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幼児のための言語指導

「進む言語能力の低下に対して」

幼児を持つ保護者から、我が子のことばの遅さや、読み書きなどの言語能力についての悩み相談がここ数年増加傾向にあります。更に、指導要領の大幅変更から、幼児の文字数指導への関心が非常に高くなって来ました。お母さん同士の情報は、小学校入学後の今頃から活発化しているようです。何度もこのブログでお伝えしたように、既に小学校入学時点で大きな学力差があり、それを目の当たりにした保護者がここに来て焦り始めているのです。しかし、この時点で焦り急いで学習教室に通わせる保護者はまだ賢明な保護者と言えます。まだ小学1年生だから大丈夫と考えていると、子どもがこの時期に学ばなければならない、学力の基礎を築けなくなってしまいます。

子ども達の学力低下の原因は何でしょう。今まで何度もお伝えしてきましたが、ここで改めて整理しましょう。

  1. 先生の話や、人の話を聞くことが出来ない

  2. 先生の説明することばや内容が理解出来ない

  3. 集中して学習に取り組むことが出来ない

  4. 読む事、書くことが苦手

  5. 学習の習慣化ができていない

  6. 物事を覚えられない 記憶力がない

  7. 持続力がない

  8. 勉強がきらい

こうした内容は教育の専門家でなくても、誰でも考えられる内容ではないでしょうか。では、このように至った原因を考えて見て下さい。何故、人の話を聞けないのでしょうか、何故、人の話の内容を理解出来ないのでしょうか。人間にとって、最も大切なものは何かを考えるべきだと思います。それが「ことば」です。「ことば」は、人間が生きていく中で最も重要なものです。聞く、話す、伝える、思う、考える、悩む、覚える、理解する等々、これらは全てことばを介し行われるものばかりです。幼児教育のスタートはことばの獲得です。

大切な話しかけ、ことばがけ

赤ちゃんにことばがけを欠かさないお母さんは、賢いお母さんです。これは幼児にとっても大切です。では、賢いお母さんの、ことばがけの様子を見ていると共通しているところが幾つかあります。

  1. 常に笑顔で接している 

  2. 優しく、丁寧なことばを使っている

  3. ゆっくり、そして繰り返し行っている

  4. 赤ちゃんの反応に、優しく頷き返している

  5. 赤ちゃんの目をしっかり見ている

  6. その日の天気や様子を、形容詞を多用し説明している

  7. お父さんの話しや、祖父母の話し、兄弟の話しをよく聞かせている

  8. お話しをよく聞かせている

  9. 絵本や図鑑などを見せながら話しをしている

  10. お母さんの温もりや臭いを伝えている(抱っこ、添い寝など)

こうして、赤ちゃんはお母さんから「ことばを授かります」お母さんのことば、母国語を学びます。この時、賢いお母さんは、赤ちゃんに何か代償を求めることはありません。赤ちゃんの笑顔と、安心して眠る顔がお母さんにとって一番の贈り物です。赤ちゃんは、こうして親孝行をしているのです。そしてお母さんは無償の愛を赤ちゃんに与えます。

叱る前に教えること

これが人として、人間としてことばを学ぶスタートになります。赤ちゃんにとって全てが初めてのことだらけです。物事の善悪も解りません。だから赤ちゃんから学ぶのです。赤ちゃんは成長の過程で「悪戯」をし始めます。でもここで叱ってはいけません。「これは、いけないことだからやめようね」と伝えます。勿論、一度で覚え、理解することは出来ません。だから、繰り返し、繰り返し指導します。この関係が親子間の信頼関係を築き上げてきます。0歳、1歳、2歳と成長発達していくと、次第に乳幼児は行動半径が広がっていきます。自ら判断し行動します。この辺りから「心」の形成が始まります。「もの心が付く」と言われるのがこの頃です。この間、お母さんから学んだことばは、物や行動と一致し、確かな記憶に繋がって行きます。赤ちゃんが人間として、ことばを学ぶ。その最初の先生がお母さんです。赤ちゃんの心の中を、丁寧で、綺麗な日本語で満たすのか、それとも汚く薄汚れたようなことばで満たすのか、それは母であるお母さん次第です

2014/6/10


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
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