このことは東近江市長だけに言いたいのではない
おはようございます、三科です。
今日は、クソみたいなニュースが飛び込んできたのでその件について。
さらに詳しいものはこちら。
昨日の夕方ごろから色んな人や関係者・記者から連絡があり、詳しく調べてみれば黙っていてはいけないと思い記事にします。
とはいえ、専門的なことは既にその道の方々が発言しておられるので僕は主にフリースクール側からの想いと、いつもの感情むき出しの下手な文章を担当します。
記事を見た瞬間、「は?こいつ何言ってんの?」と思わず口にしてしまいました。
憲法とか文科省の通知とか教育機会確保法についての間違いだらけの認識について、もうツッコミどころが多すぎるのでいちいち説明しませんが、この「(子どもが)不登校になる大半の責任は親に」という部分が最も腹立たしくて終わってる発言だと感じています。
このnoteでもホームページでも何度も何度も言ってきましたが、フリースクールを15年開いてきて数百人のお母さんや不登校の子どもに逢ってきましたが、ただの一度も「不登校は自己責任」と思ったことも感じたこともありません。
ただ、こういった発言は残念ながらこの東近江市長だけの発言ではありません。
「親の責任」だの「フリースクールは安易に考えちゃいかん」だの言っていますが、色んな場面でこのような発言をされたり、不登校に対する偏見や差別だと感じることはたくさんあります。
学校や地域から、「子どもが学校に行かないのはお母さんが甘やかせてるからでしょ!」「無理やりにでも学校に連れてきてください!」「そんなんじゃその子は大人になれないよ!」などと、全く意味のない脅しを受けたことが一度もないお母さんの方が圧倒的に少ないのではないでしょうか。
子どもは子どもで、「皆ができてるのになんで○○はできないの?」だの「そんなことじゃ社会で通用しないぞ!」と言われ続けます。
どこの誰がそんな状況で自尊心や自信や将来への希望を見出せんねん。できるわけないやろ、そんなこと。
また、例えば近隣他市の教職員研修に講師として招いていただいた際、先生から「フリースクールを紹介したいけども、一度それを許すともう学校に戻ってこなくなるかもと不安になる」「フリースクールの存在をお母さんに伝えると、学校から見放されたと思われるのではないか」などの質問をいただくこともよくあります。必ずと言ってもいいです。
その度に、「もっと早くフリースクールを知りたかった」「ここのことを知ってたら、あんな地獄を味わうこともなかったかもしれへんって思うねん」と子どもやお母さんに言われたことを伝えます。
その度に本当に申し訳なくなる。
フリースクールを運営している側として、爪が手のひらに食い込むくらいぎゅっと手を握り締め、歯を食いしばらないとその現実を受け入れることができなくなります。
「ごめんな」と小さな声で謝ることしかできません。
そういった現実や、教育機会確保法や文科省の通知の中の「情報提供」の部分を先生方には丁寧にお伝えをします。
焦らず一つひとつ、先生方と一緒に不登校の親子のためにできることを重ねています。
その矢先でのこのニュースです。
「お前のそのクソみたいな発言が不登校の親子を地獄に落とし、オレたちがしてきたことを振り出しに戻しかねへんねんぞ」と直接言ってやりたい。
僕たちが運営をしている4つのフリースクールのうち3つを吹田市に構えています。
ずっと吹田市に要望してきた「特別支援学級に在籍している子の適応指導教室(教育支援センター)の利用」と「フリースクールに通う家庭のための金銭的支援(条件あり)」がようやく来年度から実現します。
不登校の親子が被る社会的不利益や差別・偏見は、まだまだそんなことだけでは解決できませんが、一歩一歩着実に前に進んでいると感じていた矢先でもありました。
一方で、僕はフリースクール側にも丁寧に行政側に歩み寄ることが必要だとも感じています。
行政の皆さんとオフレコで話しをしていると、どうしても「怪しいフリースクール」の話題になります。
今までの歴史に加え、残念ながらフリースクールへの信頼はないに等しいとさえ感じています。自分たちも同じです。
そんな中で、一緒に子どもたちの未来を考えるパートナーとして歩んでいくことはとてもハードルの高いことです。
裏で色んな利害関係があったり、子どもの人権を無視していたり、宗教や政治が絡んでいたり。
入学するのに何かを買わされるなんて条件があるところも存在するそうなので、もはや何を以て安心できるフリースクールかを判断することは難しいのが現状です。
だからこそ、こういった東近江市長のような考えが蔓延っているのもおかしくないという前提で(もちろん許されることでも肯定されることでもありません)、僕が大嫌いな「タイワ」を丁寧に続ける一方で、しっかり「お前とんでもないこと言うてもーたなー!」と声を上げる必要もあるわけです。
滋賀県でがんばっているフリースクールの若者たちが署名を集めています。
よければご協力ください。
編集後記:
うちのフリースクールに通う中学3年生の女の子。
来年で「ここ」を卒業するのが感慨深く、「○○も卒業かー」と言うと、「もっと早く「ここ」に行っときたかった―」というので、「お前もかー。それ言われるともう謝ることしかできひんねんなー」と伝えると、まっすぐこっちを見て、「もっっっっっと!!!はやく!!!「ここ」に来たかったぁぁぁぁぁ!!!!」と言われました。く、くそー…
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
よろしければサポートをお願いします。フリースクールの活動費の一部として大切に使わせていただきます。