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もう一つの教育

「教育を形作るピース」

衝撃的なニュースがグアムから入り、私の脳裏にある忌まわしい事件が突然蘇ってきました。2008年6月8日秋葉原、加藤という青年が、今回の事件と同様に車で人の中に突っ込み、その後多くの人を刃物で切りつけていきました。私の知人がその犠牲者となりました。
お亡くなりになった方々のご冥福を祈るばかりです。

40年近く教育界に身を置いていると、時折空しさに襲われることがあります。先のような事件を聞き、そして自分自身が被害者の関係者であると、犯人の生い立ちの中に「教育」という文字が浮かんで来ます。「人を育てることは難しい」だからこそ指導しなければならないと自分に言い聞かせたりします。教育は、教え育てるものだけではなく、その人にある力を引き出してあげることも重要な視点です。

私達がもっとも大切にしている「言語教育」。人は、様々な出来事、気持ち、思い、考え、感動等、自分自身が見聞きし感じたことをことばにして表します。短絡的な行動では無く、ことばを介して解決は着かなかったのか、心の底から悔しい思いがこみ上げてきます。

私達の教育の柱は「言語」「数」「知覚」です。しかし、これだけでは何かが足りません。それが「感覚」です。言語も数も知覚も、その手前で感じ取ることが必要です。教育はイメージだけが先行することではなく、フィジカルな部分も必要ではないかと思うのです。経験や体験、そしてそれらを感じ取る感覚器官がしっかり機能することから培われる総合的な学習こそ幼児教育の原点になると考えたのです。

こうして、幼児教育というパズルのピースである「感覚統合」が加わりました。

体験経験、多くの刺激、インプットの重要性と共に、それらを活用することの大切さに気付いたプリンスジュニアの幼児教育は、それまでの教育と大きく変化しました。今、問われている「置き換え」もその一つでしょう。数に於いても、知覚に於いても、そして感覚に於いても、ことばに換えることの大切さを痛感しています。ことばに換えて得られるものこそ「思考力」であり「判断力」です。この間培われるものとしては「観察力」であり「表現力」も加わるでしょう。それまでの教育の良さを更に高める、欠落していた部分は何かを分析すると、言語の重要性と感覚教育、そして記憶の活用、つまり思考力だったのです。

身体を使った指導、つまりフィジカルトレーニングは、それまでのイメージトレーニング効果を更に引き上げることが出来るようになって来ました。感覚教育の効果は、学習面全体に大きな影響を与えるようになって来たのです。教え育てる指導だけでなく、子ども達に備わって来た知識や思考力を取り出し、そして引き上げる指導へと進化してきたのです。フィジカルトレーニングは、まず子ども達の姿勢に現れます。これは、申し訳ありませんが他の幼児教室と比較されると一目瞭然です。子どもの学習に於ける姿勢は、学習内容の興味の度合いを示し、もう一つ、指導者の指導力を示しています。

フラッシュカードも、他の幼児教室の見本となる、復唱型を取り入れています。この復唱型は、それまでの聞くだけのカード指導から、大きく前進しました。更に、このカード指導は、塾部門プリンスの英語指導で導入され大きな効果を上げ始めています。こうして、プリンスジュニアの教育指導は、必然的に集まってきた一つずつのピースで形作られています。

教育の重要性が問われている時期だけに、新たに加わった感覚統合という考え方の指導は、幼児教育を語る上で重要なピースとなりました。教育にはこの様にいくつもの重要なピースによって形作られています。

2013/2/15


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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