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【産学連携プログラム with コクヨ株式会社】 中高生による自分史上最高の文具アイデアとは?

今日はみんな大好き文房具をテーマに、文具メーカーコクヨ株式会社様(以下コクヨ)と連携して実施したワークショップ&コンテストをご紹介します!

どんなプログラム?

1975年の発売以来、シリーズ累計約34億冊を販売している「Campusノート」などを生み出しているコクヨ。数々のヒット商品を生み出す商品開発の裏には、日々の些細な困りごとのサインに気づき、解決していく姿勢があります。
今回は文具メーカーのコクヨとコラボし、商品開発の方々と一緒にアイデアの生み出し方を学び「じぶん史上最強のペンケース」を考えるアイデアコンテスト&ワークショップを開催しました。文具好きの生徒、商品開発に興味がある生徒、などなど、プログラムにアツい気持ちを持った合計30名の生徒が参加しました。
このプログラムでこだわったのは「自分視点」です。これまでにない革新的な商品やサービスを生み出していくのに有効だと考えられている「自分視点でのアイデア発想/ものづくり(アート思考)」の手法。プログラムを通して、自身にとっての困りごとや願いを発見し、それに基づいたアイデアの出し方を体験を通して参加生徒は学びました。

特別講師

特別講師のコクヨ株式会社の皆さん

今回の特別講師は、コクヨの文具開発部のみなさん。実際に「測量野帳」や「piiip(ピープ)」などの人気商品を開発された方々にプログラム設計アドバイザーや当日講師を務めていただきました。


プログラムの様子

day1:レクリエーション・逆算ワーク
角川ドワンゴ学園のワークショップに参加するのは今回が初めてという生徒も。
最初は少し緊張していた様子ですが、文房具にまつわる・お互いを知るゲームをしてだんだん打ち解けていきました。それぞれの文房具への愛が深く、お気に入り文具などを見せあっていました。
後半は「測量野帳」「piiip(ピープ)」の写真を見て、デザイン逆算ワークを行いました。商品の形や色、素材などから「いつ、どこで、誰が、どのように使う」商品かを想像してみるというもの。細かいところまで観察し、考えてもらいました。

「piiip(ピープ)」をテーマにしたデザイン逆算ワークのワークシート

day2:行動観察
待ちに待ったコクヨさんの品川オフィスに訪問!おしゃれなオフィスに生徒も大興奮。そんなオフィスにて、実際に社員さんから商品開発の方法を学んだり、10数個のペンケースを自分の主観に沿って分類したりしました。またコクヨさんが実際に大切にしている「行動観察」をテーマに、2グループに分かれて他の生徒たちが文具を使っている様子を観察し、発見をまとめました。
コンテストのテーマでもある「じぶん史上最高のペンケース」の設計を考えるうえで、
・ペンケースの分類:自分の「こだわり=WANT」のヒント
・行動観察:現状のペンケースの課題=「ニーズ」のヒント
を探していきました。
コクヨ社員さんからは「今やったような行動観察を自分に当てはめてやってみよう」というお題をもらい、生徒たちは苦労しながらも、アイデアを書き出していきました。

10数個のペンケースを自分の「こだわり/主観」に沿って分類していきます

また、休憩時間にはコクヨのショップでの買い物も楽しみました。文具好きが集まったプログラムだけあって、生徒もここだけしか見られないたくさんの文具に大興奮でした。

品川オフィスにある文具専門店「THE CAMPUS SHOP」

day3:実現したいアイデアのマッピング
day2で発見したこだわりやニーズをもとに、「こんな機能/デザインあったらいいな」と思うアイデアをマッピングしていきます。そして、自分の設計アイデアをまとめ、一人一人のアイデアを詰め込んだプロトタイピングシートを作成していきました。

とある生徒のシート。このように自分視点でペンケースへの願いや不具合を書き出していきます。

day4:プロトタイピングシートの仕上げ
5日目のコクヨさんへのプレゼンテーションに向けて、集まりたい生徒でプロトタイピングシートの仕上げを行いました。
素材や機能、デザインなどペンケースといっても考える観点はたくさんあります。お互いによりよいアイデアになるよう、スタッフもびっくりの斬新な観点でのフィードバックもたくさん飛び出し、生徒たちはアイデアをブラッシュアップしていきました。

