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もっと思考力を!「冷静に見る」

「相次ぐ疑問符の付く事件」

佐村河内氏のゴーストライター事件、小保方氏のSTAP細胞論文事件と相次いで世間を騒がす問題が起きている。記者会見はそれぞれ開かれたが、共に後味の悪い会見だった。問題発言を繰り返し物議を醸し出したNHK会長問題、そこに加わったのが佐村河内氏事件だ。彼を特集で扱い、ブームの火付け役となってしまったNHK。公共放送として民法とは違う立場にある筈だがその対応に疑問が残る。言わば、マスコミが作り上げた偶像である佐村河内氏だ。自己責任という言葉がある。また連帯責任という言葉もある。高校球児に対し問題を起こした場合、即出てくる大人達の「連帯責任」、今こそこの言葉を行動で示すべきではないだろうか。

小保方晴子さんについて開かれた理研の記者会見は、一列に並んだ方々は、まるで私達には責任はないという趣で、その内容は欠席裁判そのものだった。同じ仲間の若き研究者を守ろうという先輩達の温かいまなざしを感じられることは一つもなかった。論点の中心であるSTAP細胞の完成について論じることはなかった。事を急ぐあまりの勇み足のように感じた先日の発表記者会見。では、事を急がせたのは誰か、未熟であり、経験の少ない研究者であることは、その通りなのだろう。それを知って若いリーダーとして研修を任せたのではないのか。研究には若い斬新な考え方が必要であることは間違いの無いことだろう。論文が、科学雑誌ネイチャーに取り上げられた事を大々的に発表した背景に何があるのか。我が国は、こうした研究者の居場所が少なく、海外に流出しているという事実がある。東大が9月を新年度と考えるのも、優秀な頭脳を広く海外に求めたいという考えがあると聞いた。学ぶ場から、研究、開発する場へと大学も大学院も更にレベルアップする必要がある。彼女が優秀な科学者であるのなら、周囲の方々はどう行動されるのか、私は、彼女には諦めず研究を続けて頂きたいと願っている。

こうしてみると、子ども達のいじめ問題が教育の場で取り上げられるが、皆で祭り上げ偶像を作り、失敗するとその作り上げた側がよってたかって叩く、いじめの構図が見え隠れする。見ていてとても不快になるのは、画面にいじめの現場が生々しく映し出されているからではないだろうか。最近、あるテレビ番組が非難の的になった。しかし、この二つの問題は現実に起きている。偽装や虚偽はほぼ社会の中心を担う所で起きている。一つの判断が大変な事態を招く、この二つの問題は、社会全体が冷静さを欠いている典型的な事件ではないだろうか。

昨日発覚した、ベビーシッター事件も疑問符の付く事件だ。過去の常識は今の非常識とはいえ、子どもを数日間、他人に預けることなど考えられなかった時代があった。現在ベビーシッターには、何ら法的くくりはない。だから、すぐさま法整備を急ぐのか、それとも子どもを預けることができる施設を作ることを優先するのかという論議になる。私はそうは思わない。法的整備や施設の新設では解決できない問題が背景にあると思う。今回の事件の全容はわからない。しかし、こうして、毎回弱者である子どもが犠牲となっていく事実を真摯に受け止めるべきだ。彼ら子ども達は、何故夫婦二人のもとに生まれたのか。今回の事件で我が子を失ったお母さんには大変申し訳ないが、数日間も幼い子ども達を預けなければならない理由は何だったのだろうか。それぞれ理由があるだろう、しかし、夫婦にとって子どもという存在は何なのだろう。家庭や家族という概念が変化していることは肌で感じているが、こうした事件はこれからも後を絶たないだろう。もっと私達は真剣に考えるべきで、私自身、どう行動し考えるべきか、その答えが見つからないでいることが情けない。極論で語れば、「子ども達を守る」という現実が、場合によっては「子ども達を親から守る」としては断じてならない。心に深く突き刺さった事件だ。

2014/3/18


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

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