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話すこと、書くこと

「ことばを使う!」

「日本語大賞」に輝いた小学4年生の作文を読んで久しぶりに書くことの大切さを思い知った。以前、故水野茂一先生が中心となり朝日新聞との共催で幼児の作品コンクールが行われていた。最終審査は何と合宿所で行われた。子ども達は、与えられた題をもとに1時間足らずで作文を書くことになる。一心不乱に鉛筆を走らせる子ども達(幼児)に、朝日新聞の方々も驚きを隠せなかった。

故七田眞先生ともこのコンクールがきっかけだった。幼児でも、指導次第では作文が書ける、この事を実証して見せた作品コンクールの実績はもっと評価されるべきだろう。

日本語大賞を受賞した小学4年生の森田悠生君の作品は、1ヶ月近く入院し退院されたお母さんについて書かれた内容だった。ここで使われている言葉を抜粋してみると、「戻ってくる、いちもくさん、帰宅、香ばしい、とりあえず、日常、しだいに、姿を消す、お惣菜、食卓、状況、提案、好物、レシピ、ぶりの照り焼き、頼る」等、日常生活が伝わってくる。

しかし、いざ文を書いてみて初めて表現した言葉が出てこない自分に気付くことがある。ここに出てくる言葉は子ども達の文書から探し出すことは難しい。何も難しい言葉ではないのだが、今の子ども達の場合、表現がダイレクトになってしまう。作文には、体言止めなどもあり、森田君の書いた文章表現は実に多彩だ。

文章は書き込むほど上達する。それは、表現としての言葉を見つけるという学習があるからだ。その為には、文章を読まなければならない。人と話しをしなければならない。作文指導の下手な先生は、「自分の思ったこと、いつも話していることをそのまま書けばいい」と言う。それでは書けない。

つまり、口語と文語の違いが理解されていない。まずは、日記から書いてみるべきだ。書くには題材が必要で、その日一日を振り返る事ができる。言葉も使うし、ないより考える事が増える。思考は文章化することで、より整理され言葉の引用が次の言葉を引き寄せることに繋がる。特に、擬音語、擬態語を数多く学ぶことができる。たとえば、これからの季節を表現する、ぬくぬく、ぽかぽか、ほのぼの、ほんわか、ほっこりのような言葉が文全体の印象を豊かにしてくれる。

もっと文章を書こう!そして、語り合おう!家族で語り合う時間をもっと増やして頂きたい。森田君の文には、お母さんとの会話が沢山出てくる。会話は、思考の整理と、表現力を高めてくれる要素を多く持っている。そして、会話が持つ力に、人の心を理解する言葉のキャッチボールがある。

何を考え、何を言いたいのか、会話を重ねることで理解出来る事がある。それは、人の話に耳を傾けることが会話だからだ。人の心が読めないのは会話が足らない証拠だ。そこから心の行き違いが生じる。せめて親子の間では会話を絶やさないように、これからの学習は、文を書くこと、そして会話すること、そして家庭学習を充実させることにある。もっと活きた言葉を沢山使うべきだ。 

2014/2/17


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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