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変わる幼児教育

「時代が求める教育」幼児教育の標準化へ

文科省は、「学制制度改革」の一環として、早ければ2016年の改定を目指し、小学1年生の学習内容を年長児へ移行する考えを示しています。また、幼保と小学校への接続を円滑に行うよう考えています。これに対応し、幼稚園や保育園側の学習指導受け入れには様々な問題が生じてくるでしょう。先生の研修も合わせ、年長から小学生低学年指導の専門性も考えられます。

 40年前では考えられない、幼児教育の標準化が始まったのです。年長で扱われる学習内容は、国語指導であり、算数指導です。また理科、社会は「生活科」として位置づけられると思います。つまり、片手間の文字指導や数指導ではなく、教科指導としてより専門性が増してくると考えられます。これらの改革は、幼児教室の指導内容を大きく変える要素を持っています。幼児教育にも学習が求められるようになり、合わせて評価という、学習に対する基準が設けられ、それらに対応できるかが問われます。公教育で、幼保と小学校が連携し、学習内容の以降がスムーズに行われるようになる、つまり公教育に於ける幼小の一貫教育が新たに始まります。

 石川教育研究所では、当初から幼児教育の柱を「もじ・言語教育」「かず・算数教育」「ちえ・知覚教育」の3領域としています。基本は、認知心理学による多重知性理論です。国語系である「言語的知性」・算数、数学である「論理数学的知性」、その他、空間的知性、時間的知性、絵画造形的知性、社会的知性、身体運動的知性・音楽的知性の8つです。この中に、学校で学ぶ教科が入っていることがお解りでしょう。以前、知的教育だけでなく、情操教育も重要だというご意見がありました。その通りだと思います。学習はこうした人間の持つ知性をまんべんなく学べる環境を作ることが大切だと思います。今後、幼児が学ぶ教材にも小学校の学習に繋がる新たな教材が必要になります。既に、弊社の幼児教材を使われている場合、ご心配は入りません。また、昨年より、今後の変革に伴う準備を進めています。

 幼児教育には、こうした知性を高める指導だけでなく、「心の教育」があると思います。胎教から始まる「いのちの教育」を受け、ことばの獲得と併せて、子どもの持つ汎心性を大切にした指導が必要でしょう。それには、保護者の協力が必要です。子どもとのふれあい、スキンシップ、そして童謡や唱歌など、声を通した安らぎは子どもの心の不安を取り除きます。「心の教育」その、基本は、保護者が与える家庭の温もり、安心感が前提です。一緒に遊ぶことも忘れてはいけません。

 これからの幼児教室は教科指導が標準化されてくるでしょう。ですから、学習の専門性が、指導力が問われてくるのです。以前、質問にもあったように、小学校受験も変わるでしょう。小学校からでは遅い。文字数指導は幼児からが当たり前の時代に入ったのではないでしょうか。それを時代が求めていると言っても良いでしょう。

 佐世保の事件を契機に、子ども達の問題行動について精神医学だけでなく、脳科学の分野の進出も考えられます。人の行動は脳が起こします。今後は、精神鑑定だけでなく、脳機能の診断と分析が行われてくるのだと思います。脳科学が学習分野に入ってきて久しく時が過ぎました。しかし、最新脳科学では、人間の左右脳には今まで言われてきたような差違はあまりないという報告がされています。また、脳トレも特段の効果はないとも。脳にまつわる迷信ではなく、真実を見ることが大切なのでしょう。その中でも、脳の発達に関する事実は受け止めておくべきでしょう。脳は生誕直後驚くべき変化を起こすと言われています。そして、複数の脳科学者は、「幼小年期に脳は決まる」と言い切ります。いずれにせよ、幼少期は、人間の成長発達に於いて重要な時期であるということではないでしょうか。

2014/8/5


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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