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【感想紹介】境を越えてフォーラム2023

6月に開催された境を越えてフォーラム2023『介助者だって当事者だ。Vol.3』
季節もすっかり変わってしまいましたが・・・
今回は、参加者アンケートと登壇者からの感想をご紹介します。
これを踏まえて現在、次回のイベントに向けての話し合いも始まっています!
4回目も、乞うご期待!!

また、改めて開催にあたりご協力くださった皆さまに、感謝申し上げます。
皆さまのお声は、励みや改善点としてしっかりと活かしていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。


イベント概要


全体の感想〈参加者アンケートより〉

・このような重度訪問の当事者はもちろん介助者もメインにするイベントは他になく、会場配信含めて200人近い人が参加との事はそれだけ「この場」を求めている人がいるという表れだと感じます。私もその1人です。次回も今から楽しみです。
・一番大切なのは現場の声。
・発表の方が本音で語っていた。
・当事者の「生きる」ということ、その現実を真正面から捉えた企画だった。
・介助者も当事者という考え方が、とても新鮮で、まさに境を越えた考え方だと思った。
・当事者ですが、納得のいく内容が多かったから。

参加者アンケートより抜粋


セッションごとの振り返り

オープニングトーク

  • 登壇者より

【小田さん】
介助者だって当事者だというフレーズが身にしみるイベントでした。年数を経て参加するたびに、自分の中でも、このフレーズが板についてきました。
介助者、当事者、そこの境も越えてお互いに楽しめる会になり、私も毎年学びの場になっております。
このイベントを経るたびに、成長した自分があり、自分の世界が広がっているのを感じております。
また皆さんと学び、そしてさらに成長した自分と出会える日を楽しみにしております。
介助者とともに人生を楽しめることに日々感謝です。皆様有難うございました。

振り返りより


『Youはどうして介助者に?』

  • 登壇者より

【山下さん】
登壇は初めてで緊張しました。(ケアに入っている)増田さんも前で見ていたし。介助者として、一緒だった2人ともイベント内外で話せたし、刺激的でした!

振り返りより
  • 参加者より

・まだヘルパーになり日が浅かったので、介助者同士のトークパートでは共感出来る部分があった。色々な思いで介助者として勤めている方の貴重な話が聞けて良かった。

参加者アンケートより抜粋

★木佐貫さんが、職場の研修レポートにてフォーラムに参加したことをまとめてくださいました!ぜひこちらもご覧ください。


『今こそ語り合おう、情動制止困難のこと』

  • 登壇者たちより

【石井さん(ALS当事者)】
情動制止困難について、自分の家族の恥ずかしい部分を発表するのは迷ったけど、事細かに知ってもらうことで反響があったので話してよかったなと思いました。もっとたくさんの人に知ってほしいから、次回も情動制止困難のコーナーはあったほうがいいと思います。情動制止困難の症状を受けたときの介助者側の心の持ち方や、対応の仕方を介助者側は知りたいと思うので、介助者側が話せる時間が持てたらと思いました。

【山田さん(介助者)】
情動制止困難という研究が進んでいないけど、現場では最大の脅威といっていいほどの難しいところを、境ならではの切り口で取り上げてくださったこと、話してくださったことに感謝しています。
このテーマは介助者側の視点も必ず必要だと思います。情動制止困難は在宅破綻をさせてしまうほどの大きなテーマ。それがあっても在宅生活や関係性を継続していくにはどうしたら良いか今後も考えていきたいです。
また、発症初期の方が、情動制止困難を知ったときに絶望させてしまわないような切り口や伝え方で、正しい認知として広めていってほしいと思います。

振り返りより
  • 参加者より

・情動制止困難は次回もぜひ。身体障害に重ねて、発達障害や鬱、パニック障害など見えない障害を重複していることなどにも触れていってほしい。
・情動静止困難のこと、初めて知りました。高次脳機能障害は知っていましたが、大変勉強になりました。是非、職員と共有して、利用者と利用者家族さんとより良い関係性を作っていきたいと思います。イベントに出られていた方々、皆さん本当に雰囲気が良く、あたたかいものを感じました。もっと社会が良くなるように私も頑張ります。
・当事者の情動制止困難の体験談を聞けたことがとてもよかったです。

参加者アンケートより抜粋


『これって、あるある?介助をめぐる私のモヤモヤ。』

  • 登壇者たちより

【朝霧さん(SMA当事者)】
・公に、介助さんとの楽しい話でないことを話したのが初めてだったから、他の介助さんの反応が怖かったです。覚悟を決めないとでした。でも、コロナ禍でのことは、事実であったから話せてよかったと思っています。「チームでコミュニケーションが取れているんですね」という反響があってよかったな、伝わったらいいなと。
今回、増田さんや小田さんとともに登壇し、当事者の横のつながり、同じことに対して「うちはこうだよ」と聞けたことも本当に救われました。増田さんの魂の言葉も震えたし、自分ももっとはっきりと気持ちを言っていいんだなというか、自分はまだそこまで言えないから。小田さんと話せたことも本当に嬉しかったです。

