見出し画像

【こまった部下】「もしかして発達障害…?」そんな時の話

久々の更新です。以前の流れで続きを書くつもりでしたが、最近思うことがあったので、今日はそちらを。

いま困っている人に寄り添えればと思い筆を取りますが、私は発達障害の専門家ではありません。わたしの文章は参考程度にしていただいて、末尾に私と友人の一助になった書籍の紹介をさせてください。

「こまった部下」の話

半年ほど前からでしょうか。

友人から「聞いてよ、私の部下がさ〜」と、部下の『やっちまったなぁ!』なミスや失敗談を笑い話として報告するLINEが来るようになりました。

最初は私も「あぁー、あるよね!そういうこと!」と失敗あるあるの話として聞いていました。

が、ある時期を境に友人の様子が変わります。

「Kくんに日本語が通じている気がしない」
※Kくん=件の部下。20代男性。

たとえば、

Kくんが仕事に関して意見を求めてきた。
「例えるならこんな時にこうなる感じかなー」と伝えると、
「それは本題ではどういうことになりますか?」
 =たとえ話がまるで通じていない

とか、

Kくんに仕事を任せたのに、
「明日は休みなのであとはお願いします」
と仕事を放り投げて、知らぬ間に帰宅してしまった。友人はそのあと残業して仕事を仕上げたが、休み明けも彼から謝罪の言葉は無し。というより気にしていない様子で驚いた。

とか、

Kくんが社外の人に、丁寧なんだけど失礼な言葉遣いでメールを送ってしまった。この言葉遣いは良くないと伝えたら
「何が失礼なのかわかりません」

などなど。

例え話が伝わらない。人がどう感じるかを想像できない。etc…ふむ。

もしかしてその部下くんって・・・

いやね、わからないよ。わからないけど、

自らの発達障害傾向を自覚し、発達障害について調べまくった身からすると、ちょっと思ってしまう「もしかして私のお仲間…?」。

その他もろもろの失敗談をいくつ聞いても「私もやりかねない」失敗ばかりで、その行動を取ってしまうKくんの気持ちが分からなくはない。でも、上司である友人は発達障害について詳しいわけではないし、やっぱり「Kくんが理解できない…」。そうだよねぇ。。。

わたしは"ADHD(注意欠如・多動症)"の傾向の方が強いですが、ASD(自閉スペクトラム症)の傾向も持っていると思っています。Kくんに感じたのは、ASDとしての近しい感覚。会ったことはないのでわからないですが、そんな印象を受けた、という話です。

まずは上司が理解する

さて、こんな状況が目の前にあった時、私は、友人は、どうしたらいいのでしょう。

まず絶対NGなのは、Kくんに向かって直接「あんた発達障害なのよ!!」と言い放つこと。

お医者さんでもないのに、発達障害の診断はできない。
まして揶揄(やゆ)する言葉として放つなんて言語道断。

私自身、学生時代に「ADHD!」と言われてひとり苦しんだ身なので、それはダメ絶対!
※その頃の話↓

まずは上司である友人に「発達障害」を知ってもらい、部下のKくんがその特性に当てはまりそうなのか検討してもらうのがよさそうです。

私は、友人に発達障害の本を貸し、「Kくんが「障害」と診断が出るかは分からない。でも、この本に事例として出てくる人とKくんの様子が似ているから、接し方の参考になるかもしれない」と伝えました。

「そうかもしれない」と思ったら

本を読んだ友人の返事は「たしかにKくん結構当てはまるかも」。

そうかそうか。そう思えたらできることはただひとつ。

「発達障害かはわからないけど、そんな感じの特性をもってる人として接する」

これです。

一応伝えておくと、これは差別とか嫌がらせとかそういうことではない。

早食いでいつも胃もたれしている人に
「よく噛んで食べると消化にいいみたいだよ」
と伝える。

やさしいんだけど
自分の意見をなかなか言えない人に
「◯◯ちゃんはどんな感じ?」と意見を促す。

それと同じ感覚です。

うっかりミスが多いならチェックリストを作ればいい。
例え話が通じないなら、例え話を使わなければいい。
人の気持ちを想像できないのは…パターンとして覚えてみるとかね。

部下の働きやすい環境を作ることで、結果的に上司の負担が少なくなると思われます。

とはいえ、限界がある。

限界はあります。上司も人間です。サポートして、フォローして、の繰り返しは疲れてしまいます。

そして、所属先が企業である以上、長い目で見ても生産性があがらないようであれば、取るべき手段は変わってくるはず。

「困った同僚」「もしかして発達障害?」の問題って、結局は「誰かが何とかしてあげられる」ことではなく、本人が自覚して、本人が工夫(場合によっては通院などを)しないと解決は難しいのではと感じます。

もし、「本人に自覚してほしい」と思った時には、産業医への相談を勧める方法があります。「困った同僚」は、本人自身も困っていることが多いようです。産業医はメンタルヘルスについての相談にも乗ってくれるので、「困っていることがあるなら相談してみよう」と促しやすいかと思います。産業医についてここでは詳しく触れませんが、相談方法はネット検索で見つけられます。

困っている理由を本人が見つけられたなら、本人と一緒に課題解決に取り組むことが可能です。それはきっと、本人も、周りも、生きやすくなるきっかけになるはずです。

画像1

というひとつの考え方が認知されたらいいのに。

困った同僚のことって「あいつは本当に困った奴だ」で終わってしまうケースもあると思います。それでは誰も得をしない、状況が変わらない。「困った奴だ」の言葉の次にできることがある。それがたくさんの人に伝わって、生きやすい人がもっと増えたらいいなと思います。

本田秀夫先生のこの本は、とても分かりやすく、発達障害について前向きな気持ちが生まれます。身近に発達障害らしき人がいる方はもちろん、当事者の方にもおすすめです。私は感銘を受けすぎて講演会にも足を運びました。本田先生の考え方がステキなので、もっと知りたい方はぜひ。


書籍購入ほか活動費にあてさせていただきます。