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学力をつけよう!

「基礎教育のスキルを持つ塾へ!」

今年行われた全国学力テストの結果から静岡県の川勝平太知事が、下位の校長名を公表するという考えを示しました。国の実施要領では各都道府県の教育委員会に市町村名や学校名を公表しないよう求めています。今回の学力テストで、成績が悪かった順に100の学校の校長名を公表するとした川勝静岡県知事の理由は以下の通りです。

  • 子どもに責任はないということを明確にするため

  • 最低というのは教師の指導が最低ということ

  • (教師は大人として責任を持ち、反省材料して欲しい)

全国学力テストの結果を見ると、国語Aでは、報道にあるとおり、静岡県は全国最下位、正答数は18問中10.4問でした。ちなみに、1位の正答数は12.9問で秋田県、全国平均では11.3問でした。しかし、順位というものは、1位がいれば当然ながら最下位もいます。この学力テストは何の為に行われたのでしょうか。学力テストという意味から、順位を決めて「何かの」合否を決定するという事ではないでしょう。結果分析を様々な角度で、かつ全国単位で考えなければ意味がありません。勿論、成績には指導者の質は当たり前に問われるべきでしょう。突き詰めれば、学校単位の教務力、そして教師一人々の力量に辿りつくのです。広義に捉えると、地域の民間教育の質も問われてくるでしょう。では、成績は全て教育現場の教師だけに押しつけて良いものでしょうか。点数と順位とから見た単純な分析で、教師が怠慢であると言い切れるのでしょうか。このような短絡的な分析では、問題点はおろか解決策も見えてこないでしょう。では、この成績から見えるものは何でしょう。

 1,数で見る違い 生徒数:学校数 対応すべき生徒の数
   1位の平均生徒数:47位の平均生徒数=36人:66人
   ちなみに、上位3県の生徒数は皆40人を切っています

 2,地域で見る  私立中学校数 東京:静岡 学習環境の違い
   東京都内の私立校184校:静岡県内の私立校27校

この数字は、受け持つ生徒数の違い、また、私立中学の数では、進学に対する本人だけでなく保護者の意識などの違いなど、目には見えない力が成績に反映されていると考えられます。成績は質だけではなく、置かれた環境に大きく左右されます。ですから、分析は、点数だけでの判断は危険です。しかし、だからといって指導者自ら切磋琢磨せず、環境に責任を押しつけるべきではありません。実際、1位の秋田県は多くの努力をされています。一つ加えるならば、現代社会において、子ども達の成績は教師だけの責任と決めつけるには無理があるでしょう。保護者の協力も必要です。本人の努力も必要です。国語・算数という教科だけで教師の怠慢を非難するのは行き過ぎではないでしょうか。不名誉な結果ではありますが、これからの教育、指導を考え直す良いチャンスです。

成績を上げる。静岡県だけでなく誰もが願う事です。ここには少なからず競争の原理が働きます。競争とは、別の見方をすると目標という言葉に入れ替えることができます。「競う」ということは決して愚かなことではありません。自分自身を客観的に見るときにも「競い合い」の中で発見できることがあります。自分の目標をどこに、そして誰に置くか。良い例がスポーツの世界で見る事ができるでしょう。素晴らしい選手に憧れ、そのスポーツを目指す。これも「競い合い」です。その為、練習で沢山の汗を流します。保護者の方はどのようにお考えでしょう。学習も、競うには、沢山学ばなければなりません。努力なくしては競えないのです。学ぶことに意味や意義を持つこと、前提として押さえておかなければならない事です。

学力新時代に対応すべきは、基礎教育からスタートすべきです。低学年指導で質の高い指導をしている教室は、その先の指導も安心です。何故なら、低学年指導は誰もができると言う簡単な内容ではないからです。ゆとり教育終了後、子ども達の基礎教育不足が取りざたされています。小学1年から3年の学習が如何に大切か、それは高学年になって初めて身に染みてきます。何度かこのブログで登場した名古屋にある西塾では、15年近く「アップル」という名前で基礎教育をしてきました。その教育成果は、ベテランの先生お二人が引っ張っています。小学生や中学生にいち早くフラッシュカードを導入され、授業の体系を作り上げてきました。一時はトヨタショックもありましたが、最近では、低学年の数がかなりの増加傾向にあります。それは、これからの教育の重要性に保護者の方々が気付かれ始めてきたという証です。東京・神奈川のプリンスジュニア同様、低学年指導のスキルを持っている教室は安心して学ばせる事ができる内容を持っているはずです。公立校の先生方も民間教育の先生方も、子ども達の為にご自身のスキルを磨かれて下さい。

2013/9/10


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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