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「子ども達が危ない!」子育てに黄色信号!

「生活行動の減少」

いったん緩んだ箍(たが)を締め直すには時間がかかります。箍とは、樽などの外側にはめて全体を堅く締め固めるのに用いるモノです。我が国の子ども達も、箍が緩んでしまっているようです。一方、最近話題となっている「キラキラネーム」、今も、日本テレビとフジテレビから取材を頂いています。しかし、このキラキラネームも、子ども達の名前に限った事ではありません。身近なところでは、歌の歌詞やグループ名などにも数多く使われています。最近では会社名にも使用されるなど、良くも悪くも広がりを見せています。”とうとう、会社名までキラキラネーム”と宇多田ヒカルさんに言われそうです。

私達は感覚教育を指導の一つにあげています。しかし、同時に社会全体も感覚で物事を捉えているように想います。ただ、私達のそれとはかなり違うようですが。

「漢字」が「感字」として扱われるように、本来の読みにはない読み方を”感覚的”に使用しています。例えば、身近な例では「女」を「ヒト」と読ませたり、「瞬間」を「トキ」と読ませたり、この様に、感字は私達の身の回りに数多くあります。これらを名前として使用したモノが一部ではキラキラネームとされていたりします。この傾向は漢字だけではありません。英語も和製英語としてつくられるものも珍しくはありません。ファッションやデザイン、イメージが先行し、それらを重視するが故に、我が国では、様々な言語や造語で満ち溢れています。これが、規則や規定を遵守する教育に悪影響を与えています。実際、文章にある「女」を「ヒト」と読んだ小学生がいます。歌の題名に「娘」という漢字を使い「ニャン」と読ませるものもあります。教育現場より刺激的な扱いをされるこれらイメージ戦略から、子ども達に与える影響は想像以上のものがあり、教育の見えない敵なのかも知れません。

コンビニのお総菜が美味しいと話題になっています。なるほど、家庭からまな板や包丁が消え始めているという話しも頷けます。子ども達には、家庭ほど学べる場所はありません。今、家庭から姿を消してたり、使われなくなってきたモノには何があるでしょうか。どの家庭にもあった、のこぎりやかんな、金づちなどの大工道具、さえ箸、包丁、まな板、鍋、おろし金、すり鉢とすりこぎなどの料理器具、箒やはたきなどの掃除道具、マッチ等々があげられます。時代が変わると、モノが変わると言われるように、私達の生活から「ものをつくる」「ものをなおす」「ものをきれいにする」と言われる生活行動が減少しています。親も子も益々不器用になり、生活力は落ちる一方です。

知識は、具体的な経験や体験から更に幅を拡げ、創造性を高めていきます。具体的経験や体験は、数多くが家庭の中にあります。一日の生活の中にある行動は、机上の知識からは生まれない生活の知恵を与えてくれます。これが子どもの生活力です。勿論、遊びにも生活力は必要です。ただし、それはネットゲームや、コンピュータゲームからは養えないものです。いわゆる伝承遊びこそ、平成の時代に生きる子ども達に力を与えてくれるのではないでしょうか。

2012/11/2


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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