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ep.19 親友と縁を切った話 後編



ep.17、18『親友と縁を切った話』の続きです。↓
(前編中編も良かったらぜひ)




社会人一年目の途中で適応障害になり休職→異動をしてすぐの頃。



とにかく新しい環境の中で再発しないように気をつけながら生きていくことに必死で人と遊んだり連絡をとったりなんてしている心の余裕がなかった私は、
休職中にAちゃんに会った時、別れ際最後に言った

「異動先のシフトが分かったら連絡するよ」

いう言葉をすっかり忘れて、連絡をせずにひたすら仕事をしていました。




気づけばそのまま何ヶ月も経っていて、仕事にも慣れてきて、プライベートで人と会う余裕が出てきて、何人かの友達と仕事終わりや休日に遊ぶことができるようになった頃、Aちゃんの誕生日が近くなったことをふと思い出し、しばらく連絡をとっていなかったから、と軽い気持ちでAちゃんに連絡しようと思いました。
あ〜LINEしてなかった、申し訳ない。LINEしなきゃ
それくらいの気持ちで、

『お誕生日おめでとう!素敵な一年を。連絡全然出来ていなくてごめんね、ちょっと異動してからバタバタしていて余裕なかった、ごめん!遊べる時あるかな?』

くらいのLINEを送りました。



しばらくして既読がつきましたが、既読がついたらすぐに来ていた返信は、結局それから1日経っても来ず、なんかあったのかな?と思いましたが、私も自分の生活にいっぱいいっぱいであまり気にしていませんでした。




Aちゃんから返信があったのはそれから3日後の夜でした。
内容は、連絡先を消してしまったので残っておらず、記憶が定かではないのですが、
「連絡くれるのをずっと待っていたんだよ、何で連絡してくれなかったの?」と書いてあり、
その後、連絡をすることを忘れていた私への怒りや、どうせ連絡してこなかったのも、彼氏を優先させていたんでしょう、といった感じの内容が続き、高校生の頃のこの時の態度が嫌だった、とか、とにかくあまり思い出したくないような罵詈雑言が3スクロールくらいでばーっと綴られており、
そして文の終わりには「私はもう会いたくない」と書かれていました。




知らない間に酷いことをしてしまった、とハッとしました。どうにか弁明しようとしたけれど、忘れていたことは事実だし、現在の自分の中でのAちゃんが占めるウェイトが減っていて、忘れるほどになっていたことも事実だと思ってしまったのです。別に彼氏がどうこうで連絡が遅くなったわけではない、という誤解されている部分以外は弁明の仕様がありませんでした。
やらかした、と思いました。
大人になってからの喧嘩は、小学生の頃のそれとは全然違って、もう戻れない大きな溝を生みやすい、これも、多分戻れる喧嘩ではない、何となくそう思い、そして、引き留めようという気持ちがない自分の心の変化にも気づいてしまったのです。なんだか悲しい。




結局、多分今何を言っても私へのヘイトが強いAちゃんには響かないな、と私も諦めてしまい、
彼氏を優先して連絡を忘れていたわけでは無く、仕事の復職→異動の流れで余裕がなくて連絡をし忘れてしまっていたという事実と本当にごめんね、と謝罪だけ送りました。




わりとすぐ既読がつき、

「とにかく今は連絡とりたくないし会いたくない」

とだけ返信がきました。




仕事以外でこんな誰かにストレートにキツいと感じてしまうような言葉を投げつけられたのはいつぶりだろう、というくらい久しぶりの感覚、そしてそれは子供の頃の喧嘩で言われるのとは比べ物にならないくらいの本気のそれでした。



でも、もう あれこれ弁明するのも、言い訳を並べるのも、許してもらおうと頑張ることも、もう、いいかなと思ってしまった。それが全てでした。
大学生になってから少しずつズレていった私達の生き方や考え方は、多分戻れないところまできてしまったんだな、と思いました。






私も


「分かった、じゃあ私からは連絡しないよ。もし、気持ちが変わったりしたらまた連絡くれたらお話しよう。」






とだけ返信して、私とAちゃんの縁は切れました。








それから3、4年経ちましたが、Aちゃんから連絡がくることは一度もありませんでした。
きっと、これからも連絡がくることはないと思います。


Aちゃんに限った話ではないですが、私は基本自分から遊びに誘う側の人間で、人から誘われることは普段から少ないです。思い返せば、Aちゃんも、いつも私から遊びの誘いをしていたし、社会人になってからも私から連絡をすれば必ず返してくれていたけれど、Aちゃんから連絡を貰ったことはありませんでした。
どうしても、あの時私が連絡を忘れていたなら、一言
「そういえばシフトどうなった?」とか何でもいいから声をかけてくれたら良かったのに、と後から思ってしまう自分がいて、自分のことがちょっと嫌になりました。





結局私も 結婚したこと、結婚式を挙げること、仕事を変えたこと、その全てをAちゃんには一切伝えていません。





どんなに会えていなくても毎年0時ぴったりにおめでとうと長文でメッセージを送っていた誕生日恒例のLINEのやり取りもそれ以降なくなりました。
寂しいけれど、大人になると簡単に人との縁は切れると実感するしかありませんでした。






今Aちゃんがどこで何をしているのかは知りませんが、元気でいてくれたら良いな、と思います。
縁は切れてしまったし、後味が悪い別れになってしまったけれど、私の高校生活が楽しかったのは間違いなくAちゃんのおかげなので、感謝の気持ちは忘れないでいたいな、と思います。
そして、ごめんね。



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