPTは活用できるのかもわかりませんが、私には、その活用の有無は理解できていません。

現状では自分が、実際に置かれた環境と自分が取集した情報に乖離があればあるほど、人は不安をもつものでしょう。
自らの立ち位置に疑問を感じたりします。
私は疑問をもつことや違和感をもつことには賛成しています。
ただし、その疑問や違和感を解決するための行動を起こし、自ら実行していくといった経験がなければ、ただの問題や課題の収集家でしかありません。
今、このような収集家が多い時代だとも、私は思っています。

人間は、どういうわけか問題や課題をすぐに気がつくものです。
他方、転職情報などは、人が転職すれば自分がもっているキャリアに対する課題が解決するような情報の出し方をしているようにも思えます。
多くの人たちは、ここでミスをしているのかもわかりません。
転職後、他社で物事を改善や改革ができる人というのは、そもそも元いた企業において自ら問題や課題に挑戦して、その企業で結果を残しています。
結果を残すということは、疑問や違和感をもつこととは、格段にレベルが違います。
この点を理解していなければ、転職しても討ち死にするほかないでしょうか。

ひとつの企業における改革や改善などは、最低でも3年は必要でしょうか。
長いものは、10年単位で考え、まわりの社員を巻き込んで実行しますから、自分が構想して10年なんてこともありました。

経理の一般事務的な仕事でも100億円未満の企業であれば、きちんとやれるようになるまで3年程度はかかると思います。
私がみてきた範囲でいえば、中小企業ほど担当者の考え方で決めているような理解しがたい仕訳があったりします。
理由は、中小企業では担当者を指導できる専門職がいないため、その担当者に任せぱっぱなしという状況を多くみてきました。
本来であれば、専門的な指導ができる上司がいなければ、たとえ一般事務の仕事であっても、自らひとつひとつの取引とその企業における仕訳の関係について学び、さらにわからなければ顧問税理士に確認するなどして適正な仕訳をおこなっておかなければなりません。

大企業では、課長レベルなどの専門職が担当していますから、適正な会計処理がなされています。
一般事務の方は、このような実務をおこなうことで経理の基礎的な知識が身につきますが、中小企業ほど、このような点があいまいであり、言葉は悪いですが、いい加減な仕事になっています。
そのようななかで仕事をしている方が、大手企業などのようにしっかりとした仕事ができている企業へ転職する場合、大きく個人の認識が違ってきます。
おそらく入社された本人がもっとも驚くでしょう。
また、中小企業から大手企業へ転職は可能だと思われますが、自らがおこなっている仕事は、あくまで中小企業レベルの仕事だと認識し、正しい経理処理などを学ぶことがなければ、転職したが、その後、どのように仕事に対応していくかで大きな差がでます。
差が出るくらいならよいのですが、大企業における仕事内容や雰囲気についていけず退職する人を多くみてきました。
チャンスをつかんで、さらに転職した企業においてしっかりとした仕事をしていくために、事前の準備と努力は欠かせません。

もっとも、将来的にChatGPTなどのAIの精度があがってくれば、単純な経理作業は人間に代わってやってくれるようになるでしょう。
それでも精度があがって、専門的なレベルになるまでは、まだ時間がかかると思っています。
AIを作る側は、誇張して精度をうたってくるでしょうが、現在のITの活用状況から判断しても、まだ相応な時間はかかるでしょう。
他の国や企業がおこなっているかどうか知りませんが、もしラフな使い方をするのであれば、意外とはやく利用されるのかもわかりませんが。。。
この点で元伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎さんの話も参考になるでしょう。

現在、中小企業で経理などの仕事をしているのであれば、今は自ら進んで経理や会計の基本的な知識は、しっかりと取得しておくことが必要でしょう。
私も同じですが、経理の実務経験が少ない分、今でもわかないことがあれば、顧問の会計士から学びます。
自分のどこに弱点があるかわかっていますから、この点は常に謙虚に学ぶことを怠りません。

実際の実務環境をみてきた私には、きつい言い方ですが、できない人ほど学びません。
むしろできる人ほど真摯に学んでいたものです。
私のこれまでの歩みから大きなことは言えませんが、いたずらに転職を繰り返すよりは、今いる企業内でどこまで自らの実務能力を高めておくかが、自らの職業生活をつくっていくうえでは大切なことなのではないでしょうか。
仕事とは、問題や課題をみつけても、自らが行動して結果を残すことでしか、証明(評価)されません。
それができていない人が、どこの企業へいっても結果が伴わないのは、必然ではないでしょうか。。。



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