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算数指導

「イメージとフィジカル」

天気予報に操られるように、大雪対策で悩んでいたのですがそれは杞憂に終わりました。日常生活にまた影響が出るのかと思われていましたが結果的には助かりました。やはり自然にはかないません。雪国の方々の雪対策から見ると何とも情けない思いです。

日常生活と学習とは切っても切れない関係があります。敢えて何故このような当たり前のことを言うのか、それは、多くの方が学習を狭く捉えすぎているからです。学習は実に幅が広く、教室という狭い空間だけでは判断出来ないこともあり、また、問題解決のヒントの多くは生活体験にあります。ですから、ブログに毎回のように出てくる体験、経験は日常生活にあるので、ここを疎かにして頂きたくありません。この経験が教室という外的な学習環境で整理統合されます。

算数指導ではタイルを使用します。具体物と数字という抽象の間に位置するのがタイルです。ものをタイルに置き換えて考えることができるからです。この「置き換え」の考え方はその後の学習で数多く出てきます。線分図、テープ図、□を使った問題、文字式、代数、方程式等、段階をおって出てきます。このような「置き換え」の考え方の他に、大切な指導上の目的があります。タイル以外にも、パズルや積み木があります。プリンスジュニア成城教室のブログにもありますが、積み木もその一つとして考えられます。ブログの中では「見る力、集中力、言語を聞き取る力、巧緻性そして、何よりも、あきらめない粘り強さに私達が驚かされています。」という内容があります。

これらは、プリンスジュニアとして独立してから目に見えて成果の現れている部分なのですが、じつは、タイルも含め、この具体物や半具体物等を使用した学習を「心象練習」=「イメージトレーニング」といいます。更に、実際に動かし操作する学習を、{身体練習}=「フィジカルトレーニング」といます。

数を分解し、様々な数に分ける、またはそれを合わせる、実際に操作工夫する学習が「見る学習」「聞く学習」を、ものを動かす際の指先にある神経を集中させる「巧緻性」を高めてくれます。そして、ここには、ある大切な学習の基礎が隠れています。それが「思考力」です。子ども達には考えさせる時間が必要です。操作の伴う学習はには必ず思考が入ります。更に、タイルのようなイメージ学習は記憶力を高めます。

昨日、プリンスという塾部門の先生方との研究会で、12×12をタイル表示しました。これは(10+2)(10+2)を掛け合わせたものですが、それを(X+2)(X+2)と因数分解・式の展開に変化させました。少し時間を置いて13×13という問題になったとき、先のタイル図がイメージされたのです。同時に因数分解と式の展開が蘇りました。小学2年生で行う学習が、そのまま中学3年生の学習へスライドしてきました。イメージトレーニング、フィジカルトレーニングを実感した瞬間です。暫くの間、学習は機械的作業と変化していたように思います。しかし、プリンスジュニアのチャレンジに見られるように、思考力を高める指導がこれからの教育の中心になると思います。その結果が見え始めています。変化に対応した指導は、賢い保護者によってさらに進化することでしょう。

2013/2/6


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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