「境を越えて通信」Vol.39-2022年10月号-

NPO法人境を越えて

2022年9月29日 12:21

今月のアート

活動報告

今月のPick up

【インターンシップ】学生の受け入れ

建築を学ぶ大学3年生のＴさんを計9日間、関係者の方々にご協力を得ながら受け入れました。
防災に関心を持ち研究する中で、バリアフリーや障がいを知りたいと思ったようです。また、東日本大震災を経験したり、宇宙兄弟にてALSを知ったこともきっかけになったとのことでした。

シャロンの先輩患者として登場する理事長・岡部をモデルとしたキャラクター（漫画『宇宙兄弟』24巻p173-講談社-より）

同じく、ALS当事者の橋本さんをモデルとしたキャラクター（漫画『宇宙兄弟』24巻p186-講談社-より）

どのような流れで受け入れたの？

Ｔさんは自分で障がい者に関わる団体をインターネットで検索し、いくつかの団体へ連絡をしたそうです。ある団体から、「より障がい当事者の生活を知るためには境を越えてがいいのではないか」と紹介を受けたとのことでした。
メールにて、どのようなことを学びたいのか、どのようなスケジュールで動けるのかを確認し、以下のようなプログラムを組みました。

１、カリプロの講義を受講して、地域で暮らす重度身体障がい者について基本的なことを知ってもらう
・・・4日間実施（内1日は巡回同行）
２、実際に、地域で暮らす重度身体障がい者の方のもとで見学をさせてもらう
・・・4日間実施（こちらで紹介した4名の方に自分でアポイントメントを取った）
３、振り返り

全体を通して、以下のように感想を話してくれました。

・当事者の日頃の生活や、バリアを感じているかどうかを知りたくてインターンをお願いした。
・カリプロは介助者の視点だったのでどうなんだろう？と思っていたが、当事者と介助者あわせて生活なんだ、と気づいた。どちらの視点も学べたのがよかった。また、何も知らなかったから、最低限の知識を学んでから見学に行けたのもよかった。
・４人の方のお宅へ行ってみて、同じ疾患でも進行が違うこと、状態が違うことは自分でもわかった。でも、皆さん優しくて、体が動かないだけで思ったよりアクティブだった。（ALS3名、筋ジス1名に受け入れをしていただきました。）

振り返りより

また、建築の視点からは以下のように感想を話してくれました。

・外出の同行もさせてもらい、駅では待ち時間が長かったり、エスカレーターとエレベーターの効率の悪さとか、（エレベーターを）健常者が使用してしまう問題を感じた。
・生活のしにくさというのは、建築側に知識がないからなのかなと思った。設計側は「これなら十分だろう、みんな乗れるだろう」と思っているのだと思う。
・バリアフリーの授業はなくはないけど、対象は高齢者。一般的な車椅子が対象とされていて、それが通れればOKとされていってしまう。
・意外と普通の家だった。少し改修したら住めるんだなと思った。
・カリプロのグループワークでは、（他の方は看護学生なので）看護の視点が来るのかと思ったけど、「エレベーターが狭かった」とか出てきて、そういったことは誰もが見てもバリアなんだと思った。
・医療福祉の学生でなくても、特に1日目は十分意味のある授業だと思う。2日目は難しかったけどタメになると思う。

振り返りより

Ｔさんは、福祉住環境コーディネーターの勉強もしてみようかな、と話していました。Ｔさん、ありがとうございました。
今後も、学生や一般に関わらず、知りたいと思ってくださる方々と繋がっていけたらと思います。

参考１：
今回受け入れをしてくださった酒井ひとみさんが参加された1泊2日の避難訓練の記事です。

参考２：
今回受け入れをしてくださった高野元さんが企画した災害対策講演会の記事です。

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