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祝・第10回!「NRIハッカソン」の裏側と運営の想い


はじめに

NRIデジタルのアプリケーションデベロップメント所属の萩村です。本稿では普段の仕事の話ではなく、ほぼ私のライフワークと化した「NRIハッカソン」の運営について、お話ししたいと思います。私はNRIハッカソンの運営事務局メンバーの1人で、第6回~第10回までを主に担当してきました。2023年11月に第10回が無事終了したことを受けて、その振り返りや運営の想いについてお伝えします。
(執筆:NRIデジタル 萩村卓也)

NRIハッカソンとは?

名前の通り野村総合研究所(NRI)が主催するハッカソンイベントで、2013年度にスタートし、2023年度に第10回を迎えました。内容は、当初のオープンイノベーションの取り組みから紆余曲折を経て、今はプロダクト開発だけでなく、参加者同士やテーマに関係する人達、開催地の地域などの間でさまざまな交流を深める「ハッカソン×ミートアップ」のイベントに進化しています。

※ちなみにハッカソンとは、決められた期間内でテーマに沿ったプロダクト開発を行うイベントです

なぜこのイベントを?

やはりイベントの目的として大きいのは

  • アイデアを創る・モノを作る楽しさに気づく

  • アイデアを創る・モノを作る人を社内外関係なく増やす

でしょうか。これは、NRIのコーポレート・ステートメント「未来創発」に近いところがありまして、ハッカソンイベントを通じて新しいモノ・コトをつくる人を発掘して増やせればと考えています。
あと最近意識的に追加したものとして、

  • 現場を知る

があります。百聞は一見にしかず、テーマや課題のためのモノづくりであれば、現場に行って、それをよく理解することが大事と考え、現場にいくフィールドワークを積極的にハッカソンに取り入れています。

イベントの準備とプログラム設計

テーマはどう決まる?

よく「毎年テーマってどのように決めているのですか?」と聞かれるのですが、実は運営事務局の一存で決めています。
もちろんノリと勢いだけで決めているのではなく、社会的に注目されている、事務局としても興味がある、イベントとして盛り上がりそう、など色々なことを考慮して決めています。
今回のテーマ「旅 -Trip -」についても、世間ではコロナが落ち着いて旅行者が回復してきた(これから伸びるはず)、旅という誰にとっても身近なお題、空港の近くでなんなら空港で開催できたら盛り上がるのではないか、と事務局内で議論して決まりました。

プログラム設計の難しさと工夫

テーマを決めた後が大変でして、難しいのが「開催日」と「プログラム」を設計するのが本当に大変なのです。
何が大変かと言うと、

  • モノづくりの「楽しさ」と課題解決としての「難しさ」のバランス

  • 運営として「盛り込みたい要素」と「時間の制約」とのトレードオフ

につきます。

単純に面白おかしく「こうやったら面白い」「こうやったら笑える」という方向性でイベントを開催することは可能ですが、NRIハッカソンで目指しているところとは違います。テーマや課題に沿って、それを抱える人々にとって解決につながるプロダクトをつくってほしいと考えています。
一方で、課題解決のためのガチガチのお堅いプログラムでは、イベントの目的である「アイデアを創る・モノを作る楽しさに気づく」ができるのだっけ?と事務局の中でいつも議論になります。
議論の中で、アレをやればいい、コレをプログラムに入れよう、となりますが、開催期間内にどう収めるかで、また議論が紛糾します。ハッカソンは通常土日の2日間開催が多いのですが、それだと詰め込みすぎてモノづくりする時間が足りないだろう、とか、いっそ開催期間を伸ばすか?そうすると参加者が集まるかどうか?とか、喧々諤々の議論でプログラムが組まれます。

上記のようなことを繰り返し、今の事務局がたどり着いた着地点としては、

  • 参加者にテーマや課題に直接触れてもらって、解決へのモチベーションを高めてもらう(解決したいと思ってもらう) → フィールドワークの実施

  • チーム対抗ではあるもののイベントとして一体感を生むための小イベントを挟む → フォトコンテスト・クイズ大会などの全員参加型企画を組み込む

  • プロダクト開発の時間確保とフィールドワークのような盛り上げ企画の時間確保をバランスよく行う → 3連休を使った3日間開催

です。
このような工夫をこらしながら、事務局メンバーで大会を企画・運営しています!

第10回NRIハッカソンの様子

タイムスケジュールはざっくり、

  • 1日目朝:テーマに関するインプット

  • 1日目昼:アイデア出し

  • 1日目夕以降:フィールドワーク

  • 2日目:開発時間を中心に少しの盛り上げイベント

  • 3日目:成果発表

という流れでした。

第10回NRIハッカソンのタイムスケジュール

大会の様子

1日目はテーマ「旅」に関して、有識者・当事者の方々からインプットいただきました。その後、イベント会場となった大田区を題材に、「旅×大田区」で大田区を盛り上げるアイデアを考えてもらいました。

講演という形でまずは全体感をインプット
その後、個別に深掘りの時間を設けて深く理解

続いて、みんなでアイデア出しワークショップを行いました。

アイデア出しワークはmiroをつかってオンライン上で実施
チームに別れてアイデアを固める

夕方以降は、聞いた話と考えたアイデアを持ってチームごとに現地フィールドワークです。

大田区の文化の1つである「銭湯」を知るため現地へ
同じく大田区といえばの1つ「羽田空港」を知るため空港にいく参加者
羽田空港からも近い京浜蒲田商店街を探索

2日目はひたすら開発のための時間を設けて、チームごとでプロダクト開発に取り組んでもらいました。

チームで議論しながら開発
うまく動作することを祈るチーム
集中して会場利用時間のギリギリまで開発する人も

最終日は、この3日間でつくったプロダクトの成果を発表してもらいました。

自分たちのプロダクトの魅力を力説
実際に作成したプロダクトのデモの様子
ARを駆使した驚きのプレゼンも

個人的な所感

私は第6回(2018年)から運営に携わっているのですが、技術進化とともにハッカソンで作られるプロダクトの”質”と”形”が変わってきたなと感じています。特に今回は、生成AIが与えるインパクトが大きく、デザイナーがチームにいる優位性はかなり薄くなったのではないかと感じています。(あくまで私の所感です)

ハッカソンで作られるプロダクトの領域と移り変わりのイメージ(著者作)

こうした技術進化と共にその使い方や出てくるアイデアの違いを感じられるのも、事務局として面白いところだったりします。

NRIハッカソンを10回も続けられたことに、事務局の仲間やこれまで協力してくださった周りの方々に本当に感謝しています。ありがとうございました。
また来年も開催できればと思いますので、ご興味ある方は是非ご参加ください。運営事務局メンバーも大募集中です!

最後は全員集合!お疲れ様でした!

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