とある生徒のメモ。アイデア出しの苦悩が伝わってきます。
生徒一人一人が最終的にこのようなプロトタイピングシートを仕上げました

day5:プレゼンテーション・中間講評
いよいよコクヨ社員さんへのプレゼンテーションです。それぞれ時間いっぱいプレゼンや質問をし、コンテストに向けてさらにブラッシュアップを進めました。実際のビジネス現場で活躍する方々の前でプレゼンをする機会はとても貴重で、少し緊張気味の生徒も。
ただ生徒の自分自身へのアイデアへのこだわりにコクヨさんも驚いた様子。
例えば「リサイクル可能なパーツを使いたいがそういった素材はあるか?」や「実際にファッションとしてのペンケースを考えた時に浮かない大きさはどれくらいなのか?」などなど、実際の制作過程のようなリアルなやりとりも見られました。

今回参加してくれた文具愛溢れる生徒たち

day6:コンテスト結果発表
いよいよみんなどきどきの結果発表!コンテストでは、なんとワークショップ参加者以外の一般応募の方も含め約50件の応募をいただきました。どれも本当に素敵なアイデアで、わくわくしてくるものばかりでした!
本当に素敵な作品たちばかりで、コクヨさんも非常に選考に悩んだとのことです。そんな中から、コクヨさんから最優秀賞をはじめとした各種賞を5名、コンテスト応募生徒の中から人気が高かった2名が、コンテスト受賞者となりました!
受賞した生徒たちのアイデアには「悔しいけど自分にはそんな発想はなかった」「これが売ってたら買う」などの称賛の声が他の生徒からは贈られ、受賞した生徒たちもとても嬉しそうでした。

ここでは、一部受賞アイデアをご紹介いたします。

受賞作品:ADHDの人の困りごとを解決する機能のついたペンケース
受賞作品:いつでも取り出し可能な「ストラップ付ペンケース」
受賞作品:ファッションとして使えるペンケース「casetume」

day7:振り返り
ここまでのワークショップやコンテストを振り返り、グループで最後の振り返りをしました。それぞれやりきった生徒や、本気で頑張ったからこそ受賞できなかった悔しさを語ってくれました。

とある参加生徒の振り返りシート。たくさんの学びがあったことが想像できます!

参加してくれた生徒たちの感想

参加生徒からのアンケートを一部共有します!
・初めての長期ワークショップ&校外学習だったので、緊張していたけど学びもたくさんあったし、今後の自分自身の生活に活かせそうなこともたくさん聞けたので参加してよかったと思う。
・自分のアイデアを他の人に伝える難しさと楽しさにきづけました。
・コンテスト受賞作品のアイデアはどれも斬新で意外性があり、またイラストがとてもわかりやすいという共通点があると気づくことができました。今後アイデアを考えたりプロトタイプを作成したりするときは、この点に意識を置いてみたいです。
・コクヨのオフィスは綺麗で社員さん達もすごくキラキラしていて、将来コクヨで働いてみたいと思いました!

終わりに

今回の生徒のプロトタイピングを見て、コクヨの社員の皆さんからも「今回参加生徒が体験してくれたプロセスは、商品開発のプロセスのエッセンスそのもの。そんな経験をした参加生徒の最終アウトプットは、斬新なアイデアや面白い考えも多く、選考自体もとても面白かったです」というお言葉をいただきました。

「コクヨさんに将来就職したい!」
「商品開発の面白さを知った。自分のアイデアをもっと形にしたい」
など、ワークショップを通して自分の将来を考え直すきっかけになった生徒も多かったようです。

角川ドワンゴ学園では、今後もさまざまな企業や団体の方と連携して、生徒の能力開発や社会接続のため、リアルな仕事を体験できるようなプログラムを提供していく予定です。ご関心のある企業様や団体様はぜひご連絡をお待ちしております。