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【中学生×大人】自分の未来を考えるワークショップ

6月28日(金)、玉野市内の中学校で2年生を対象としたワークショップを実施しました。2学期に控えているチャレンジワーク(職場体験学習)に向けて、中学生の皆さんが働くことや大人になることについてイメージを膨らませていくステップとして今回のワークを実施。
中学2年生32名(当日参加人数)の生徒の皆さんに対し、8名の大人の方々にご協力いただきました。

当日ワーク

導入① ペーパータワー

中学生4〜5名に大人の方1名が加わったグループを作り、まずはアイスブレイクのゲームから。各グループにある新聞紙とテープだけを使って制限時間内にどれだけ高いタワーを作れるか勝負です。四角い土台を作って積み上げたり、火の見櫓のように骨組みを作ったりと、あれこれアイデアを出しながら手を動かしていきます。他のグループに負けるまいと、中学生も大人も必死でした!笑 

導入② 昨日の自分を形にすると?

自己紹介の前に「昨日の自分のテンション」をモールを使って形に表していきます。これは、ワークの中で自分の考えや状態を自由に表現できるよう、ウォーミングアップの意図があります。矢印や星、螺旋、小さい丸など思い思いの形を作っていきます。中学生のみなさんはこの日の午前中まで期末テストだったようで、勉強漬けでへとへとだったことを表現していた人が多くいました。

準備ができたら、モールと名札を持って会場内をうろうろ。中学生は大人の人とペア(または3人組)を作り、名前とモールで作った昨日の自分について自己紹介をしていきます。メインワークの中でも同じようにグループを解体して大人の人と話す場面があるため、いろいろな人と話す動作の練習も兼ねています。3人の大人の人と話せたら元の席に戻っていきます。

グループで自己紹介

・今日呼ばれたい名前
・普段何してる?
・昨日の自分のテンション
の3つについて、グループの中でも自己紹介をします。ワーク②で大人が入れ替わっていく場面がありますが、初めに座っているグループがワーク①と③を一緒に過ごすホームグループとなります。

ワーク① 10年後の自分を想像してみる

まずは真っ新な状態で「10年後、どんな自分になりたいか」というお題について考えます。文字ではなく、「〇△□×」だけで表現して書いたことを、グループの中で共有していきます。

ワーク② 大人の生き方に触れる

大人の人には、事前オリエンテーションの時間に「人生グラフ」を作成していただきました。横軸が時間(年齢)、縦軸がテンションで、それぞれの人生の中でのターニングポイントを交えた人生の物語が詰まっていて、中学生は、自分の想像する未来と比較しながら聞きます。人生グラフをもとに大人から話す時間4分、中学生から質問する時間4分の、合計8分を1ターンとして、大人が入れ替わり合計3ターン行います。

各グループには、大人への問いのヒントとして質問シートを1枚ずつ置いていました。これは、中学生を対象に実施した事前アンケートの中で、「大人の人に聞いてみたいこと」の項目で上がっていた回答をもとにつくっています。


ワーク③ 自分の生き方を考える

3人の大人の人生グラフについて聞いたあと、いま一度初めに書いた「10年後、どんな自分になりたいか」について整理時間を取ります。自分のノートに書き加えたいことや、もう一度書き直したいことを整理をします。

そのノートを持って再び会場内で大人の人とペアを作り、今の自分の考えをシェアします。中には初めに書いたことと、人生グラフを聞いてから少し考えが変わったという人もいました。

ある中学生は自分の10年後を『今の悩みや不安がなくなっている状態』と描いていたところ、人生グラフについて聞いてからは『悩みや不安はきっと10年後も色々あるけど、それも一緒に楽しんでいる自分』に変わったと話していました。

ここまでのワークの中で様々な人と10年後の未来について話してみて、自分の人生の中で大事にしたいことが少しずつ見えてきたのではないかと思います。『"自分の考えで「変わったこと」や「変わらなかったこと」は何ですか?"』というテーマについて考え、ホームグループの中でシェアしました。

チェックアウト

最後にワークのまとめとして、『なりたい未来に近づくために、どんなことから始めたい?』という問いで、自分がこれからやりたいことをノートに書いて宣言します。

中学生の感想

  • 大人の人はひとりひとり今は幸せそうって思っていた部分もあったけ
    ど、人生グラフを見てみると、子供の頃や大人になってからもつら
    かった時期や大変なことがあって、それぞれが苦労してきての今があ
    るんだなって思ったこと。

  • 大人と接したとき(新聞でタワーを作ったときなど)に、意外と親
    しみやすいと思いました。イメージが変わりました。

  • 色んな人の話を聞けてこういう人生を歩んでるんだ!って自分と一
    致しているところとか違うところが色々あって楽しかったし勉強に
    なった

  • 同じ質問(将来の夢がない場合はどうしたらいいですか?)をしたと
    き、大人でも一人ひとり違う答えだったので、大人でも考え方が違
    う人がいるということ。

中学生の事前事後アンケートの結果、「大人への信頼」と「未知の事柄に対しての挑戦意欲」についての項目で肯定的な回答が増加し、否定的な回答が大幅に減少していました。親でも先生でもない大人との関わりによって大人への信頼が高まり、自分の未来に対しても前向きな気持ちに変化していった生徒の意識変容の様子が現れていました。

実践後記

今回のワークでは、「初対面の人と関わる機会が少なく、積極的なコミュニケーションが少ない」という生徒の実態から、非言語のコミュニケーションで関わりをもつことができるよう構成していきました。
しかし、実際の中学生の姿からはコミュニケーションに対する不安を感じず、大人の姿から学びとろうとするまっすぐな姿勢が見られたことが印象的でした。感想や意識変容からも見て取れるように、中学生にとって「大人」という存在をぐっと身近に感じるきっかけになったのかもしれません。


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