【増田さん(ALS当事者)】
新旧のパーソナルアシスタントと登壇することができてよかったです。
次回も出る気満々だが、今のコミュニケーションが難しくなったときの介助者とのコミュニケーションの取り方や育成の仕方や、バリアフリーについて取り上げても良いと思いました。

【ユさん(介助者)】
増田さんは目が見えなくなってからはじめての大きなイベントでした。当日も増田さんの気持ちをリアルタイムで汲み取れなかったのは残念でしたが、増田さんと一緒に登壇できてうれしかったです。

【政岡さん(介助者)】
増田さんの活動にはいろいろ同行していたけど、大きな場で増田さんの代読をするのは初めてでした。おもしろかったしうれしかった。増田さんの表情も良くて、それもよかったなと思いました。増田さんの気持ちはすぐ言葉にできないから難しさを感じたけど、表情でも視聴者に伝わっていたからよかったです。

【深田さん(介助者)】
介助者の立場で小田政利さんと登壇させてもらいました。「小田さんち」の「あるある」や「モヤモヤ」は山のようにあって、それを少しでも小田さんと一緒にお話しできたのがよかったです。プライバシーもあるので、いちおう小田さんには事前に「このモヤモヤは話してもいいですか?」と確認したのですが、小田さんはなぜかうれしそうに「言って言って」と笑っていました。
 だから、他にも「ワインオープナーや延長コードやいろいろなモノが無くなったと言ってはすぐ買ってくるが、買ってきた途端に見つかるので、どんどん増えていく」「いつも洗濯物がうず高くたまっている」等々と、もっとモヤモヤ・ネタが控えていました(小田さん、また暴露しちゃってゴメン!)。だからまた次回を期待していたのですが、それが叶わなくなってしまったことが残念でたまりません。

振り返りより
  • 参加者より

・全体として、内容の濃さ故、もっと聞きたい!と思うと次に行ってしまう感じがあった。もやもやのところで話があったが、心に強く残ったのは増田さんの話。聞き取ろうという周りの姿勢がなければ、なかったことになってしまう言葉や気持ちがあるということを改めて考えた。それを考えられるのはこのイベントの意義深さだと思う。
・介助者の様々な悩みやモヤモヤ、生活で苦労してることが聞けて参考になった。

参加者アンケートより抜粋


クロージングトーク

  • 登壇者たちより

【穂高さん】
どのセッションを見ていても毎回進化しているなと思います。私も反響が届いていて、当事者からは「情動制止困難のことはちょっとこわかったけど大事な話」と。介助者からは「自分だけじゃないんだ、がんばろうと思った」と。発症して数年の方だと、怖さもありつつ、そこに向かっていこうと勇気をもらえると思う。これを通して、私に「研修してほしい」と要望が来るので、大事なイベントなんだと思っています。

【伊藤さん】
回を重ねるごとに深く、ファンが増えているような感じがします。介助者との問題、当事者との問題を抱えている方が見ているのだと思います。
ママとしての穂高さんだけじゃなくて、介助者・支援者としての穂高さんの言葉も聞きたいですし、もっと質問や内容を取り入れていきたいと思います。

振り返りより


展示「今、三陸から。そして私から。」

【企画者 佐藤さん】
とても考えて作ったものだったので伝わってよかったです。
この企画を知ってくださった方から協賛品をいただいていたので、その点ももっと伝えられたらよかったなと心残りがあります。

振り返りより

★ご協賛いただいた阿部商店様

2011年の東日本大震災で甚大な被害を被った宮城県・気仙沼。
8年前、復興商店街で手にしたTシャツにプリントされた言葉
We haven't lost it all」(私たちはすべてを失ったわけではない)
との再会が、この展示企画のすべての始まりでした。
この言葉を考え、今回の【介助者だって当事者だ。Vol.3】の企画にご賛同・ご協賛くださったのが気仙沼の阿部商店様です。

協賛品

★Tシャツはこちらからご購入いただけます
ブルースカイ・マーケット気仙沼(みなみまち青空市)様


開催を終えて

【事務局長 本間】
振り返りを通して浮かんできた言葉、それは「大事なのは現場の声」でした。
介助の現場ってどんなもの?重度障がい当事者ってどんな生活?当事者と介助者でリアルな実際を発信することの大切さは3回目を迎えた本年、改めて感じることとなりました。
参加ご視聴いただいた方の表情や感想は登壇者だけでなく関わったスタッフの学びにもつながっております。改めて御礼申し上げます。
「知ること」の大切さを境を越えてではこれからも大事にしフォーラムを作っていきたいと思っております。

最後になりますが、本フォーラムの「これって、あるある?介助をめぐる私のもやもや」にご登壇頂いた小田政利さんですが、2023.8月15日に永眠されましたことをここにご報告いたします。小田さんのユーモア溢れるトークと笑顔がこのフォーラムに刻まれたことを大切にしていきたいと思っております。
「えっ?僕が登壇ですか?何も良いこと言えないですよ。皆にいじられて生きているんですから」(登壇をお受けいただいたときの小田さんの言葉より)
小田政利さん、これからも見守っていてください。

お問い合わせ

info@sakaiwokoete.jp

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