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算数を考える

「タイルは考える力を養う」

本日、2回目の更新です。台風の影響と、深夜発生した地震のこともあり、今日はおとなしく学びの日になりそうです。そんなおり、朝刊に義務教育開始年齢を下げるというニュースが一面を飾っていました。ようやく幼児教育の重要性を取り上げて頂き、ちょっとほっとしています。

木曜日、ある保護者の方からお電話を頂戴致しました。長いこと我が子に使用させる為の「タイル」を探されていたというのです。そして、ネットから当研究所を見つけられご連絡されたと聞きました。それが、試験的に作ったタイル指導の画像でした。近くに私の関係する教室が見当たらないため、「算数タイル」と「タイルさんすう」という教材などを特別販売させて頂きました。お話を伺うと、使えるタイル教具が無いと解りました。それまでは、厚紙などを切って作られていたそうです。タイルだけでなく、教材もなかなか見当たらないと言うことでした。

タイルを使っていると、「まだ、タイルを使ってるの?」「タイルは最初だけ、後は使えない。」とお考えになる方が多くいらっしゃいます。しかし、抽象化された数字だけで考える事は難しいでしょう。「中学入試にタイルなんて」と揶揄する声も聞きます。これは残念なことです。算数や理科は思考を高めてくれる学習です。算数などは法則性に関する問題もあり、大いに思考を巡らせる事が可能です。また、思考で大切な「仮説」という学習も見逃せません。ある算数の仮説授業です。「1のタイルがあります。次は2のタイルです。さて次は何のタイルがくるでしょう?2通りの答えを考えましょう。理由も考えて下さい。」

一般的な答えは「3」です。勿論正解ですが、2通り考える事が問題です。さて幾つでしょう?子ども達は様々な数を言いますが、皆説明が出来ません。数えて計算を解いている子は、順序数しか知りません。この問題は、「数え主義」で教わった子には難しい問題です。何故なら、タイル操作という説明の付く、思考を必要とする計算練習をしてこなかったからです。さて、先ほどの答えですが「4」です。1が2集まって2、2が2集まって4、では次の数は、もうおわかりでしょう。4が2集まって8となります。いわゆる2進法の考えです。

また、障がいを持たれたお子さんの算数指導には多くの具体物が使われます。しかし、実際に扱ってみると具体物の使用に限界を感じることになります。積み木なども利用しますが、少ない数の足し算や引き算は出来ても桁数の多い場合は難しく、最後には禁じ手である「指」を使ってしまいます。タイルも同じような扱いを受ける事があります。せっかくタイルがあっても、数字だけの操作を子どもに強要します。それは指導する側の問題です。また、タイルは算数学習の苦手な子、というイメージがあるようです。しかし、40年タイル指導を行ってくると、子ども達の数理解に、タイルは最も有効な教具であることが解ります。タイル操作には何が必要か、先ほども申し上げたように、単純な計算でさえ考えて操作するという思考力が求められるのです。数の仕組み、構成、繋がり、それは十進数構造に及び、繰り上がりの、または繰り下がりの意味を自ら理解出来るようになります。

タイル指導は、もう一つ、分析総合法という考え方を味方に付けました。計算の指導順序です。これから、幼児から始まる基礎教育が見直されてきます。大学受験でも基礎教育の見直しが課題となっています。そのとき、算数指導に於いて、タイル指導が与える影響は大でしょう。

今日最初に更新したブログにも載せましたが、今後、タイルの特徴を生かし切るため、算数教材の充実を図って参ります。教材についてのご質問やご購入に関しては以下のメールアドレスまでお問い合わせ下さい。

apple-ishikawa@ishikawa-kyouiku.co.jp

2013/10/26


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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