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家庭学習

「家での学習」

昨日、埼玉県の公立高校の入試があり、とりあえず今年の受験は終了し、後は発表を待つだけとなりました。今年は、私が独立後、途中塾を併設してからずっと通って来てくれた子ども達の受験期でもありました。この間、様々な事がありました。家出、離婚、親の再婚、親子喧嘩等々、八潮市、草加市と足立区は低学力地域であり、足立区は都内で最も生活保護の世帯が多い地域でもあります。そして、母子家庭、父子家庭も多く、学習環境を整えるには非常に難しい地域であると言われています。その中でも、大学受験では国立校へ、高校もトップ校に合格し、進学してからも好成績を残してくれるなど、私自身の教育活動を後押ししてくれる子ども達の姿に心から感謝です。

彼らの成績を支えた原因は何か、それは、第一に「聞く力」です。授業での解説はお互い真剣勝負であったはずです。聞いていなければ立たせることは日常茶飯です。ただ、鬼のような形相で立たせるのではありません。聞いていれば答えられることができなければ立つ、学習の基本を徹底的に指導してきたつもりです。この緊張をもてるかどうか、学習を進めていく上では大切な事です。ただし、過度な緊張ではなく、自身を律することだと思います。その後は授業解説を基に演習となりますが、他の生徒より先にできた場合は、まずは問題の確認が優先されます。そして、解答までの時間、だれか問題を解けずに悩んでいる生徒へアドバイスをします。そして、全体を通した解答解説へと進んで行きます。

このような、教室の授業では、指導者が導く一定のリズムで行われていきます。しかし、家庭学習では、この授業リズム、学習リズムが付けにくいのです。また、くつろげる家庭では緊張感も出て来ないと言われています。家庭学習は、学習定着の要、親の立場からすれば毎日してもらいたいと願うのは当然です。ただ、「勉強しなさい!」としか言えない親であったならどうでしょう。これが現代の失語症を産んでいる原因です。子どもと親との間でことばが失われています。家庭学習にはそれを導く環境が大切です。親子の間のコミュニケーションがそうです。また、学習時間についても考える必要があるでしょう。自分自身の努力に対する時間を作る、それも親子で、家庭学習の最初は親子の共同作業から始まります。

2013/3/5


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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