見出し画像

基礎・応用・発展+「思考・想像」

「幼児教室の選択」

先日、このブログでマス目君「方眼紙」を使ったサーキットゲームのお話をした。先日、名古屋の西塾で行われたセミナー修了後の研修で、ベテランの先生から、その内容について詳しく聞きたいと質問があった。現場の先生はやはり積極的だ。思考力を要する問題だけに、先生方も興味や関心があったのだろう。

今年の中受験は、その内容において東京を中心に変化の兆しが出てきた。知識中心から、思考力中心へと次第に変化してきている。そこで、研修では、「分数の割り算は、何故逆数にして掛けるのか」という問題解決に至ったのだ。こうして、学力新時代に、基礎、応用、発展に加え、「思考・想像」という新たな学習分野が増えたことになる。

プリントに書かれている問題を解くという今までの学習スタンスは、基礎力・応用力には向いていても、新たな思考力と想像力を求める問題には適していないのかも知れない。プリンスジュニア発足に伴い、教材開発を続けてきたが、その中で、最もシンプルでこうした「思考力・想像力」に適した教材は、全ての基本になる学習の素材とも言うべきものなのではないだろかと思い始めてきた。

それが、マス目君「方眼紙」のようなノートであり、平面図形の基本であるパズル・立体図形の基本である積み木、そして数学習のタイルのような学習素材ではないだろうか。

子ども達との、こうした学習素材を使用して行う授業は実に楽しい。教える、教わるという学習コミュニケーションではなく、自由に積み重ねたり、組み合わせたりという想像コミュニケーションと呼べる空間が出現する。暗記学習という、知識を丸ごと詰め込む教育指導が中心であった我が国の授業は、既に其の役目を終えたようである。

これからの学習に、特に思考力を伸ばすための学習には、こうした数学的要素の学習と、仮説・実験・実証・検証という思考力の基礎を学べる「理科」授業がもっと広範囲に行われるべきだろう。

この仮説・実験・実証・検証授業は、以前から塾の先生方にお伝えしてきたように、理科指導で生まれた指導法なのだが、国語でも、社会でも応用が可能なのだ。そこに、知識獲得の為の授業が加わることで、思考の範囲は更に広がりを見せることになる。

また、積み木やパズル授業も、与えられた問題を解くという、旧態依然の指導が幅をきかせているが、やはり大切な事は、自由に使い、自由発想でものを作る事だろう。パズルはそこから創造性を育み「創造パズル」へと変化していく。じっさい、パズルを幼児に与えてみると、平面だけでは終わらない、立てて壁にしたりパズルを積み重ねたり、平面に拘る大人の感覚を吹き飛ばず創造性を見せつけてくる。

最近、行っている私の実験的授業は、自由と制約(指導)という二つの側面から構成されている。そこには、学習素材が単なる添え物ではなく、主体として取り扱われている。こうした授業は、指導中心の授業とは違うことばが互いに出てくることも特徴にあげられる。自分だけのピース数ではできないとき、「一つ足りないので、赤の積み木をください」ということばが出てくる。「足りない」ということばを肌で感じ、その対応を考える。こうした子どもの状態、当たり前に映るだろうか。少子化の中、分ける、余る、足りないという要素を日常生活から得ることが次第に困難になってきている。

全てに於いて体験や経験は、次の創造を産む。この創造は、イメージやことば、そして実際の「モノ」で表現されることになる。また、このような過程を経て、子どもの思考力や想像力・創造力が育っていく。幼児教育はこれから新たな局面を迎えるだろう。

この間の幼児教育は、プリント学習という新たな幼児教育の可能性を引き出した。更に、知識という学習の基礎となる部分の入力方法、学習方法を確立させてきた。幼児教育「基礎教育」に残されたピースは、思考力・想像力・創造力・決断力という学習目標に向けた、学習の成果としての出力方法だ。この指導は、その後の小学性教育・中学生教育へと繋がらなければ意味がない。間違いなく学習の系統性が求められている。

そうしたニーズは保護者自らも強く持っている。我が子の将来を見据えている保護者は、幼児教室の選択に、こうした背景を視野に入れている。そこには、祖父母の姿が見え隠れしている。幼児教室の選択基準に何を据えるか、それはとても大切で大きな問題だろう。何故なら、幼児教室で子ども達の優劣の差がつき始めているからだ。

2014/3/1


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川先生監修!

幼児教室・学習塾のキッズスクールアップル富ヶ谷
内容は公式HPへ

https://kidsschool.feel-home.or.jp/philosophy

相談やお問い合わせ、無料体験教室の申し込みなど最新情報も受け取れる公式LINEアカウントも開設致しました!
ぜひお友だち登録して下さい。

https://lin.ee/E1RGD3v


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?